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葬祭扶助の対象者と支給額|生活保護以外でも使える?申請できる人の条件と却下される例

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役所の相談窓口で書類を確認する手元 葬儀の基礎知識・用語集
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先週、80代の女性から電話がありました。「息子が生活保護なんですけど、私が死んだら葬式代出してもらえるんでしょうか」。声が震えていました。この方の場合、答えは「条件次第」です。葬祭扶助は生活保護受給者本人が亡くなった時だけの制度ではなく、扶助を「申請する側」の経済状況で判断される仕組みだからです。ここを勘違いしている人が、私が現場で会う遺族の8割くらい。

私は葬祭業界20年、葬祭扶助を使ったお葬式を年間30件以上お手伝いしてきました。今日は「誰が対象で、いくら出て、どういう理由で却下されるのか」を、できる限り具体的な数字と現場のエピソードで書きます。書類の書き方じゃなくて、判断のポイントの話です。

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  1. 葬祭扶助の対象者は「亡くなった人」ではなく「葬儀を出す人」で決まる
    1. 対象になり得る3つのパターン
    2. 生活保護以外でも使えるケースはあるのか
  2. 支給額の上限と内訳|大人20万6千円が基本
    1. 支給額の中で「できること・できないこと」
    2. 超過分は誰が払うのか
  3. 申請できる人の条件|3つのチェックポイント
    1. 申請者本人の経済状況
    2. 扶養義務者への確認
    3. 故人の遺産・保険金の有無
  4. 却下されるケース|現場で見た実例5パターン
    1. パターン1: 葬儀を先に契約してしまった
    2. パターン2: 喪主に十分な収入がある
    3. パターン3: 故人に預貯金・保険金があった
    4. パターン4: 扶養義務者に支払能力があった
    5. パターン5: 葬儀の規模が扶助の範囲を超えていた
  5. 申請の流れとタイミング|「亡くなる前」から動く
    1. 危篤・臨終前の準備
    2. 亡くなった直後にすべきこと
    3. 申請から支給までの流れ
  6. 葬祭扶助を使うときによくある誤解と現場の本音
    1. 「みすぼらしい葬儀になるのが恥ずかしい」という声
    2. 「香典で費用を賄えるのでは?」という提案
    3. お坊さんを呼びたい場合の現実的な方法
  7. 葬祭扶助以外の選択肢|使える制度を並べる
    1. 葬祭費・埋葬料(健康保険から)
    2. 生活福祉資金貸付制度
    3. 自治体独自の減免・補助制度
  8. よくある質問
    1. Q1. 葬祭扶助を受けると戸籍に記録が残りますか?
    2. Q2. 遺骨は自宅に持ち帰れますか?
    3. Q3. 香典を受け取っても大丈夫ですか?
    4. Q4. 遠方の家族の葬儀でも申請できますか?
    5. Q5. 一度却下されたら、再申請はできませんか?
    6. Q6. 生前予約はできますか?
  9. 最後に|制度を知ることは、故人を大切にすること

葬祭扶助の対象者は「亡くなった人」ではなく「葬儀を出す人」で決まる

葬祭扶助は生活保護法第18条に定められた制度です。ここで一番誤解が多いのが、対象者の判定基準。「亡くなった人が生活保護を受けていたか」ではなく、「葬儀を執り行う人(喪主・施主)が困窮しているか」で判断されます。

だから、故人が生活保護受給者でも、遺族に経済的余裕があれば葬祭扶助は却下されます。逆に、故人が年金暮らしで受給者ではなかったとしても、喪主が生活保護受給者や困窮世帯であれば扶助が下りるケースがある。この違いを知らずに「うちは対象外だ」と諦めている方が本当に多いです。

去年担当したケースで、こんなことがありました。90歳のお父様が亡くなって、喪主は60代の息子さん。息子さんは長年の闘病で生活保護受給中でした。故人自身は遺族年金で細々と暮らしていたので受給者ではありません。それでも息子さんが申請人になることで、葬祭扶助が認められました。逆パターンも経験しています。生活保護を受けていたお母様が亡くなって、喪主は正社員で年収600万円の娘さん。この場合は却下です。娘さんに支払能力があるからです。

対象になり得る3つのパターン

実務で扶助が認められるのは、大きく分けて次の3パターンです。1つ目は、生活保護受給者が喪主となって同じく受給者だった家族を送るケース。2つ目は、生活保護受給者が喪主となって受給者ではなかった家族を送るケース。3つ目は、身寄りのない生活保護受給者が亡くなり、大家さんや民生委員、社会福祉協議会の職員が「葬祭を行う者」として申請するケース。

3つ目のパターンは意外と多い。アパートの独居高齢者が孤独死されて、家族と連絡がつかないか、家族が引き取りを拒否した場合、大家さんや管理会社が福祉事務所に相談して葬祭扶助を申請することがあります。この場合、葬儀と火葬だけを行って、遺骨は自治体が一定期間保管する流れになります。

生活保護以外でも使えるケースはあるのか

これは半分イエスで半分ノーです。厳密な意味での「葬祭扶助」は生活保護法に基づく制度なので、生活保護と全く無関係の人が単独で使えるわけではありません。ただし、生活保護は受けていなくても、収入・預貯金・親族の援助を総合的に見て「葬儀費用を負担できない」と判断されれば認められる可能性があります。

実際、私が関わった例では、年金月7万円で貯金ゼロの一人暮らしの高齢者が姉を亡くしたケースで、生活保護は受給していませんでしたが「葬儀費用の支払いは客観的に不可能」と福祉事務所が判断して扶助が下りました。ボーダーライン上にいる方は、諦めずに一度福祉事務所に相談してほしい。ちなみに生活保護そのものを受けていない人向けには、自治体独自の減免制度や貸付制度もあります。詳しくは低所得者向け葬儀費用の減免・貸付制度まとめで整理しました。

支給額の上限と内訳|大人20万6千円が基本

支給額は自治体によって微妙に違いますが、令和6年度の基準額は概ね次の通りです。大人(12歳以上)が20万6,000円以内、小人(12歳未満)が16万4,800円以内。この金額を上限として、実際にかかった費用が支給されます。

「20万円って結構もらえるじゃない」と思われるかもしれませんが、これは葬儀費用の一部という感覚とは違います。この金額の中で、遺体搬送・棺・ドライアイス・火葬料・骨壺・骨箱まで全部まかなう必要がある。都市部の火葬料が1件7万円を超える地域もあるので、実質的には最低限の火葬式(直葬)しかできません。読経も戒名もつきません。

項目基準額(大人)基準額(小人)備考
基本支給額206,000円以内164,800円以内自治体により多少差異あり
加算額(地域)+10〜20%程度+10〜20%程度大都市・級地により変動
含まれるもの遺体搬送、棺、ドライアイス、火葬料、骨壺、骨箱、最低限の骨上げ用具
含まれないもの通夜・告別式、僧侶読経、戒名、祭壇、会葬礼状、返礼品実質「直葬」のみ

支給額の中で「できること・できないこと」

私の勤める地域では、支給上限額が約22万円です。この中で私たちがご遺族にご提案する内容は、病院からのお迎え搬送、安置施設での2日程度の預かり、白木の簡素な棺、火葬料、白い骨壺と骨箱。これでほぼ上限額いっぱいです。

できないこととして一番聞かれるのが「お坊さんに来てもらえないか」です。これは扶助費の対象外なので、遺族が別途負担する形になります。生活保護受給者の遺族に「お布施を別で用意してください」とは言えません。だから多くの場合、火葬炉の前で私たちスタッフがご遺族と一緒に手を合わせるだけ、というシンプルな見送りになります。直葬の費用内訳を見てもらうと分かりますが、通常の直葬でも15万〜30万円かかるので、葬祭扶助の枠内でギリギリという感覚です。

超過分は誰が払うのか

支給額を超えた分は、原則として遺族が自己負担するか、葬儀社が持ち出しになります。だから、葬祭扶助を扱う葬儀社は「扶助費の範囲内でできる内容」を厳密に組んでいます。「もう少し良い棺にしたい」「花を入れたい」と言われても、追加料金が発生するので基本的にお断りするか、遺族の自費負担でご案内する形になる。

ここで一つ現場のリアルを書くと、私たち葬儀社側も葬祭扶助案件は薄利です。手続きに書類も多いし、市の担当者と何度もやり取りするので手間もかかる。それでも「困っている方のために必要な仕事だから」と受けている葬儀社が多い。逆に「うちは扶助案件は受けません」という葬儀社もあるので、事前に確認してください。

申請できる人の条件|3つのチェックポイント

福祉事務所が申請を審査するとき、大きく3つのポイントを見ます。1つ目は申請者本人の経済状況、2つ目は扶養義務者の経済状況、3つ目は故人の遺産の有無。この3つを総合的に判断して、支給の可否が決まります。

申請者本人の経済状況

申請者が生活保護受給者であれば、基本的にこの条件はクリアです。受給者でない場合は、収入・預貯金・不動産などの資産状況が調査されます。目安として、預貯金が数十万円以上あると「支払能力あり」と判断されることが多い。ただ、これも自治体や状況によって幅があります。

私が過去に見たケースで、預貯金が80万円あった申請者が「これは自分の生活防衛費で、葬儀に使ったら来月から食べていけない」と切実に訴えて、認められた例がありました。数字だけでなく、生活の実情を丁寧に説明することも大切だと感じています。

扶養義務者への確認

民法上の扶養義務者、つまり故人の配偶者・子・親・兄弟姉妹に「代わりに葬儀を出せる人がいないか」の確認が行われます。「疎遠だから連絡したくない」という気持ちは分かりますが、扶養義務者調査は避けられません。ただし、絶縁状態が長期にわたる、DV被害があった、認知症で判断能力がないなどの事情があれば、調査を簡略化してもらえる場合があります。

この扶養義務者調査で嫌な思いをする遺族が本当に多いんです。何十年も連絡していなかった兄弟に「妹さんの葬儀費用を出せますか」と福祉事務所から手紙が届く。それを受け取った側もびっくりしますよね。でもこれは制度上必要な手続きなので、割り切るしかない部分があります。

故人の遺産・保険金の有無

故人に預貯金や生命保険金がある場合、それを葬儀費用に充当することが求められます。故人の資産で葬儀費用を賄えるなら扶助は不要と判断されるためです。ここで注意したいのが、故人が生活保護受給者だった場合でも、亡くなった瞬間に少額の預貯金や年金の未支給分が残っていることがある点。これを申告せずに扶助を受けると、後で返還を求められるケースもあります。

却下されるケース|現場で見た実例5パターン

「申請したのに却下された」というご相談を年に何件も受けます。却下パターンには共通点があるので、代表的な5つを紹介します。

パターン1: 葬儀を先に契約してしまった

これが一番多い却下理由です。葬祭扶助は「葬儀を行う前に」福祉事務所に申請して承認を得る必要があります。病院で亡くなって慌てて葬儀社と契約した後で「そういえば葬祭扶助が使えるのかな」と役所に相談しても、時すでに遅し。承認前に契約した葬儀は「自己資金で支払能力があった」とみなされて却下されます。

去年、こんなお電話がありました。「他社で葬儀を50万円で契約したんですが、支払えないので葬祭扶助を使いたい」。残念ですがこれは無理です。契約した時点で「支払える見込みがあった」と判断される。だから困窮している自覚があるなら、真っ先に福祉事務所に電話することが鉄則です。

パターン2: 喪主に十分な収入がある

先ほどのお母様が生活保護受給者・娘さんが年収600万円のケース。喪主に葬儀費用の支払能力があると判断されると、故人が受給者でも却下されます。「私は生活保護を受けていないけど、故人が受けていたから使えると思った」というのが典型的な誤解です。

パターン3: 故人に預貯金・保険金があった

故人の口座に葬儀費用を賄える金額があれば却下されます。生前に「葬儀代くらいは残しておこう」と貯めていたお金が、皮肉にも扶助を受けられない理由になる。ただしこの場合、故人の預貯金で葬儀を行い、余った分は相続財産として扱えばいい話なので、扶助が却下されても実質的な負担は変わらないケースが多いです。

パターン4: 扶養義務者に支払能力があった

申請者本人は困窮していても、他の兄弟や子どもに支払能力があると却下される可能性があります。特に、故人の直系尊属・直系卑属・兄弟姉妹に安定した収入がある人がいる場合、その人が葬儀費用を負担するべきという判断になる。ここで「連絡取れないから」「関係が悪いから」という理由だけでは調査を回避できないのが辛いところです。

パターン5: 葬儀の規模が扶助の範囲を超えていた

「せめて祭壇を組んで、お坊さんを呼んで、家族葬にしたい」という希望で葬儀社と契約した場合、「支払能力あり」と判断されて却下されることがあります。葬祭扶助はあくまで「最低限の火葬」しか想定されていないので、それを超える葬儀を望むなら自費でということになる。

申請の流れとタイミング|「亡くなる前」から動く

葬祭扶助を確実に受けるためのタイミングを、時系列で整理します。

危篤・臨終前の準備

ご家族の病状が思わしくない段階で、担当のケースワーカー(生活保護受給者の場合)や地域の福祉事務所に「葬儀の際は葬祭扶助を利用したい」と一言伝えておくと、いざという時にスムーズです。担当者が変わっていたり、事前情報がなかったりすると、申請から承認まで時間がかかることがあります。

亡くなった直後にすべきこと

病院で亡くなったら、まず病院に「葬祭扶助を申請する予定なので、少し時間をください」と伝えてください。病院指定の葬儀社に慌てて搬送を頼まないこと。搬送だけでも数万円かかりますし、そのまま流れで葬儀契約に進んでしまうと、扶助対象外になるリスクがあります。病院指定業者を断る方法でも書きましたが、搬送先は自分たちで選ぶ権利があります。

次にすることは、福祉事務所への電話。時間外なら翌朝一番。「葬祭扶助を申請したい」と伝えると、担当者が対応してくれます。同時に、葬祭扶助案件を扱っている葬儀社に連絡します。「福祉葬」「市民葬」「葬祭扶助対応」などのキーワードで検索するか、福祉事務所に紹介してもらうと確実です。

申請から支給までの流れ

福祉事務所での申請 → 審査(当日〜数日)→ 承認 → 葬儀・火葬の実施 → 葬儀社が福祉事務所に費用請求 → 支給、という流れです。遺族が現金を受け取るわけではなく、葬儀社に直接支払われるのが一般的です。だから遺族は「立て替え」の心配がありません。

より詳細な流れについては、生活保護受給者の葬儀(葬祭扶助)ガイドに手続きの実例を載せています。合わせて確認しておくと安心です。

葬祭扶助を使うときによくある誤解と現場の本音

20年やっていて、遺族から聞かれる質問はだいたいパターン化しています。誤解が多い部分を整理します。

「みすぼらしい葬儀になるのが恥ずかしい」という声

正直、これを言われるのが一番辛いです。葬祭扶助の直葬は、確かに祭壇もお花もありません。でも、私たちが火葬炉の前で丁寧にお見送りする姿を見て「お金がないからって、粗末にされるわけじゃないんですね」と涙を流された娘さんがいました。

お金の多寡と、故人を大切に思う気持ちは別のものだと私は思ってます。葬祭扶助を使うことに引け目を感じる必要はまったくない。制度は、必要な人が使うためにあるものだから。

「香典で費用を賄えるのでは?」という提案

これはケースバイケース。葬祭扶助を申請する段階では、香典収入は見込みで計算しません。ただし、実際に葬儀を行って多額の香典が集まった場合、それは収入として申告する必要があります。申告せずにいると、後で「隠していた」と扱われて扶助費の返還を求められることがある。

お坊さんを呼びたい場合の現実的な方法

菩提寺がある場合、事情を話せば読経だけ来ていただけることがあります。お布施も「お気持ちで」と受け取ってくださるお寺さんも多い。私が担当した扶助案件でも、ご家族が「お坊さんが数珠を持たせてくれるだけで、心が落ち着きました」と話されていました。

菩提寺がない場合は、僧侶手配サービスを使う手もありますが、これは自費です。無理して呼ぶ必要はないと個人的には思います。手を合わせる気持ちがあれば、それで十分。

葬祭扶助以外の選択肢|使える制度を並べる

「うちは葬祭扶助の対象にはならなさそうだけど、葬儀費用が厳しい」という方のために、他の制度も併せて紹介します。

葬祭費・埋葬料(健康保険から)

これは葬祭扶助と別枠で、ほとんどの人が対象になる制度です。国民健康保険加入者なら葬祭費として3万〜7万円、社会保険加入者なら埋葬料として5万円が支給されます。申請すればもらえるお金なので、申請忘れがないようにしてください。詳細は葬祭費・埋葬料の申請方法にまとめました。

生活福祉資金貸付制度

市区町村の社会福祉協議会が窓口の貸付制度。葬儀費用の場合、生活福祉資金の「福祉費」枠で最大580万円まで借りられます。無利子または低利子で、連帯保証人がいれば無利子です。返済義務はありますが、当面の資金がない場合の選択肢になります。

自治体独自の減免・補助制度

市民葬・区民葬という名前で、自治体と葬儀社が提携して定額プランを提供している地域もあります。20万〜40万円程度で最低限の葬儀ができる仕組みで、低所得世帯向けの割引もある場合が多い。お住まいの市区町村役場の福祉課や、地域包括支援センターで確認してみてください。

よくある質問

Q1. 葬祭扶助を受けると戸籍に記録が残りますか?

戸籍には一切残りません。葬祭扶助の受給履歴が公的に残るのは、福祉事務所の内部記録のみです。将来的に故人の相続手続きや戸籍取得をしても、扶助を受けたことは第三者に分かりません。安心して制度を使ってください。

Q2. 遺骨は自宅に持ち帰れますか?

持ち帰れます。葬祭扶助で用意される骨壺と骨箱で、通常通り収骨してご自宅にお連れできます。ただしお墓や納骨堂への埋葬費用は扶助の対象外なので、そこは別途考える必要があります。合祀墓や永代供養で数万円から受け入れているお寺もあるので、経済的に厳しい場合はそちらを検討する方も多いです。

Q3. 香典を受け取っても大丈夫ですか?

受け取れます。ただし、多額の香典(数十万円以上)が集まった場合は、生活保護受給者の場合、収入認定される可能性があるのでケースワーカーに相談してください。少額の香典であれば、社会通念上の贈答として扱われることが多いです。

Q4. 遠方の家族の葬儀でも申請できますか?

できます。申請するのは「葬儀を行う人」が住んでいる自治体の福祉事務所です。故人が別の自治体で亡くなっていても、喪主が住む地域の役所で申請します。ただし遺体搬送費が高額になる場合、扶助の上限額を大きく超えるリスクがあるので、事前に必ず福祉事務所と葬儀社の両方に相談してください。

Q5. 一度却下されたら、再申請はできませんか?

状況が変われば再申請は可能です。ただし葬儀後の再申請は基本的に認められません。葬儀前の申請段階で却下された場合、追加資料を提出して再審査を依頼することはできます。「兄弟に支払能力があると判断された」場合、その兄弟から支払拒否の書面をもらうなどで覆るケースもあります。諦めずに福祉事務所と対話してほしいです。

Q6. 生前予約はできますか?

葬祭扶助自体は生前申請できません。亡くなった後に申請する制度です。ただし「自分が亡くなったら扶助を使ってほしい」という意思をエンディングノートなどに書き残しておくことは有効です。特におひとりさまの方は、大家さんや民生委員に「私の葬儀は扶助でお願いします」と伝えておくと、いざという時に手続きが円滑に進みます。

最後に|制度を知ることは、故人を大切にすること

20年この仕事をしていて感じるのは、経済的に厳しい遺族ほど「葬儀を出せなかったら、故人に申し訳ない」と自分を責めがちだということ。でも制度は、こういう時のためにあります。使うことは恥じゃないし、故人を粗末に扱うことでもない。

葬祭扶助でお見送りしたお父様の娘さんが、火葬後にぽつりと言いました。「お葬式ができないと思ってた。でも、ちゃんと見送れた」。この一言のために、私はこの仕事を続けているんだと思ってます。

今まさに困っている方がこの記事を読んでいるなら、真っ先に地域の福祉事務所に電話してください。夜間や休日でも、翌朝一番で構いません。契約より先に、まず相談。これだけは絶対に忘れないでほしい。

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