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三回忌法要の準備完全ガイド|服装・お布施・香典相場と案内状の出し方

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白い菊と数珠が置かれた法要会場のテーブルの静かな情景 葬儀の基礎知識・用語集
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「お母さんの三回忌、もう来年なんだね」。先月、打ち合わせに来られた40代のご長男が、姉妹と顔を見合わせながらつぶやいた一言です。一周忌のときはまだ気持ちの整理がつかず、流されるように準備を進めてしまった。今度は落ち着いてやりたいけれど、何から手をつけていいかわからない。そう話してくれました。

三回忌は、亡くなってから満2年目の祥月命日に行う仏教の年忌法要です。一周忌から1年しか経っていないのに「三回忌」と呼ぶのは、亡くなった日を1回目と数えるため。この時期になると、遺族の悲しみは少しずつ落ち着き、同時に「これからどう故人を偲んでいくか」を考える節目になります。

私はこの20年で年間100件以上の葬儀と、その後の法要の手配に関わってきました。三回忌でつまずく方の多くは、準備の段取りそのものより「誰を呼ぶか」「お布施はいくら包むか」「平服でいいと書いていいのか」という判断で迷っています。今回は、案内状の出し方から当日の流れ、お布施・香典の相場、服装まで、現場で実際に聞かれる順番に沿ってまとめます。

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三回忌はいつ行う?日程の決め方と数え方

三回忌は、故人が亡くなってから満2年目の祥月命日に営みます。たとえば2024年3月10日に亡くなった方なら、三回忌は2026年3月10日です。一周忌が「満1年」、三回忌が「満2年」と覚えておくと混乱しません。

ただし、平日に祥月命日が当たる場合、遠方の親族や仕事をしている方を集めるのは現実的に難しい。そのため、命日より前の土日に繰り上げて行うのが一般的です。命日を過ぎてから行うのは避けるという慣習があるため、必ず手前の日程で調整してください。

菩提寺と日程を相談する順番

日程を決めるときは、まず菩提寺の僧侶に連絡します。3か月前には電話を入れてください。お盆や彼岸の時期は僧侶も予定が詰まっているため、希望日が取れないことがあります。私の経験では、半年前に動いた施主さんは第一希望が通り、1か月前に駆け込んできた施主さんは平日しか取れなかった、というケースがよくあります。

会食を行うなら、料亭や法要会館の予約もこのタイミング。法要と会食を別の場所で行う場合は、移動時間も含めてスケジュールを組みます。当日の流れを「読経40分→法話15分→お墓参り30分→会食2時間」と区切って、僧侶の時間を逆算で確保するイメージです。

友引や仏滅は気になる方もいますが、法要は六曜と関係ありません。葬儀のときと違って自由に日取りを選べるので、参列者が集まりやすい日を優先してください。六曜と葬儀の日取りの関係については別記事でまとめています。

誰を招くか?参列者の範囲と人数の目安

三回忌は、一周忌までと比べて参列者を絞る家庭が増えます。一周忌は親族と親しい友人まで広く呼ぶことが多いですが、三回忌から先は基本的に親族のみ、というのが現在の主流です。

具体的には、故人の配偶者、子ども、孫、兄弟姉妹、甥姪あたりまで。故人が現役で活躍されていた方なら、特に親しかった友人を数名お招きするケースもあります。私が最近担当した三回忌では、参列者は8〜15名程度が中央値でした。

呼ぶ範囲を決めるとき、施主が一人で抱え込まないことが大切です。兄弟姉妹がいるなら、「誰を呼ぶか」のリストアップは一緒に行ってください。「あの人を呼ばなかったのは失礼じゃないか」という後日のトラブルを防ぐ意味でも、家族で合意を作っておく。これは葬儀の喪主決めと同じ考え方で、喪主の決め方と役割の記事でも触れています。

家族のみで行う「家族法要」も増えている

最近は、配偶者と子どもだけで静かに営む「家族法要」も増えています。家族葬の流れと同じで、無理に大勢を呼ばず、心のこもった供養をしたいという考え方です。この場合、招かなかった親族には事前に「家族のみで行います」と一言伝えておくと、後の関係が円滑です。

案内状の出し方と書き方の例文

案内状は法要の1か月半〜2か月前に出すのが目安です。返信用ハガキを同封し、出欠の締め切りを法要の3週間前に設定します。これは、会食の人数を料亭や会館に伝えるタイムリミットから逆算した数字です。

親しい身内だけなら、電話やLINEで連絡しても失礼ではありません。ただし、目上の親族や遠方の方には、書面の案内状を出すのが丁寧です。案内状には、日時、場所、会食の有無、平服の可否、施主の連絡先を必ず記載します。

案内状の例文

謹啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます
このたび 亡父 〇〇 三回忌法要を 下記の通り相営みたく存じます
つきましては ご多忙中誠に恐縮ではございますが ご参列賜りますようお願い申し上げます 謹白

日時 令和七年〇月〇日(日曜日)午前十一時より
場所 〇〇寺(住所・電話番号)
法要後 〇〇にて粗宴をご用意しております
当日は平服にてお越しくださいませ

誠に恐れ入りますが 〇月〇日までに同封のハガキにてご都合をお知らせください

令和〇年〇月
施主 〇〇 〇〇(住所・電話番号)

句読点を使わないのが法要の案内状の作法です。これは、法要が「滞りなく終わるように」という願いを込めた、古くからの慣習。最近は気にしない家庭も増えていますが、年配の親族がいるなら従っておくほうが無難です。

「平服でお越しください」と書く場合は、後述する平服の意味を施主自身が理解しておくこと。参列者から問い合わせがあったときに、迷わず答えられるようにしておきます。

三回忌の服装マナー|施主・参列者・子どもの正解

三回忌の服装は、施主側と参列者側で少し意味合いが変わります。施主とその家族は、原則として準喪服(ブラックフォーマル)を着るのが基本。案内状に「平服で」と書いた場合でも、施主側は喪服にする家庭が多いです。これは「招く側」としての敬意の表現です。

参列者は、案内状の指示に従います。「平服で」と書かれていれば略喪服、何も書かれていなければ準喪服を着るのが安全です。

「平服」の本当の意味

平服は「普段着」ではありません。略喪服、つまり地味な色のスーツやワンピースのことです。男性ならダークグレーか濃紺のスーツに白シャツ、地味な色のネクタイ。女性なら黒・濃紺・グレーのワンピースかアンサンブル。

この「平服」の解釈で迷う方は本当に多いです。私が以前、ジーンズで参列した方を見たときは、施主の方が困惑されていました。七回忌の平服マナーと基本的な考え方は同じなので、判断に迷ったら参考にしてください。

立場男性女性子ども
施主・遺族準喪服(黒スーツ・黒ネクタイ)準喪服(黒のワンピース・アンサンブル)制服または黒・紺・グレーの服
参列者(平服指定あり)濃紺・ダークグレーのスーツ地味な色のワンピース制服または地味な色の服
参列者(平服指定なし)準喪服準喪服制服または黒・紺の服

アクセサリーは結婚指輪と一連のパールのみが基本。バッグや靴は黒の布製または革製で、光沢のあるエナメルは避けます。葬儀の靴マナーと同じ考え方です。

子どもについては、学校の制服があれば一番楽です。制服は子どもにとっての礼服扱いになります。制服がない未就学児なら、白いシャツに黒や紺のズボン・スカートで充分。派手な色や柄物、キャラクターが大きく入った服は避けてください。

お布施の相場と封筒・渡し方

三回忌のお布施は、全国平均で3万円〜5万円が中央値です。地域差や宗派による差はありますが、ほとんどのご家庭がこの範囲に収まります。一周忌より少し下げる、または同額にするのが一般的です。

お布施のほかに、僧侶に渡すお金がいくつかあります。お寺以外の会場に来てもらうなら「御車代」として5,000円〜1万円。会食を辞退される場合は「御膳料」として5,000円〜1万円を別封筒で用意します。

項目相場備考
お布施3万円〜5万円宗派・地域差あり
御車代5,000円〜1万円自宅・会館に来てもらう場合
御膳料5,000円〜1万円会食を辞退された場合
卒塔婆料3,000円〜5,000円/本必要な場合のみ

浄土真宗の場合、お布施の表書きは「御布施」のほか、お寺によっては「御仏前」「御懇志」と書く場合があります。卒塔婆は浄土真宗では立てません。三回忌のお布施の渡し方と封筒の書き方では、写真付きでより詳しい解説をしています。

封筒とお札の用意

お布施は白い無地の封筒、または市販の「御布施」と印刷された封筒に入れます。香典と違って不祝儀袋(水引付き)は使いません。表書きは「御布施」、その下に施主の名字または「〇〇家」と書きます。

お札は新札でも旧札でも構いません。香典は「不幸を予期して用意していた」と思われないよう旧札を使いますが、お布施は僧侶へのお礼なので新札のほうがむしろ丁寧です。お札の向きは、肖像画が表向き、上に来るように揃えて入れます。

渡すタイミングは、僧侶が会場に到着して挨拶をするときか、法要が終わった直後。直接手渡しせず、黒い切手盆か袱紗(ふくさ)に載せて差し出します。「本日はどうぞよろしくお願いいたします」「本日はありがとうございました」の一言を添えてください。

香典の金額相場と表書きのマナー

参列者として三回忌に呼ばれた場合、香典の相場は故人との関係性で決まります。会食があるかどうかでも金額が変わるので、案内状を確認してから準備してください。

故人との関係会食なし会食あり
親(自分の父母)1万円〜3万円3万円〜5万円
兄弟姉妹1万円〜3万円2万円〜5万円
祖父母5,000円〜1万円1万円〜3万円
叔父・叔母5,000円〜1万円1万円〜2万円
いとこ・親戚5,000円1万円
友人・知人3,000円〜5,000円1万円

夫婦で参列する場合は、夫婦合算で1.5倍〜2倍の金額にします。会食を一緒に頂くなら、その分も上乗せして考えてください。

表書きと不祝儀袋の選び方

三回忌の香典は「御仏前」と書きます。葬儀のときの「御霊前」とは違います。四十九日を境に、故人は霊から仏になると考えられているため、それ以降の法要はすべて「御仏前」です。浄土真宗だけは亡くなった瞬間から仏になると考えるため、葬儀のときから「御仏前」を使います。

不祝儀袋は、黒白または双銀の結び切りの水引のものを選びます。地域によっては黄白の水引を使うところもあります。不祝儀袋の種類と選び方に、宗教別の使い分けをまとめています。

お札は旧札を使います。新札しかない場合は、一度真ん中で折って軽い折り目をつけてから入れてください。お札の向きは、肖像画が下、裏向きになるように揃えます。これは「悲しみで顔を伏せている」という意味です。

当日の流れとお供え物・引き出物の準備

当日のタイムスケジュールは、法要の規模によって多少変わりますが、基本の流れは決まっています。施主は1時間前には会場に到着して、僧侶の控室、参列者の案内、お供え物の配置を確認してください。

  • 11:00 施主・参列者着席
  • 11:05 僧侶入場・読経開始
  • 11:25 焼香
  • 11:40 法話
  • 11:55 僧侶退場・墓参り(お寺の場合)
  • 12:30 会食会場へ移動
  • 13:00 施主挨拶・献杯
  • 14:30 会食終了・引き出物配布・解散

お供え物は、果物、お菓子、お花が定番です。日持ちのするものを選んでください。一周忌や三回忌では、参列者がお供え物を持参することも多いので、施主は祭壇の上を片側に余白を残しておくと配置しやすいです。

引き出物の選び方と相場

参列者に渡す引き出物は、いただいた香典の3分の1〜半額が目安です。一般的には3,000円〜5,000円の品物を用意します。お菓子、お茶、海苔、タオル、洗剤などの「消えもの」が定番。最近はカタログギフトを選ぶ施主も増えています。

のし紙は黒白か双銀の結び切り、表書きは「志」または「粗供養」とします。施主の名字を下に入れてください。地域によっては「茶の子」と書く慣習もあります。

引き出物の選び方は、七回忌のお供え物ランキングと基本的な考え方は同じです。年配の方が多い席なら、軽くて持ち帰りやすいものを優先してください。私が見てきた中で「重い瓶ビールのセット」をいただいた高齢の方が、帰り道に困っている光景は何度もありました。

施主の挨拶と献杯の言葉

施主の挨拶は、法要の始まりと会食の始まりの2回あります。長く話す必要はなく、1〜2分でまとめます。原稿を見ながらでも問題ありません。

法要開始時の挨拶例

本日はお忙しい中、亡き父〇〇の三回忌法要にお集まりいただき、誠にありがとうございます。父が亡くなりまして、早いもので満2年が経ちました。皆さまにこうしてお集まりいただけることが、父への何よりの供養になると思っております。それでは、これより〇〇寺ご住職に読経をお願いいたします。

会食前の献杯の挨拶例

本日はご多用の中、三回忌法要にご参列いただきありがとうございました。おかげさまで滞りなく法要を終えることができました。ささやかではございますが、お食事をご用意いたしました。父との思い出話などをお聞かせいただければ幸いです。それでは献杯のご唱和をお願いいたします。献杯。

献杯では、乾杯のようにグラスを高く掲げたり、グラス同士をぶつけたりしません。胸の高さで静かに掲げ、軽く頭を下げてから一口飲む、というのが作法です。これは法要の場で意外と知られていないマナーです。喪主挨拶の例文集に通夜・告別式の挨拶もまとめているので、合わせて参考にしてください。

よくある質問

Q1. 三回忌は省略しても問題ありませんか?

家族のみで小さく営む、僧侶を呼ばずに墓参りだけで済ませる、というご家庭も実際にあります。仏教の作法としては年忌法要を行うのが望ましいとされていますが、絶対に行わなければならないものではありません。ただし、菩提寺がある場合は住職に一言相談しておくと、後の関係に角が立ちません。「家族だけで静かに供養したい」と伝えれば、ほとんどの住職は理解してくださいます。

Q2. 一周忌と三回忌をまとめて行うことはできますか?

同じ年に親族が複数亡くなった場合など、年忌法要をまとめて営む「併修(へいしゅう)」という方法があります。ただし、一周忌と三回忌は故人ごとに年が違うため、同じ故人の一周忌と三回忌をまとめることはできません。三回忌と七回忌など、3年以上空く法要なら併修が可能です。詳しくは菩提寺に相談してください。

Q3. 案内状を出したのに、お返事をいただけない方がいます。どうすればよいですか?

返信期限を過ぎても連絡がない場合、締め切りの3日後あたりに一度電話で確認するのが現実的です。「案内状が届いていますでしょうか。お返事をいただけると助かります」と柔らかく聞いてください。高齢の方や忙しい方はうっかり返信を忘れることがあります。会食の人数を会場に伝える締め切りもあるので、こちらから動いてしまって構いません。

Q4. 浄土真宗の三回忌で、特に気をつけることはありますか?

浄土真宗では「故人は亡くなった瞬間に成仏する」と考えるため、追善供養という考え方を取りません。三回忌は故人を偲びつつ、阿弥陀如来の教えに感謝する「報恩講」の意味合いが強くなります。香典の表書きは「御仏前」、卒塔婆は立てません。線香は寝かせて供える、焼香は1回(本願寺派)または2回(大谷派)と、宗派ごとの作法も覚えておくと安心です。

Q5. 会食を行わない場合、参列者へのお礼はどうすればよいですか?

最近は法要後の会食を省略するご家庭も増えています。その場合、引き出物に加えて「折り詰めとお酒」をお渡しするのが定番です。お弁当を持ち帰って自宅で召し上がっていただく、という形ですね。費用としては一人3,000〜5,000円程度の折り詰めを用意することが多いです。引き出物と合わせて5,000〜8,000円相当の品を、各家庭ごとにお渡しします。

Q6. 遠方で参列できない親族が「御仏前を送りたい」と言ってきました。どう対応すればよいですか?

現金書留で送ってもらうのが一般的です。受け取ったら、後日お礼の品とお礼状をお送りします。お礼の品は、いただいた金額の3分の1〜半額程度の引き出物を用意してください。お礼状には「ご丁寧なお心遣いをいただき恐縮しております。後日、ささやかな品をお送りいたしますのでお納めください」と一言添えると、相手の気持ちが立ちます。

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