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高額療養費と葬祭費は併用できる?死亡直後に申請すべき給付金一覧と請求期限早見表

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書類とペンを前に手続きを確認する遺族の手元 葬儀の基礎知識・用語集
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先週、お母様を亡くされた50代の女性から相談を受けました。「入院中の高額療養費の申請書が病院から届いたんですが、葬儀の後に葬祭費も貰えるって聞いて。どっちか片方しかダメなんでしょうか」と、憔悴した声で。

結論からお伝えすると、高額療養費と葬祭費は完全に別制度で、両方受け取れます。故人の医療費に対する払い戻しと、葬儀を行った人への給付金なので、根拠となる法律も申請窓口も違うんです。

ただ、問題は「知っていれば貰えたのに、期限を過ぎて泣き寝入り」というケースが本当に多いこと。私が20年現場にいて、遺族から一番よく聞く後悔がこれ。今日は死亡直後に申請すべき給付金を、期限が早い順にまとめて整理します。合計で30万円以上戻ってくるご家庭も珍しくありません。

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  1. 高額療養費と葬祭費は「別制度」だから併用できる
    1. 「二重取り」になるんじゃないかという誤解
  2. 死亡直後に申請すべき給付金一覧【期限が早い順】
  3. 高額療養費の申請|故人の医療費を取り戻す方法
    1. 申請に必要なもの
    2. 「限度額適用認定証」を使っていた場合
  4. 葬祭費の申請|国保・後期高齢者の場合
    1. 申請に必要なもの
  5. 埋葬料の申請|社会保険の場合
    1. 生計維持関係がなかった場合の「埋葬費」
  6. 遺族年金と未支給年金|見落としがちだけど額が大きい
    1. 遺族年金の基本
    2. 未支給年金の見落としに注意
  7. 生命保険金の請求|3年で時効になる怖さ
    1. 簡易保険(かんぽ生命)は特に注意
  8. 申請を効率化するコツ|「同時進行」で疲弊を防ぐ
    1. 役所は「ワンストップ窓口」を使う
    2. 親族が亡くなった直後の手続き全体像
  9. 受け取り漏れを防ぐための最終チェックリスト
  10. よくある質問
    1. Q1. 高額療養費と葬祭費を両方申請したら、税金がかかりますか?
    2. Q2. 葬儀を家族葬でひっそり行いましたが、葬祭費はもらえますか?
    3. Q3. 直葬(火葬のみ)でも葬祭費はもらえますか?
    4. Q4. 申請期限を過ぎてしまいました。もう請求できませんか?
    5. Q5. 喪主が私で、葬儀費用を出したのは兄なんですが、葬祭費は誰が受け取りますか?
    6. Q6. 故人が国保と社保の両方に加入していた期間がある場合、両方から給付を受けられますか?

高額療養費と葬祭費は「別制度」だから併用できる

まず大前提から。高額療養費は、健康保険から医療費の自己負担分が一定額を超えた時に、超過分が戻ってくる制度です。故人が入院中に払っていた医療費に対する払い戻し。

一方の葬祭費は、国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入していた人が亡くなった時、葬儀を行った喪主に対して支給されるお金。名前が似てるので混同しがちですが、目的が全く違います。

制度の詳しい違いは以前まとめた葬祭扶助と葬祭費の違いでも解説していますが、ここで整理しておきます。

制度名対象受取人金額の目安
高額療養費医療費の自己負担超過分故人(相続人が受取)数万〜数十万円
葬祭費(国保・後期)葬儀を行った事実喪主3万〜7万円
埋葬料(社保)葬儀を行った事実生計維持していた家族5万円
遺族年金生計を支えていた人の死亡配偶者・子など月額数万〜十数万円

この4つは全て別制度で、条件を満たせば全部同時に受け取れます。「一つ貰ったら他はダメ」というルールは基本的にありません。

「二重取り」になるんじゃないかという誤解

相談者の方が心配していたのは、まさにこの点でした。「同じ人が亡くなったことで両方貰うのは、なんとなく気が引ける」と。

ですが、高額療養費は「生前の医療費が高すぎたから返す」お金で、本来なら故人が生きているうちに戻ってくるはずだった性質のもの。葬祭費は「葬儀費用の一部を補助する」お金で、喪主の負担軽減が目的。全く別の話です。

ご遠慮なさらず、権利として堂々と申請してください。実際に窓口でも「両方申請します」と言えば、担当者は普通に対応してくれます。

死亡直後に申請すべき給付金一覧【期限が早い順】

期限順に並べたのがこちらの早見表。冷蔵庫に貼っておくくらいの気持ちで確認してほしいです。

期限手続き名窓口金額
7日以内死亡届の提出市区町村役所
14日以内国民健康保険資格喪失届市区町村役所
14日以内年金受給停止手続き年金事務所
14日以内介護保険資格喪失届市区町村役所
2年以内葬祭費(国保・後期)市区町村役所3〜7万円
2年以内埋葬料(健康保険)協会けんぽ・健保組合5万円
2年以内高額療養費各健康保険窓口ケースにより変動
3年以内生命保険金の請求各保険会社契約による
5年以内遺族基礎年金・厚生年金年金事務所月額変動
5年以内未支給年金年金事務所1〜3ヶ月分
10ヶ月以内相続税申告(該当者のみ)税務署

ざっと見て「こんなにあるの」と思ったはず。実際、遺族が自分で全部把握するのはほぼ無理です。だから死亡届を出す時に、役所の戸籍係で「他に必要な手続きの案内はありますか」と聞くと、担当者が一覧の紙をくれる自治体が多い。まずそこから始めてください。

死亡届の提出そのものについては死亡届の書き方と提出方法にまとめてあります。

高額療養費の申請|故人の医療費を取り戻す方法

高額療養費の仕組みを、シンプルに説明します。1ヶ月(1日〜末日)の医療費自己負担が、年齢と所得に応じて決められた「上限額」を超えた場合、超過分が払い戻される制度です。

70歳未満の一般的な所得の方で、月の医療費自己負担の上限はおよそ8万円台。故人が最期の1ヶ月で50万円の医療費を払っていたなら、40万円以上戻ってくる計算になります。

申請に必要なもの

  • 高額療養費支給申請書(役所や健保組合で入手)
  • 医療費の領収書
  • 故人の保険証(死亡後に返却する前にコピーを取っておく)
  • 相続人であることを証明する戸籍謄本
  • 受取人の振込口座情報
  • 相続人全員の同意書(複数相続人がいる場合)

ここで一つ、現場でよくあるトラブル。故人の医療費領収書を捨ててしまうケースです。葬儀が終わって落ち着いた頃、遺品整理で「これもう要らないよね」と処分してしまう。でも高額療養費の申請には領収書が必要なので、絶対に取っておいてください。

領収書を紛失した場合でも、病院に依頼すれば再発行や証明書を出してもらえます。ただし手数料がかかることが多く、時間もかかるので、最初から保管しておくのが賢明です。

「限度額適用認定証」を使っていた場合

入院時に「限度額適用認定証」を病院に提出していた方は、既に窓口での支払いが上限額に抑えられているはず。この場合、追加で戻ってくる高額療養費は基本的にありません。

ただ、認定証を提出していなかったり、複数の医療機関を利用していたりする場合は、後から申請すれば戻ってくる可能性があります。「認定証使ってたから対象外」と自己判断せず、健保に確認するのが確実です。緩和ケアなど長期療養の費用については緩和ケア病棟の費用と高額療養費のシミュレーションも参考にしてください。

葬祭費の申請|国保・後期高齢者の場合

故人が国民健康保険または後期高齢者医療制度に加入していた場合、葬儀を行った喪主に対して葬祭費が支給されます。金額は自治体によって差があり、東京23区は7万円、大阪市は5万円、名古屋市は5万円というのが目安。

ご自身の自治体の金額を知りたい場合は、市区町村のホームページで「葬祭費」と検索すると出てきます。中には3万円という自治体もあり、地域差が結構あります。

申請に必要なもの

  • 葬祭費支給申請書(役所窓口で入手)
  • 故人の保険証
  • 喪主が葬儀を行ったことがわかる書類(会葬礼状、葬儀社の領収書、火葬許可証など)
  • 喪主の身分証明書
  • 喪主の振込口座情報
  • 印鑑

ポイントは「喪主が申請する」こと。故人が受け取るお金ではなく、葬儀を行った人へのお金なので、受取人は喪主です。会葬礼状や葬儀社発行の領収書に喪主の名前が明記されているので、それを持って役所へ。

直葬(火葬のみ)の場合、葬祭費が支給されるかは自治体によって扱いが分かれます。宗教儀式を伴わない火葬でも「葬儀を行った」と認める自治体が増えていますが、事前に確認するのが安心。詳しくは葬祭費・埋葬料の申請方法まとめにケース別の判断基準を書いています。

埋葬料の申請|社会保険の場合

故人が会社員や公務員だった場合、加入していたのは健康保険(社会保険)。この場合は葬祭費ではなく「埋葬料」という名前で5万円が支給されます。全国一律。

受取人は「故人によって生計を維持されていた人」。同居の家族が典型例ですが、別居していても仕送りを受けていた家族も対象になります。

生計維持関係がなかった場合の「埋葬費」

身寄りが遠い故人で、実際に葬儀を行ったのが友人や親戚だった場合、「埋葬費」という別枠があります。実際にかかった葬儀費用のうち5万円を上限に、埋葬を行った人に支給される仕組み。

申請窓口は、故人が加入していた協会けんぽまたは健康保険組合。会社の総務部に問い合わせれば、どこに申請すれば良いか教えてくれます。退職後間もない死亡の場合、退職後3ヶ月以内なら元の健保に申請できるケースもあるので、諦めず確認してください。

遺族年金と未支給年金|見落としがちだけど額が大きい

ここが一番金額が大きくなる可能性が高い制度。だけど「難しそう」と後回しにされがちで、実際に受け取り損ねる遺族が本当に多い。

遺族年金の基本

故人が国民年金に加入していた場合は「遺族基礎年金」、厚生年金なら「遺族厚生年金」が、遺族に支給されます。配偶者や18歳未満の子がいる場合が主な対象。

金額はケースによって大きく変わりますが、遺族厚生年金なら月10万円前後、遺族基礎年金の子ども加算も含めると月15万円以上になるご家庭もあります。何年ももらえるので、生涯受給額が1000万円を超えることも珍しくない。

未支給年金の見落としに注意

年金は後払い方式なので、亡くなった月の年金は「まだ受け取っていない」状態のことが多いです。この分を「未支給年金」として、遺族が請求できます。

金額は1〜3ヶ月分(年金額による)。数万円から数十万円になります。請求しないと消えていくお金なので、年金事務所での手続きは必ず行ってください。

年金受給停止手続き(14日以内)と、未支給年金の請求は同時に行えます。年金事務所には故人のマイナンバー、戸籍謄本、住民票除票、受取人の口座情報を持って行きましょう。

生命保険金の請求|3年で時効になる怖さ

生命保険金の請求権は、原則3年で時効。これを知らずに保険証券を放置して、後から気づいた時にはもう請求できない、というケースを何度も見てきました。

故人がどんな保険に入っていたか把握できていない場合、まずは通帳を見て保険料の引き落としがないかチェック。生命保険協会の「生命保険契約照会制度」を使えば、加入していた保険会社を一括で調べられます(1件3,000円)。

持病があった故人の場合、契約時の告知内容が気になる方もいるはず。持病があっても入れる保険で契約していたか、告知義務違反がなかったかも、支払いに影響します。

簡易保険(かんぽ生命)は特に注意

昭和生まれの故人だと、郵便局の簡易保険(かんぽ生命)に入っていることが多い。証券が古くて存在自体を忘れていたり、実家の押し入れの奥から出てきたり。もし証券が見つかったら、必ずかんぽ生命の窓口へ。

申請を効率化するコツ|「同時進行」で疲弊を防ぐ

手続きの数を見て、げんなりされたと思います。私も自分の父を亡くした時、正直「もう疲れた、後でやろう」と何度も思いました。

コツは、書類を一度にまとめて取ること。戸籍謄本や住民票除票は複数の手続きで使うので、最初から5部くらいまとめて発行してもらう。1通450円くらいなので、少し多めに取っておいて損はないです。

役所は「ワンストップ窓口」を使う

大きな自治体では「おくやみコーナー」「おくやみワンストップ窓口」を設置している所が増えました。予約制で、必要な手続きを担当者が誘導してくれる仕組み。名古屋市、横浜市、福岡市など、多くの政令指定都市で導入されています。

1回役所に行けば大半の手続きが終わるので、体力的にも精神的にも本当に助かる。役所のホームページで「おくやみコーナー」と検索してみてください。

親族が亡くなった直後の手続き全体像

給付金以外にも、銀行口座凍結の解除、公共料金の名義変更、相続手続きなど、やることは山積み。全体像を把握したい方は、親が亡くなった後の手続きチェックリストにまとめてあります。期限順に整理しているので、優先度を決めるのに役立つはず。

受け取り漏れを防ぐための最終チェックリスト

最後に、私が遺族の方に必ずお渡ししているチェックリストを共有します。冷蔵庫に貼るか、スマホで写真に撮って保存しておいてください。

  • □ 故人の医療費領収書を全て集めたか(高額療養費用)
  • □ 故人の保険証コピーを取ってから返却したか
  • □ 会葬礼状・葬儀社の領収書を保管しているか
  • □ 故人の年金受給停止手続きを14日以内に行ったか
  • □ 未支給年金の請求を年金事務所で確認したか
  • □ 生命保険証券を全て確認したか(3年で時効)
  • □ 通帳から保険料引き落としがないか調べたか
  • □ 故人の勤務先に埋葬料の申請方法を確認したか(社保の場合)
  • □ 遺族年金の受給資格があるか年金事務所で相談したか
  • □ 役所の「おくやみコーナー」を活用したか

このチェックリストの項目を全部埋められたら、まず取りこぼしはないと思ってもらって大丈夫です。

よくある質問

Q1. 高額療養費と葬祭費を両方申請したら、税金がかかりますか?

基本的に、葬祭費・埋葬料は非課税です。高額療養費も、故人の医療費の払い戻しなので所得税は課税されません。ただし、故人の準確定申告で医療費控除を受けた場合、後から戻ってきた高額療養費は控除対象額から差し引く必要があります。金額が大きい場合は税理士に相談してください。

Q2. 葬儀を家族葬でひっそり行いましたが、葬祭費はもらえますか?

もらえます。葬儀の規模や形式は関係ありません。家族葬でも一日葬でも、葬儀を行った事実があれば対象です。葬儀社発行の領収書があればそれで十分証明になります。

Q3. 直葬(火葬のみ)でも葬祭費はもらえますか?

自治体によって扱いが分かれます。近年は直葬でも支給する自治体が増えていますが、宗教儀式を伴わないと認めない自治体もあります。事前に役所に電話で確認するのが確実。「火葬のみでも葬祭費の対象になりますか」と一言聞くだけです。

Q4. 申請期限を過ぎてしまいました。もう請求できませんか?

葬祭費・埋葬料・高額療養費は、時効を過ぎると原則請求できなくなります。ただし、時効成立前ならギリギリでも受け付けてくれるので、少しでも早く窓口に相談してください。生命保険は3年ですが、保険会社によっては時効後でも支払うケースもあります。諦めずに保険会社に電話するのが良いです。

Q5. 喪主が私で、葬儀費用を出したのは兄なんですが、葬祭費は誰が受け取りますか?

原則は喪主が受け取ります。葬祭費は「葬儀を主宰した人」に対して支給されるお金なので、費用負担者ではなく喪主が受取人。ただし、家族内で「実際に費用を出したのは兄だから、兄に振り込んでほしい」と合意している場合、申請書の受取口座を兄名義に指定できる自治体もあります。役所の窓口で相談してみてください。

Q6. 故人が国保と社保の両方に加入していた期間がある場合、両方から給付を受けられますか?

死亡時に加入していた保険からのみ支給されます。両方から二重取りはできません。ただし、退職後3ヶ月以内の死亡なら、退職前の社保から埋葬料を受け取れるケースもあります(任意継続被保険者以外でも可能な特例)。加入していた健保に確認してください。

正直、大切な人を亡くした直後にこれだけの手続きをこなすのは、本当にしんどい。私も何度も遺族の方が涙ながらに書類を書く姿を見てきました。だからこそ、貰えるはずのお金は必ず受け取ってほしいと思ってます。故人が最期まで頑張って払っていた保険料や税金が、遺されたご家族に戻ってくる仕組みなんです。遠慮せず、権利として堂々と申請してください。

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