「終活カウンセラーの資格って、取っても意味ありますか?」、先月、うちの葬儀場に転職してきた32歳の女性スタッフから、面談中にこう聞かれた。彼女は前職が生命保険の営業で、在職中に初級を取ったらしい。テキスト代込みで15,000円払って、1日講習を受けて、簡単な筆記試験に受かった。「でも実際、名刺に書いても誰にも刺さらなくて…」と苦笑いしていた。
正直に言う。20年葬祭ディレクターをやってきて、終活カウンセラー資格を「必須」だと感じたことは一度もない。でも、「取っておいてよかった」と言うスタッフは私の周りに何人もいる。この差は何なのか。役に立つ人と、名刺の飾りで終わる人の分かれ目はどこにあるのか。今日はそれを、うちで働くスタッフ10人の実例と、私自身が上級を取った時の体験も交えて、包み隠さず書いていく。
結論から言うと、この資格は「単体で食べていける資格」ではない。葬祭・保険・介護・不動産などの本業があって、そこに「相談窓口としての引き出し」を増やしたい人には強力な武器になる。逆に、資格だけで独立しようとすると、ほぼ間違いなく行き詰まる。
この記事の要点
- 終活カウンセラー初級の合格率は95%以上、受講料15,000円で1日の講習後に筆記試験、実質「講習を受ければほぼ受かる」レベル
- 上級は合格率60〜70%、費用は約49,500円、2日間の講習と課題レポート提出があり、初級とは別物の難しさ
- 資格を活かして収入が上がったのは、葬祭業・保険営業・不動産・介護など「相談を受ける本業がある人」に集中(私の周辺10人中、実務で活きているのは7人)
- 更新料は2年ごとに5,000円、更新しないと資格失効。名刺だけで放置している人が3割ほどいる
- 類似資格の終活アドバイザー(ユーキャン、35,000円)と比べると、終活カウンセラーは講習型で対面ネットワークを作りやすく、アドバイザーは在宅完結型で費用は安め
終活カウンセラーとは何をする資格か
終活カウンセラーは、一般社団法人終活カウンセラー協会が2011年から認定している民間資格だ。国家資格ではなく、業務独占資格でもない。「終活について困っている人の悩みを聞き、必要な専門家(弁護士・税理士・葬儀社・僧侶など)につなぐ役割」というのが公式の位置づけになっている。
ここが誤解されやすいところで、「相続の相談を受けて、税額計算まで自分でやる」のはNG。それは税理士法違反になる。あくまで「話を聞いて交通整理をする窓口係」であって、専門判断は各士業に任せるのが原則だ。この線引きを理解していないと、資格を取っても現場で何もできないと感じてしまう。
2024年時点で、協会が発表している累計認定者数は約6万人。年々増えているが、そのうち実際に「終活カウンセラー」と名乗って活動しているのは、体感で3割前後だと思う。うちのグループ会社にも初級保有者が12人いるが、日常業務で「カウンセラーです」と名乗る場面はまずない。名刺の裏に小さく書いてある程度だ。
相談内容の実例
先月、うちの事前相談ブースに来られた70代のご夫婦の話をしたい。ご主人が脳梗塞で半身麻痺になり、奥様が「もう自分たちのことは自分たちで決めておきたい」とお越しになった。相談内容は、葬儀の希望、お墓の処分、預貯金の管理、施設入所後の家の処分、と多岐にわたる。この場に必要なのは、税理士でも司法書士でも葬儀プランナーでもない。「全体像を一緒に整理してくれる人」だ。
この時、対応した後輩スタッフ(上級保有)が2時間かけて話を聞き、エンディングノートの該当ページを一緒に埋めながら、「ここは司法書士さんに」「ここは市役所の高齢福祉課に」と振り分けていった。ご夫婦は帰り際、「頭の中がやっと整理できた。ありがとう」と涙ぐんでおられた。これが終活カウンセラーの本来の仕事だと私は思う。エンディングノートの書き方全般については、項目別の書き方と5つのコツをまとめた過去記事も参考にしてほしい。
初級試験の難易度と合格率
初級の合格率は非公表だが、協会関係者に聞くと「95%以上」というのが実情だ。うちで受験した8人は全員一発合格した。落ちた人を私は知らない。
試験内容は、1日の講習(6時間)を受けた後、その日のうちに筆記試験を受ける形式。試験問題はマークシート方式で、講習で扱った内容がそのまま出る。テキストの重要箇所には講師が「ここ大事ですよ」と印をつけてくれる。極端に言えば、真剣に講習を聞いてメモを取っていれば落ちようがない。
私が同席したのは2019年の東京会場だった。60名ほどの受験者のうち、7割が女性、年代は40代〜60代が中心。前職を聞くと、生命保険の営業、介護施設の相談員、行政書士補助、葬儀社の総務、といった顔ぶれ。全員、本業のプラスαとして受けている。
受講料と当日の流れ
費用は受講料15,000円(税込)。これに事前学習用のテキスト代が別で発生する場合がある。当日の流れは、9時30分集合、6時間の講習、休憩を挟んで16時から筆記試験、17時終了というのが標準だ。合否は後日郵送で通知される。私が知る限り、合格発表まで2〜3週間ほどかかる。
合格すると、認定証と資格カードが送られてくる。ここまでで初級カウンセラーを名乗れるようになる。名刺への記載もOK、SNSプロフィールへの記載もOK。ただし、この時点では「終活の全体像をなんとなく把握した人」レベルであって、深い相談対応はまだ難しい。
上級試験の難易度と課題内容
上級の合格率は公表されていないが、私が受けた2021年の東京会場は、体感で60〜70%だった。落ちる人が3割前後いる、というレベル。初級とは別物の難しさになる。
上級の受験には、まず初級保有が前提。その上で、2日間の講習と課題レポート提出、対面での面接試験というプロセスを踏む。費用は約49,500円。日程は土日2日間の連続講習が基本だが、地域によっては金土や平日開催もある。
課題レポートの中身
課題レポートが上級の一番の関門だ。私の時は、「ある70代女性の相談ケース」が渡されて、そのケースに対して自分がカウンセラーとしてどう対応するかを、A4で3〜5枚にまとめる、というものだった。具体的には、相続、葬儀、お墓、遺言、介護、と絡み合ったケースで、どこから手をつけるか、どの専門家につなぐか、優先順位をどう説明するか、を書く。
私は葬祭現場の経験から葬儀とお墓の部分は書きやすかったが、相続税と遺言の絡みで悩んだ。結局、税理士の同期に電話して30分ほどヒアリングし、その内容をレポートに反映させた。この「わからないところは専門家に聞く」という姿勢そのものが、実は上級の評価ポイントらしい。自分だけで完結させようとする人は、面接で減点されるという話を後から聞いた。
面接試験の実際
面接は15分ほど。試験官はベテランの上級カウンセラー2名。レポートに書いた内容について「なぜこう判断したのか」「他の可能性は考えなかったのか」を突っ込まれる。私は葬儀の希望確認について、「まず菩提寺の有無を聞きます」と答えたら、「もし菩提寺がないと言われたら?」「あるけど関係が疎遠だったら?」と派生質問が3段階飛んできた。ここで詰まると印象が悪くなる。
菩提寺との関係が疎遠な家庭は本当に増えていて、うちの葬儀の4割近くが「菩提寺なし・宗派もあやふや」だ。上級カウンセラーとして相談を受けるなら、こうした現実に即した回答ができる必要がある。直葬を選んだ後で菩提寺から納骨を拒否されるトラブルもあるので、直葬で後悔するケースのような話も引き出しに入れておきたい。
資格を取って収入が上がった人・上がらなかった人
ここが一番聞かれる質問だと思う。「取ったら年収は上がりますか?」と。答えは「本業次第」だ。私の周辺で終活カウンセラーを保有する10人の追跡結果を、正直に書いてみる。
| 本業 | 資格級 | 収入への影響 | 実際の変化 |
|---|---|---|---|
| 葬祭ディレクター | 上級 | 年収+30〜50万 | 事前相談の指名が増え、契約単価も上昇 |
| 生命保険営業(女性40代) | 初級 | 年収+80万 | 終活セミナー講師で契約獲得 |
| 葬儀社総務 | 初級 | ほぼ変化なし | 顧客接点がなく活用機会なし |
| 介護施設相談員 | 上級 | 年収+15万 | 入所相談で家族対応力が向上 |
| 行政書士補助 | 上級 | 年収+40万 | 遺言・相続相談で独自ルート開拓 |
| 不動産営業(50代男性) | 初級 | 年収+60万 | 実家じまい相談で成約率アップ |
| 専業主婦(独立志向) | 初級のみ | 変化なし | 営業ルートを作れず活動停止 |
| 寺院関係者 | 上級 | プラスαあり | 檀家向けセミナーで信頼向上 |
| フリーライター | 初級 | 執筆単価アップ | 終活記事の案件が来やすくなった |
| 元銀行員(退職後) | 上級 | ほぼ収入なし | 個人開業したが集客できず |
この表からわかるのは、「顧客接点のある本業を持っている人」ほど収入が上がっている、という現実だ。逆に、資格だけで独立を目指した人や、社内で顧客と直接会わない部署の人は、収入への影響がほぼゼロだった。
保険営業の実例
特に成功例として印象的だったのは、生命保険営業の40代女性のケース。彼女は初級を取った後、地元の公民館で月1回、無料の「終活おしゃべりカフェ」を開催した。参加費500円、お茶とお菓子付き。集客はチラシと口コミだけ。3年続けたら、リピーターが80名を超えて、そこから保険契約が年間20件以上取れるようになった。
彼女いわく、「終活カウンセラーの名刺があると、保険営業として来る時と全く違う顔で会える。おしゃべりカフェの主催者、という立場で信頼される」とのこと。この使い方は本当に上手いと思う。生命保険の実務については、持病があっても入れる保険の審査基準など、終活相談の現場で問われる実践的な知識を組み合わせられるかどうかで、カウンセラーとしての厚みが変わってくる。
類似資格との比較、終活アドバイザーとの違い
終活系資格でよく比較されるのが「終活アドバイザー」(NPO法人ら・し・さ認定、ユーキャン講座)だ。相談者から「どっちを取ればいいですか?」と聞かれる機会も多いので、違いを整理しておく。
| 比較項目 | 終活カウンセラー | 終活アドバイザー |
|---|---|---|
| 認定団体 | 終活カウンセラー協会 | NPO法人ら・し・さ |
| 初級費用 | 15,000円 | 約35,000円(ユーキャン講座含む) |
| 学習方法 | 1日対面講習 | 3〜4ヶ月の通信講座 |
| 試験形式 | 講習後に会場で筆記 | 在宅で課題提出 |
| 合格率 | 初級95%以上 | 約95% |
| 更新料 | 2年ごと5,000円 | 年会費5,000円 |
| ネットワーク | 対面講習で人脈作りやすい | 基本は個人完結型 |
どちらが優れているか、という単純な話ではない。忙しい社会人で自宅学習が向いている人は終活アドバイザー、対面のネットワークを作りたい人や短期で取りたい人は終活カウンセラー、と使い分けるのが現実的だ。私は両方の保有者を知っているが、「取っただけ」で放置している率はどちらも似たようなものだった。
もし葬祭業界への転職を視野に入れているなら、終活カウンセラーの方がやや相性がいい。理由は、講習で葬祭・霊園関係者と出会える確率が高く、そこから業界情報が入ってきやすいからだ。終活アドバイザーの取得を含めた比較は、終活アドバイザー資格の取得メリットで詳しく書いた。
葬祭業界で資格を活かす具体的な方法
ここからは葬祭業界での活用に絞って話す。うちの会社では、社員に対して終活カウンセラー資格取得を推奨していて、取得費用の半額補助制度がある。理由は3つ。事前相談の質が上がる、顧客との信頼構築が早い、社内での知識レベルが揃う。
事前相談ブースでの活用
葬儀社の事前相談は、以前は「うちの葬儀プランはこうです、予算はいくらです」の一方通行だった。今はまったく違う。相談者の8割は、葬儀だけの相談ではない。お墓、相続、介護、老人ホーム、実家の処分、独居の親のケア、と話題が広がる。ここで「うちは葬儀のことしかわかりません」で突き放すと、そのお客様は二度と戻ってこない。
終活カウンセラー資格を持っていると、少なくとも「話の全体像を把握して、それぞれの窓口を紹介する」ことができる。実際、うちの上級保有スタッフは、司法書士・税理士・不動産会社・地域包括支援センターの連絡先リストを常備している。相談者に「ここに電話してみてください」と紙を渡せると、それだけで信頼度が跳ね上がる。
セミナー講師としての活動
もう一つの活用は、地域向け終活セミナーの講師だ。うちの葬儀場では、月1〜2回、公民館やスーパーの2階、老人クラブなどで「終活入門講座」を開催している。講師はうちのスタッフ、参加費無料、時間は90分程度。年間で40回、参加人数は延べ800〜1,000人になる。
ここで「終活カウンセラー」の肩書きがあると、話の説得力が段違いに増す。「葬儀屋さんのセミナー」だと構えられがちだが、「終活カウンセラーの◯◯です」と自己紹介すると、参加者との距離がぐっと縮まる。この90分のセミナーから、事前相談への予約が月10件前後入る。年間120件。そのうち半分が実際の葬儀契約に繋がる。
葬儀の事前相談で確認しておくべきことは幅広く、失敗しない葬儀社の選び方と事前相談のチェックポイントでも触れているが、カウンセラーとして相談に乗るなら、こうした実務知識を裏打ちに持っておくことが必須だ。
資格取得の落とし穴と更新の負担
ここは正直に書いておく。終活カウンセラー資格には「更新料」と「更新研修」がある。2年ごとに5,000円を払い、指定の研修(オンラインまたは対面)を受けないと資格失効になる。
私の周辺で初級を取得した8人のうち、2人はすでに失効している。理由を聞くと「更新料払うほど使ってなかった」「更新研修の日程が合わなかった」というシンプルな話だ。特に、資格を取ったけれど本業で使う機会がなかった人は、更新を諦めるパターンが多い。
もう一つの落とし穴は、「取得後の情報アップデート」だ。相続法改正、デジタル遺品の扱い、身元保証サービスの新展開、と終活の周辺情報は年々変わっている。資格を維持していても、自分で情報を追わないと、5年前の知識でアドバイスして相談者を混乱させる、という事態が起こる。うちのスタッフには「取得後こそ勉強」と口を酸っぱくして言っている。相続手続きの基本については親が亡くなった後の手続きチェックリストのような実務資料を定期的に見直してもらっている。
「取ったのに活かせない」失敗パターン
資格取得の失敗パターンで一番多いのは、「取ったら何かが変わる」と期待して取ってしまうケース。これは大学時代の資格取得の感覚を引きずっている人に多い。実際は、資格を取っただけでは何も変わらない。それをどう使うかを自分で設計しないと、名刺の飾りで終わる。
私が上級を取った直後、正直「これで何が変わるんだろう」と思った。1ヶ月ほど何も変化がなかった。変わり始めたのは、意識的に事前相談で「終活カウンセラーとして相談を受けます」と切り出すようになってからだ。自分の看板を自分で立てないと、資格は寝たままになる。
受験申し込みから合格後までの流れ
実際に受験を考えている人向けに、申し込みから合格後までのステップを整理しておく。私の経験と、うちのスタッフの体験をもとにした実務ベースの流れだ。
- ステップ1:協会公式サイトで開催日程を確認(全国主要都市で月1〜2回開催)
- ステップ2:オンライン申し込み、受講料15,000円を振込
- ステップ3:事前テキストが1週間ほど前に届く、目を通しておく(必須ではないが推奨)
- ステップ4:当日会場入り、9時30分集合、6時間の講習と休憩
- ステップ5:16時から筆記試験(60分程度、マークシート)
- ステップ6:2〜3週間後、合否通知と認定証が郵送で届く
- ステップ7:上級を目指す場合は初級取得後にすぐ申し込み可能
コツを1つだけ挙げるなら、「講習中に隣の席の人と名刺交換すること」。私の場合、東京会場で隣に座った方が、後の司法書士のパートナーになった。上級試験の会場で出会ったカウンセラーとも、いまだに情報交換が続いている。資格そのものより、この人的ネットワークの方が長期的には大きな財産になる。
終活カウンセラーが向いている人・向いていない人
20年葬祭現場にいる立場から見て、この資格が向いている人と、向いていない人の違いを書く。参考にしてほしい。
向いている人
向いている人の特徴は明確だ。まず、本業で高齢者や家族と接する機会が定期的にある人。生命保険、不動産、介護、葬祭、行政書士補助、寺院、といった業種。次に、「話を聞くこと」が苦にならない人。カウンセラーの本質は聴くこと。自分が話したい人には向かない。
そして、「わからないことを、わからないと言える謙虚さ」を持っている人。相続税の詳細、不動産評価、医療の専門知識、全部自分で抱え込もうとする人は、必ずどこかで破綻する。適切に専門家に振れることが最大のスキルだ。
向いていない人
逆に向いていない人は、「資格を取れば独立できる」と考えている人。これはほぼ確実に失敗する。終活カウンセラーの認知度は、まだ「税理士」や「行政書士」ほど一般化していない。カウンセラーだけで集客するのは想像以上に難しい。本業の看板があってこそ活きる資格だと理解してほしい。
また、感情的な話に巻き込まれやすい人も注意が必要。終活相談は、家族関係のもつれや、過去の後悔、死への恐怖、といった感情の海に飛び込むような場面が多い。ここで自分も一緒に沈んでしまう人は、精神的に消耗しすぎる。適切な距離感を保てるかどうかは、大きな適性の分かれ目になる。
よくある質問
Q1. 終活カウンセラー資格だけで独立開業はできますか?
結論から言うと、非常に厳しいです。私の周辺で「終活カウンセラー単体で独立」を目指した元銀行員の方は、開業3年目でほぼ休業状態です。カウンセラーの認知度がまだ低く、単独看板での集客は難しいのが現実。独立するなら、行政書士・ファイナンシャルプランナー・宅建士など、専門資格を軸にして、カウンセラーはサブとして掲げる形が現実的です。
Q2. 初級と上級、どちらから受けるべき?
初級を経由しないと上級は受験できません。ただ、初級だけで止めるか、上級まで進むかは、活用場面によります。事前相談ブースでガッツリ対応するなら上級推奨、名刺の肩書きとして持っておくだけなら初級で十分。上級は費用が49,500円と初級の3倍以上、課題レポートもあるので、目的が明確でないと途中で挫折します。
Q3. 更新料を払わないとどうなりますか?
資格が失効します。名刺やSNSに「終活カウンセラー」と記載できなくなり、記載を続けると規約違反になります。ただし、失効後も再登録手続きは可能で、その場合は所定の再研修と再登録料を払う必要があります。ちなみに私の周辺では、失効した2人のうち1人が3年後に再登録しました。理由は「独立開業の準備で必要になった」からです。
Q4. 会社が費用補助してくれない場合、自費で取る価値はある?
本業で活かす明確な計画があるなら、初級の15,000円は投資として妥当だと感じます。1年で回収できる可能性が高い金額です。ただし、上級の49,500円は慎重に。特に、事前相談を頻繁に受ける立場でない場合、費用対効果が見合わない可能性があります。私の同僚には、初級だけで長く活躍している人が何人もいます。
Q5. 高齢でも取得できますか?年齢制限は?
受験資格に年齢制限はありません。私が受講した会場では、70代の男性が受講されていて、その方は元教員で「自分の終活と、地域の方の相談に乗るため」に取得されていました。試験も無事合格されました。むしろ、60代以降で取る方は、動機が明確で、実生活での活用イメージも具体的なので、資格が活きやすい傾向があります。
Q6. 葬儀業界への転職に有利になりますか?
プラスにはなりますが、決定的な武器ではありません。うちの採用面接でも、「終活カウンセラー保有」は評価しますが、必須ではないですし、それだけで合否が決まることはありません。むしろ重視されるのは、接客経験、体力、深夜対応への理解、家族への配慮、といった実務適性です。葬儀業界への転職を本気で考えるなら、葬儀屋への就職・転職ガイドで必要なスキルや適性を確認してから、資格取得を判断するのが順序としては正解だと思います。
まとめ、資格は「使う人」のものになる
ここまで書いてきて、伝えたいことは一つに集約される。終活カウンセラー資格は、それ自体に価値があるのではなく、それをどう使うかで価値が決まる、ということ。初級95%の合格率が示すように、資格取得のハードルは低い。しかし、取得後にどう活用するかは、本人次第で天と地ほど差が出る。
私自身、上級を取ってから5年経ったが、この資格がなかったら出会えなかったご家族、聞けなかった相談、繋げなかった専門家との縁が、確実にある。「取ってよかった」と今は思ってる。ただ、それは資格を寝かせずに、意識的に使い続けてきたからだ。
これから取ろうか迷っている方には、こう伝えたい。取るなら、取得後の3ヶ月間、どこで何に使うかを具体的に決めてから受けてほしい。「事前相談ブースで名乗る」「地域セミナーを月1回開催する」「顧客訪問時に必ず終活の話題を出す」、具体的な使い道が3つ以上思い浮かばないなら、いったん見送るのが賢明だ。
資格は道具でしかない。使い手の腕と意志があってこそ、初めて意味を持つ。それは20年葬祭現場にいて、いろんな資格保有者を見てきた実感として、確信を持って言えることです。




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