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十七回忌・二十三回忌のお布施と香典相場|省略できる年忌法要の判断基準と弔い上げの流れ

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白い菊と数珠が置かれた法要の座卓の落ち着いた情景 葬儀の基礎知識・用語集
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先日、七十代のお客様から「主人の十七回忌なんですが、もうやらなくていいでしょうか」というご相談を受けました。長男夫婦は関東、次男は海外、集まれるのは自分と娘家族だけ。菩提寺との関係も薄れ、正直どうしていいかわからないと。こういうご相談、この数年で本当に増えました。年間100件以上の葬儀を担当していると、初七日や四十九日で悩む方より、実は十七回忌・二十三回忌で立ち止まる方の方が多い。

十七回忌は故人が亡くなって満16年、二十三回忌は満22年。子ども世代も高齢になり、孫世代は独立している。集める側も集められる側も、気力体力が続かない年月です。かといって放り出すのは気が引ける。ここでは、お布施と香典の相場、省略していい年忌の判断基準、そして弔い上げに向けた具体的な流れを、現場でお伝えしている内容そのままにまとめます。

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十七回忌・二十三回忌はいつやる?数え方の基本

年忌法要は「亡くなった年を1年目と数える」のがルール。だから十七回忌は「満16年目」、二十三回忌は「満22年目」に営みます。ここを勘違いして「十七回忌だから17年後」と思い込み、1年ズレて案内状を出してしまうケースが年に数件ある。私も新人時代に一度やらかしました。

命日当日に合わせるのが理想ですが、平日にあたる場合は命日より前の土日に前倒しするのが一般的です。命日を過ぎてから営むのは「追善が遅れる」として避ける地域が多い。ただし浄土真宗では「命日に間に合わない場合でも問題ない」とする考え方もあります。菩提寺に一度確認しておくと安心です。

ちなみに年忌法要の全体像は仏事・法要の種類と年間スケジュールにまとめてあるので、他の年忌との位置関係を確認したい方は先に見てもらうと理解が早いと思います。

年忌法要の全体マップ

年忌時期(満)規模の目安省略検討ライン
一周忌1年親族・親しい友人省略不可
三回忌2年親族中心省略不可
七回忌6年親族のみ家族のみ可
十三回忌12年家族・近親者家族のみ・併修可
十七回忌16年家族のみ併修・省略検討
二十三回忌22年家族のみ併修・省略検討
二十七回忌26年家族のみ多くの家庭で省略
三十三回忌32年弔い上げここで区切り

三回忌や七回忌の相場感については、以前まとめた三回忌のお布施相場と香典金額十三回忌のお布施と香典相場を参照してください。十七回忌・二十三回忌はこれらより一段小規模になる、という前提で読み進めてもらえるとわかりやすい。

十七回忌・二十三回忌のお布施相場

お布施の金額は、地域差・宗派差・寺との関係の深さで大きく変動します。ここでお出しするのはあくまで全国平均の目安。私が担当してきた首都圏・中部・関西の実例を平均するとこの範囲に収まります。

年忌お布施お車代御膳料総額目安
十七回忌1〜3万円5千〜1万円5千〜1万円2〜5万円
二十三回忌1〜3万円5千〜1万円5千〜1万円2〜5万円
併修(合同)3〜5万円5千〜1万円5千〜1万円4〜7万円

七回忌までは3〜5万円が標準ラインでしたが、十七回忌以降は1〜3万円に下がるのが実態です。理由はシンプルで、年忌が下るほど法要の規模も時間も短くなり、僧侶のお勤めも短時間で終わるから。「回忌が下がるとお布施も下がる」と覚えておいてください。

宗派別の目安

浄土真宗は「追善供養」という考え方をしないため、他宗派に比べお布施はやや控えめ。真言宗・天台宗・日蓮宗は儀式が丁寧なぶん、若干上がる傾向にあります。曹洞宗・臨済宗はほぼ全国平均どおり。ただし檀家関係が深い寺では、平均より高めに包む家庭が多い。何十年もお世話になってきた寺への感謝の気持ちを、金額に込めるという文化ですね。

宗派ごとの詳しい相場は曹洞宗のお布施相場と表書き浄土宗のお布施相場と表書きに整理してあります。自分の家の宗派の記事を先に読んでおくと、金額判断で迷わなくなる。

お布施の表書きと渡し方

白い封筒か奉書紙に「御布施」と書き、下段に施主のフルネーム。中袋に金額と住所。お車代・御膳料は別封筒で用意します。渡すタイミングは法要開始前の挨拶時、または法要後にお礼を述べるとき。切手盆かふくさに載せて差し出すのが正式です。手渡しは避ける。

新札を包むかどうか迷う方が多いのですが、お布施は「感謝を込めてあらかじめ準備するもの」なので新札で問題ありません。むしろ古札を折り目付きで包むほうが失礼にあたる。香典とは逆のマナーなので混同しないよう注意してください。

香典相場は関係性で変わる

十七回忌・二十三回忌になると、香典を持ってくる人の顔ぶれもぐっと絞られます。多くの場合は子・孫・兄弟姉妹くらい。友人や仕事関係者はほぼ声がかからないのが実情です。

関係性十七回忌二十三回忌備考
子(施主以外)1〜3万円1〜3万円会食参加なら+5千円
兄弟姉妹1〜2万円1〜2万円夫婦で参列は+5千円
孫(成人)5千〜1万円5千〜1万円学生は不要
甥・姪5千〜1万円5千〜1万円親と連名も可
親戚5千〜1万円5千〜1万円会食参加なら+5千円

「会食参加なら+5千円」というのは大事なポイント。法要後にお斎(食事)の席を用意する場合、料理と引き出物のコストがかかるので、その分を香典に上乗せするのがマナーです。逆に会食なしの家族のみで簡素に営むなら、香典は基本額でOK。

表書きと薄墨の扱い

香典袋の表書きは「御仏前」か「御供物料」。四十九日を過ぎているので「御霊前」は使いません。浄土真宗の場合は「亡くなってすぐ仏になる」という教えから、四十九日前でも「御仏前」を使います。ここは宗派で明確に違うので覚えておくと便利。

薄墨は通夜・葬儀のみ。年忌法要では黒墨・濃墨で書きます。「悲しみで涙が墨に落ちて薄くなる」という薄墨の意味を考えれば、十七年も経った法要で薄墨を使うのはむしろ不自然。中袋の書き方に自信がない方は、以前まとめた香典袋の中袋の書き方を参考にしてください。

年忌法要を省略していい判断基準

「省略していいですか」という質問に、私はいつも4つの物差しでお答えしています。この4つのうち3つ以上に該当すれば、家族のみで簡素に、または省略という判断も十分あり得ます。

  • 施主(多くは長男・長女)が70歳を超えていて体力的に負担が大きい
  • 親族の多くが遠方在住で、集合に半日以上かかる
  • 菩提寺との関係が形式化しており、法話や交流が実質ない
  • 子・孫世代が「もういいよ」と共通認識を持っている

逆に、これらに当てはまらなければ小さくても営むのが望ましい。年忌法要はご先祖への追善であると同時に、生きている親族が顔を合わせる貴重な機会でもあります。「お寺を呼ばないと成立しない」わけではなく、家族だけで仏壇の前で手を合わせ、お斎を囲むだけでも十分な供養です。

併修(へいしゅう)という選択肢

省略と本格開催の中間にある選択肢が「併修」。故人が二人以上いる場合、年忌の近い法要をまとめて営むやり方です。たとえば父の十七回忌と母の七回忌を同じ日に。父の二十三回忌と祖母の三十三回忌を同時に。これなら親族の負担も一回で済み、お布施も1.5倍程度で収まります。

ただし併修には注意点があります。三回忌までは併修せず単独で営むのが原則。故人ごとの追善が薄まらないよう、初期の年忌はしっかり分けて営むのが伝統的な考え方です。詳しくは二十三回忌の法要準備ガイドで併修の実務も解説しているので参考にしてください。

省略する場合の菩提寺への伝え方

これが一番みなさん悩むところ。無断で省略すると、寺との関係にヒビが入ることもあります。私がお伝えしているのは「電話一本、事前に必ず入れる」ということ。「今回の十七回忌は家族の高齢と遠方在住のため、お寺様にお越しいただく法要は控えさせていただき、家族のみで仏壇前にてお経を上げさせていただきます」と伝えるだけで十分。

その際、お布施相当のご志納を「塔婆料」や「志納金」として包んでお寺に持参する方も多い。全額でなくても、寺との関係を保つ意味で1〜2万円お渡ししておくと角が立ちません。

弔い上げ(とむらいあげ)とは何か

弔い上げとは、年忌法要をこれで最後にする区切りのこと。多くの家庭で三十三回忌を弔い上げにしていますが、五十回忌まで営む家もあれば、十七回忌や二十三回忌で弔い上げとする家も増えてきました。

「三十三回忌まで営まないとダメ」というルールはありません。仏教では亡くなって50年、あるいは33年経つと、故人が個の存在から「ご先祖」という集合体に還ると考える。だから区切りをつけて、以降は個別の年忌ではなく祥月命日やお盆・彼岸で祀るという発想です。

弔い上げをどの回忌にするか

選択肢は主に4つ。それぞれ現場で見てきた実感を添えます。

  • 三十三回忌で弔い上げ:伝統的で最も多いパターン。ただし施主が90歳近くになる可能性あり
  • 二十三回忌で弔い上げ:施主・親族の体力を考えると現実的。近年増加中
  • 十七回忌で弔い上げ:孫世代しか残っていない場合の選択。都市部では珍しくない
  • 五十回忌まで営む:旧家・寺との深い関係がある家庭のみ

三十三回忌の詳細は法事はいつまで行う?三十三回忌のタイミングと親族の範囲にまとめてあります。弔い上げの正式な流れやお布施相場を確認したい方はそちらへ。

弔い上げでやること

弔い上げの法要は通常より少し丁寧に営みます。菩提寺に事前に「今回で弔い上げにさせていただきたい」と伝え、僧侶に導師をお願いする。塔婆を立てる家庭もあります。お布施は通常の年忌より1.5〜2倍が相場で、5〜10万円が目安。

そして重要なのが位牌の扱い。弔い上げを機に、個別の位牌をお焚き上げに出し、先祖代々の位牌に合祀するのが一般的です。ここは菩提寺に相談すれば手順を教えてくれます。位牌を処分することに抵抗がある方も多いのですが、これは「故人を捨てる」のではなく「ご先祖の一員として迎える」という意味の儀式です。

当日の流れと準備物チェックリスト

十七回忌・二十三回忌は家族のみで営むことが多いので、通夜葬儀のような大掛かりな準備は不要です。でも「何を用意しておけばいいか」がわからず慌てる方が多いので、当日までの流れをまとめておきます。

2ヶ月前までにやること

  • 日程を決定し、菩提寺に僧侶の予定を押さえる
  • 会場を決める(自宅・寺・法要会館)
  • 参列者を絞り、電話または簡易な案内状で伝える
  • 会食の有無と場所を決定

2週間前までにやること

  • お布施・お車代・御膳料を封筒に用意
  • 引き出物を手配(一人3千〜5千円が相場)
  • お供え物(果物・菓子・線香)を準備
  • 仏壇と位牌を清掃、花を新調

当日の流れ(所要1〜2時間)

集合→僧侶到着・挨拶→読経(20〜30分)→焼香→法話(5〜10分)→施主挨拶→会食(省略可)→解散。十七回忌・二十三回忌は読経も比較的短めで、全体で1時間強で終わることも多い。会食を省略すれば、集まってから解散までトータル1時間半程度で済ませられます。

服装の目安

親族のみの十七回忌・二十三回忌なら「略礼服」または「地味な平服」でOK。男性はダークスーツに黒ネクタイ、女性は黒・紺・グレーのワンピースかスーツ。子どもは制服または黒・紺の落ち着いた服。案内状で「平服でお越しください」と伝えると、参列者が悩まずに済みます。

案内状の文例と施主挨拶

親族のみで営む場合、正式な案内状より電話やLINEで十分。ただし年配の親族には書面で送ったほうが丁寧です。以下、そのまま使える文例。

案内状文例

拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて 亡父〇〇の十七回忌法要を左記のとおり相営みたく存じます
ご多用中誠に恐縮ではございますが ご参列賜りますようお願い申し上げます 敬具
日時 令和〇年〇月〇日 午前十時より
場所 〇〇寺(住所)
法要後 会食の席を用意しております
お手数ですが〇月〇日までにご返信ください
施主 〇〇〇〇

施主挨拶(法要前)

本日はお忙しい中お集まりいただきありがとうございます。父〇〇が旅立って早くも十六年が経ちました。皆様のおかげでこうして十七回忌を無事に迎えることができました。それではこれより住職様に読経をお願いいたします。

施主挨拶(会食前・献杯)

本日はご多忙のところ最後までお付き合いいただきありがとうございました。ささやかではございますが お食事を用意いたしました。父の思い出話などお聞かせいただければと思います。それでは父を偲び 献杯とさせていただきます。献杯。

献杯の作法や乾杯との違いに不安がある方は、献杯の挨拶例文を確認しておくと本番で迷いません。

現場で見てきた「よくある悩み」への回答

相談の多いパターンを3つご紹介します。実際にお受けした相談を、個人が特定できないよう改変してあります。

兄弟間で意見が割れる

長男「省略したい」、次男「ちゃんとやるべき」というパターン。この場合、私は「言い出した人が施主を引き受ける」という原則をお伝えしています。ちゃんとやるべきと言う人が施主を務め、お布施の負担も引き受ける。それができないなら、長男の判断に従うのが筋。感情論より役割分担で決めると揉めません。

菩提寺と縁が切れている

お墓が遠方にあり、菩提寺との連絡も長らく取っていないケース。この場合は、まず一度電話を入れて関係を再確認。それが難しければ「僧侶手配サービス」を利用し、宗派の合う僧侶を派遣してもらう方法もあります。ただし菩提寺があるのに他の僧侶を呼ぶと、後々納骨などで問題が生じる可能性があるので、この選択は慎重に。

おひとりさまで施主がいない

故人の子が一人で、その方も高齢という場合。無理に法要を営まず、命日にお墓参りするだけでも十分な供養です。永代供養墓に改葬しておけば、寺が代わりに法要を営んでくれるプランもあります。永代供養料の相場と内訳に費用感がまとめてあるので、検討している方はそちらを。

よくある質問

Q1. 十七回忌を家族だけで営む場合でも、お寺は呼ぶべきですか?

絶対に必要というわけではありません。家族のみで仏壇前に集まり、皆で手を合わせて故人を偲ぶだけでも立派な供養です。ただし菩提寺との関係を維持したい場合は、事前に電話で「今回は家族のみで営みます」と一報入れておくと角が立ちません。お布施相当額を寺に「志納」として持参する方も多いです。

Q2. 十七回忌と二十三回忌をまとめて営むのは失礼ですか?

失礼にはあたりません。年忌の近い故人が複数いる場合、まとめて営む「併修」は伝統的に認められた方法です。父の十七回忌と母の七回忌、祖父の二十三回忌と祖母の十三回忌など。ただし三回忌までは併修せず単独で営むのが原則。それ以降の年忌なら併修OKと覚えておいてください。お布施は通常の1.5倍程度が目安です。

Q3. 香典を辞退したい場合、案内状にどう書けばいいですか?

案内状の末尾に「なお、御仏前・御供物のお心遣いは辞退させていただきます」と一文添えれば十分です。強い言い回しにする必要はありません。それでも持参される方はいるので、その場合はありがたく受け取り、後日引き出物や礼状で気持ちを返すのが良い対応です。

Q4. 命日を過ぎてから法要を営むのはダメですか?

伝統的には「命日より前倒し」が原則です。命日を過ぎると「追善が遅れる」とされ、避ける地域が多い。ただし浄土真宗など、命日後でも問題ないとする考え方もあります。まずは菩提寺に確認するのが確実。どうしても命日前の日程が取れない場合は、住職に相談して了承を得た上で営むのが良いでしょう。

Q5. 弔い上げの後は、故人の供養をしなくていいのですか?

「もう供養しない」ではなく「個別の年忌供養は区切り、以降は先祖代々として祀る」という意味です。弔い上げ後もお盆・お彼岸・祥月命日にはお墓参りをし、仏壇に手を合わせます。位牌は先祖代々の位牌に合祀されるので、日々の礼拝の対象は変わりません。むしろ「ようやくご先祖として迎え入れられた」というポジティブな節目と捉える方が、日本の伝統的な考え方に近いです。

Q6. 施主が高齢で、法要の準備が難しい場合はどうすれば?

次世代(子や甥・姪)に施主を交代するか、法要会館や葬儀社の「法要プラン」を利用する方法があります。会場・僧侶手配・引き出物・会食までワンストップで任せられ、施主の負担は最小限。費用は8〜15万円ほど。「もう自分ではできない」と感じたら無理せず、専門業者に相談してください。それも立派な供養のかたちです。

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