愛知県内で葬儀会社を探し始めた方から、「ティアって実際どうなんですか?CMでよく見るけど、料金は本当にあの金額で収まりますか?」という質問を、この半年で30回以上受けました。夫を亡くされた60代の女性からは、他社の見積もりと20万円以上差があって混乱している、という相談もありました。
私は葬祭ディレクターとして20年、東海エリアの現場も担当してきました。ティアは大手互助会とは違う「明朗会計」を看板に急成長した会社で、うちの会社の見積もりと並べて比較検討される機会も多い。実際にご遺族から見せてもらった請求書や、ティアの会館で執り行われた葬儀に参列した経験も踏まえて、料金の実態と「ティアの会」の割引メリット、家族葬プランで最終的にいくらかかるのかを正直に書きます。
結論から言うと、ティアは料金体系が明瞭で追加請求のリスクが少ない一方、地域と時期によっては同業他社の方が安いケースもあります。会員制度の「ティアの会」に入っておくと10〜15%程度の割引が効くので、事前に検討する時間がある方には価値があります。順を追って説明します。
ティア(TEAR)とはどんな葬儀会社か
株式会社ティアは1997年に名古屋で創業した葬儀会社。東証プライム上場企業です。「ティアのお葬式」「TEAR」というブランドで、直営会館を中心に葬儀を執り行っています。2024年時点で全国に約110の会館を持ち、愛知・岐阜・三重の東海エリアを中心に、大阪・東京・埼玉・千葉にも展開中。
創業者の冨安徳久氏は自著やメディアで「葬儀業界の透明化」を繰り返し訴えてきた人物で、料金を分かりやすくする、追加料金を極力なくす、という方針は今も継承されています。互助会システム(毎月積立で葬儀費用に充当)ではなく、都度払いか会員制度を選ぶ形。ここが、さがみ典礼や平安祭典など互助会系の会社と大きく違うポイントです。
互助会解約でトラブルが起きやすい業界事情については、以前まとめたさがみ典礼の互助会解約トラブル記事も参考にしてください。ティアは互助会ではないので、こういう解約金トラブルはそもそも発生しません。ここは大きな安心材料。
ティアの特徴と業界内での位置づけ
業界の中でティアは「中堅の急成長企業」というポジション。売上規模では公益社(燦ホールディングス)やベルコには及ばないものの、直営会館の運営と料金の透明性で独自路線を歩んでいます。他社の葬祭ディレクターの間でも「ティアと相見積もりになると価格勝負がきつい」という声はよく聞く。
会館は「家族葬専用」の小規模なものから、100名以上の一般葬に対応できる大型ホールまで幅があります。名古屋市内では特に「ティア北名古屋」「ティア中川」など、家族葬に特化した会館が増えており、これが料金競争力の源になっています。
ティアの葬儀プラン一覧と基本料金
2024〜2025年時点でティアが公表している主要プランは以下の4つです。地域や会館によって多少の変動はありますが、東海エリアの標準的な料金体系を紹介します。
| プラン名 | 基本料金(税込) | 会員価格(税込) | 対応内容 |
|---|---|---|---|
| 火葬式プラン | 約19万8,000円 | 約16万8,000円 | 火葬のみ、通夜・告別式なし |
| 一日葬プラン | 約49万8,000円 | 約42万3,000円 | 告別式+火葬(通夜省略) |
| 家族葬プラン | 約79万8,000円 | 約67万8,000円 | 通夜・告別式・火葬(20〜30名想定) |
| 一般葬プラン | 約120万円〜 | 約102万円〜 | 通夜・告別式(50名以上) |
この基本料金には、祭壇・棺・骨壺・遺影写真・式場使用料・スタッフ人件費・搬送費(一定距離まで)・ドライアイス(一定日数まで)が含まれます。ここが他社と比べて分かりやすいところ。互助会系の見積書だと「祭壇一式に含まれます」と書いてあっても、実は棺や骨壺は別料金というケースがあるんですが、ティアはそこを込みで表示している。
ただし、注意点もあります。基本料金に含まれないものが必ずあるんです。次のセクションで詳しく解説します。
「ティアの会」の割引率と入会メリット
ティア最大の特徴が「ティアの会」という会員制度。入会金1万円(税込)を一度払うだけで、生涯有効。年会費はゼロ。ここが互助会の月額積立とはまったく違う仕組みです。
入会すると、葬儀プランが定価から10〜15%程度割引されます。家族葬プランなら12万円前後の差額。一般葬プランなら18万円前後の差額。この時点で入会金1万円の元は余裕で取れる計算です。
ティアの会の具体的な特典
- 葬儀プラン料金の会員価格適用(10〜15%割引)
- 返礼品・料理の会員価格
- 仏壇・仏具の割引購入
- 提携店舗(花屋・法事料理・墓石業者)の優待
- 会報誌の定期送付、終活セミナー無料参加
- 家族4親等以内まで特典適用可
4親等以内まで適用というのが地味に大きい。両親が入会していれば、子ども夫婦・孫・甥姪の葬儀にも会員価格が使えます。うちに相談に来られたケースで、義父が20年前に入会していて、義父自身の葬儀は他社で行ってしまったけれど、義母の時にティアの会員価格を適用できた、というパターンもありました。会員資格は死亡時まで有効なので、事前に入っておく価値は十分あります。
入会するタイミングと注意点
ここが要注意ポイント。「亡くなってから入会」は基本的にできません。危篤状態になってから慌てて入会申込みしても、葬儀への適用は認められないケースが多い。ティアの会は「事前に加入しておく」ことが前提の制度です。
とはいえ、危篤時に入会して間に合ったという事例もゼロではなく、担当者や会館の判断によります。確実にメリットを受けたいなら、元気なうちに入っておくのが鉄則。生前の葬儀準備チェックリストを参考に、事前準備の一環として検討してみてください。
家族葬プランの総額シミュレーション
「家族葬プラン79万8,000円」という基本料金だけを見て契約すると、最終請求で驚くことになります。基本料金に含まれない項目が必ず発生するからです。ここは他社も同じですが、ティアの場合を具体的に見ていきましょう。
ある事例(愛知県内、参列者25名、火葬場までのマイクロバス送迎あり)で、ティアの会員が家族葬プランを利用した時の総額を再現します。
| 項目 | 金額(税込) |
|---|---|
| 家族葬プラン基本料金(会員価格) | 67万8,000円 |
| 火葬料金(市民料金・名古屋市の場合) | 5,000円 |
| 返礼品(500円×25個) | 1万2,500円 |
| 会葬御礼品(300円×25個) | 7,500円 |
| 通夜料理(3,000円×15名) | 4万5,000円 |
| 精進落とし(4,500円×20名) | 9万円 |
| お布施(僧侶・戒名込み) | 25万円 |
| マイクロバス手配 | 3万3,000円 |
| ドライアイス追加(2日分) | 1万1,000円 |
| 総額 | 約112万2,000円 |
基本料金67万8,000円が、最終的に約112万円になる。差額の44万円は、料理・返礼品・お布施・火葬料が中心です。この中でお布施25万円は葬儀社を通さず遺族が直接お寺に渡すお金なので、厳密にはティアの請求ではありません。それを除くと、ティアへの支払いは約87万円。基本料金+20万円弱、という感覚です。
この金額感は、業界標準からすると「かなり良心的」な水準。家族葬の全国平均は約110万円と言われているので、お布施を含めた総額でも平均並みに収まる計算です。家族葬の費用相場の詳細は家族葬を100万円以下に抑える方法の記事も参照してください。
ティアの評判・口コミの実態
ティア利用者の口コミを、私が実際にご遺族から聞いた声と、公開されているレビューをあわせて整理します。
良い評判として多く挙がる点
まず「見積もりと請求金額がほぼズレない」という声が圧倒的に多い。互助会や地域の老舗葬儀社だと、見積もり時点では50万円だったのに、追加追加で最終120万円になった、という話を私も何度も聞いてきました。ティアは事前見積もりに基づいた明細をきっちり出すので、遺族が不信感を持ちにくい。
それから、若手スタッフの教育が行き届いている印象。20代・30代のスタッフでも、遺族対応で目立ったクレームが少ない。私も業界の研修会などでティアの新人研修について耳にしますが、接遇マニュアルが細かく、失敗を組織的に潰していく仕組みができています。
悪い評判として挙がる点
逆にネガティブな声としては、「マニュアル通りすぎて温かみを感じない」「担当者が若く経験不足に見えた」という指摘があります。これはティアの企業体質の裏返しでもあり、標準化を徹底しているぶん、地域の老舗葬儀社のような「うちの家のことをよく知っている」という属人的な安心感は薄い。
また、料金の透明性はある反面、「値引き交渉ができない」という声も。互助会系だと担当者に相談すれば10万円くらいサービスしてくれることがあるけど、ティアは会員価格が最終ラインで、そこからさらに値引きするのは基本的に難しい。値引き交渉を武器にしたい方には合わない会社です。
ティアと他社の料金比較
家族葬プランで、ティアと主要な競合他社の料金を比較してみます。愛知県内で相見積もりを取ったケースを想定した金額です。
| 会社名 | 家族葬プラン基本料金 | 会員/割引後 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ティア(TEAR) | 79万8,000円 | 67万8,000円 | 明朗会計、追加が少ない |
| 公益社 | 85万〜100万円 | 要相談 | 接客品質が高い、都市部強い |
| ベルコ | 75万〜90万円 | 互助会割引あり | 互助会積立が前提 |
| さがみ典礼 | 80万〜95万円 | 互助会割引あり | 関東主体、互助会型 |
| 小さなお葬式 | 49万3,000円 | 会員価格あり | 格安、直営会館は少ない |
| イオンのお葬式 | 56万8,000円〜 | 会員割引あり | 提携葬儀社が施行 |
基本料金だけを見ると「小さなお葬式」や「イオンのお葬式」の方が安く見えますが、これらは全国の提携葬儀社に施行を委託するモデル。実際に来る葬儀社は地域によって当たり外れがあります。ティアは直営会館・直営スタッフでの施行なので、品質のブレが少ないのが強み。
格安葬儀社の仕組みや落とし穴については、格安葬儀のからくりを暴露した記事にまとめています。「基本料金の安さ」だけで選ぶと失敗しやすい業界なので、必ず総額で比較してください。
ティアを選ぶべき人・避けた方がいい人
20年の現場経験から、ティアが向いている遺族と、そうでない遺族の特徴をまとめます。
ティアを選んで満足度が高い方
- 見積もりと請求のズレが不安な方
- 愛知・岐阜・三重の東海エリアに在住
- 家族葬・一日葬・火葬式を検討している
- 互助会の月額積立に抵抗がある
- 時間をかけて事前準備できる状態にある
- 標準化されたサービスを求める方
ティア以外を検討した方がいい方
- 関東・関西で近くにティア会館がない地域の方
- 地元の付き合いのある葬儀社を優先したい方
- 大人数(100名超)の社葬・団体葬を予定
- 相見積もりで徹底的に値引き交渉したい方
- 担当者との属人的な信頼関係を重視する方
地域性はやはり大きい。ティアは名古屋発祥で東海エリアが強く、東京・大阪はまだ会館数が少ない。近くにティアの会館がない場合、搬送料や式場までの移動が増えてかえって割高になる可能性もあります。私が関東の遺族から相談を受けた時は、正直に「ティアより地元の葬儀社の方がいいと思いますよ」とお伝えすることもあります。
ティアで葬儀を依頼する前にやっておくこと
いざティアで葬儀を、となった時に、後悔しないためにやっておきたい準備をまとめます。危篤や逝去の直後は動揺で判断力が落ちるので、この段階では最低限の確認だけに絞る。
事前に確認すべき5項目
- 最寄りの会館の場所・駐車場・アクセス
- 会員資格の有無(親戚が入会していないか含めて確認)
- 菩提寺の有無と、僧侶手配の要否
- 参列予定人数の概算(家族のみ・親戚含む・友人知人まで)
- 予算の上限額(総額でいくらまで出せるか)
特に予算の上限は事前に家族で話しておくべき。逝去後の見積もりの席で「上限は◯万円までです」と伝えられれば、担当者もその範囲でプランを提案してくれます。予算を伝えないまま「おまかせで」と言うと、標準的なプランを提案されて、後で「もっと安くできたのに」と後悔する。
喪主の役割全般については初めての喪主マニュアルにまとめてあるので、初めて喪主を務める方はこちらも合わせて読んでおくと安心です。
よくある質問
Q1. ティアの会の入会金1万円は返金されますか?
いいえ、入会金1万円は返金されません。ただし互助会と違って月額積立はなく、一度払えば生涯有効・4親等以内まで適用可能なので、実質的な負担感は低いです。仮に一度も利用せず亡くなった場合でも1万円が戻らないだけで、互助会解約時のような数十万円単位の解約金トラブルとは無縁です。
Q2. 深夜・早朝の逝去でもすぐ対応してもらえますか?
24時間365日対応です。専用のフリーダイヤルが公開されており、深夜3時でも電話がつながります。病院で亡くなった場合、遺体の搬送車両も1〜2時間以内に到着するのが一般的。搬送料は基本料金に含まれる距離(多くの会館で50km程度まで)を超えると追加料金が発生するので、遠方への搬送を希望する場合は事前確認が必要です。
Q3. 菩提寺がない場合、僧侶は手配してもらえますか?
手配可能です。ティアは全国の寺院と提携しており、宗派を指定すれば僧侶を紹介してくれます。お布施の目安は仏式で15万〜25万円程度、戒名込みで25万〜40万円程度が一般的。ティアを通じた紹介の場合、お布施の金額もある程度目安が示されるので、金額で悩む必要がないのは助かるポイントです。
Q4. 家族葬でも一般の参列者が来た場合はどうなりますか?
ティアの家族葬プランは20〜30名想定ですが、実際にはそれを超える参列があっても柔軟に対応してもらえます。ただし返礼品や料理の追加分は当日精算で加算されます。事前に「もしかしたら◯人くらい増えるかも」と担当者に伝えておくと、余分の返礼品を準備しておいてくれるので当日慌てずに済みます。
Q5. 会員でない状態で家族葬を依頼した場合、当日入会できますか?
会館や担当者の判断によりますが、逝去後の入会で会員価格を適用してもらえるケースもあります。ただし正式なルールとしては「事前入会」が原則。確実性を求めるなら、危篤の連絡を受けた時点で慌てて入会するより、元気なうちに親と一緒に入会しておく方が安心です。1万円で家族全員の葬儀費用が10%以上安くなる制度なので、費用対効果は非常に高いです。
Q6. ティアで直葬(火葬のみ)を選んだ場合、後で戒名だけ付けることは可能ですか?
可能です。ティアの火葬式プラン(約19万8,000円)は僧侶手配を含まないので、後日改めて菩提寺やティア提携の寺院に戒名授与を依頼する形になります。ただし、菩提寺がある方が直葬を選ぶと納骨拒否のトラブルになるケースがあります。直葬で戒名を後付けする場合のリスクについては、事前にお寺と相談することを強くおすすめします。




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