先月、名古屋市中村区で担当した家族葬でのこと。喪主である60代の長男が打ち合わせ席でぽつりとこぼした。「うちは浄土真宗なんですけど、西だったか東だったか、親父も生前はっきり言わなかったんですよね」。ご自宅の仏壇を写真で確認させてもらい、ご本尊の光背の形と両脇の掛軸を見て、その場で「これはお東(大谷派)ですね」とお伝えした。喪主は少しほっとした顔をされた。20年この現場に立ってきて、こういう相談を年間30件以上受ける。
浄土真宗は日本の仏教徒の約22%が信仰する最大宗派で、その中でも本願寺派(お西)と大谷派(お東)の二派だけで信者数は1,600万人を超える。ただ、この二派の違いを正確に説明できる檀家さんは、私の体感で10人に2人いるかどうか。名前は似ているのに、お布施の相場も合掌の作法も仏壇の形も、細かく見れば全部違う。
この記事では、喪主として法要を仕切る立場になった方、参列側で作法に迷う方の両方に向けて、西と東の見分け方から法要マナーまで、実際の葬儀現場で20年見てきた具体例で整理する。
この記事の要点
- 本願寺派(お西)は京都・西本願寺が本山、大谷派(お東)は京都・東本願寺が本山。1602年の東西分立が起源
- お布施の相場は葬儀で本願寺派15〜30万円、大谷派15〜30万円とほぼ同じだが、法名料の考え方が異なる
- 合掌は本願寺派が数珠を親指と人差し指の間に軽くかける、大谷派は房を下にして両手にかけ二重にする
- 焼香は本願寺派が1回・押しいただかない、大谷派は2回・押しいただかない
- 仏壇のご本尊の光背が「放射線状(八行の後光)」なら本願寺派、「六角形の後光」なら大谷派で見分けられる
なぜ「お西」と「お東」に分かれたのか
結論から言うと、教義そのものはほぼ同じで、分裂の原因は歴史的・政治的な事情だった。両派とも親鸞聖人(1173-1263)を宗祖とし、阿弥陀如来の本願を信じて念仏を称える教えを受け継いでいる。
分立したのは1602年、徳川家康の時代。当時、本願寺の第11代顕如上人の跡目をめぐって、長男・教如と三男・准如が対立した。家康は本願寺の勢力が一つにまとまることを警戒し、教如に烏丸七条の土地を寄進して東本願寺を建立させた。ここから准如が継いだ西本願寺と、教如が開いた東本願寺の二派体制が始まった。もう400年以上前の話だ。
「うちのご先祖はどっちなの?」と聞かれることが多い。地域的な傾向として、北陸・山陰・広島・山口・沖縄はお西の門徒が多く、東海・北関東・北海道はお東の割合が高い。ただこれはあくまで傾向で、同じ集落の隣同士でも派が違うことは日常茶飯事だ。
正式名称の違い
本願寺派の正式名称は「浄土真宗本願寺派」、本山は龍谷山本願寺(通称・西本願寺)。大谷派の正式名称は「真宗大谷派」で、本山は真宗本廟(通称・東本願寺)。ここで気づいてほしいのは、大谷派だけ「浄土真宗」ではなく「真宗」を名乗っている点。これは戦後の宗教法人法制定時に決まった正式呼称で、日常会話では両方とも浄土真宗と呼ばれる。
喪主として案内状や訃報を出す際、菩提寺の宗派名を書く場面がある。ここで西の方が「真宗大谷派」と書いてしまうと、後で親戚から指摘されて刷り直しになることがある。焦って印刷屋に「じゃあ浄土真宗でいいや」と伝えて、逆に東の方が「浄土真宗本願寺派」で刷ってしまう失敗も、私は3回見てきた。案内状の入稿前に、必ずお寺の正式名称を電話で確認したい。
仏壇とご本尊の見分け方
宗派がわからない時、私が最初に確認するのが仏壇のご本尊だ。本願寺派も大谷派もご本尊は阿弥陀如来で同じ立像だが、光背(後光の形)と両脇の掛軸で確実に見分けられる。
ご本尊の光背で判別する
本願寺派のご本尊は、頭光と身光を合わせた光背から「八条の後光」が放射状に八本伸びている。西本願寺の門徒が家庭で祀る仏像は、この放射線状の光が特徴。掛軸のご本尊も同じで、パッと見て光がバァッと広がっているように見えたらお西。
大谷派のご本尊は、光背が六角形の後光で表現される。放射線ではなく、六角形の枠の中に光が収まっているイメージ。東本願寺系のご本尊は、この六角形の後光がはっきりわかる。写真で撮って手元でぐっと拡大すると、光の描き方の違いは一目瞭然だ。
先週、北九州市小倉北区で家族葬を担当した際、喪主の娘さんがスマホで実家の仏壇の写真を見せてくれた。ご本尊の光は放射線状にはっきり伸びていたので、その場で本願寺派と判断。菩提寺の名前を聞くと「西本山寺」で、確かにお西の末寺だった。
両脇の掛軸の違い
ご本尊の両脇に掛ける脇掛(わきがけ)の絵柄で判別する方法もある。本願寺派は向かって右に「親鸞聖人」の絵像、左に「蓮如上人」の絵像を掛ける。大谷派は右に「十字名号(帰命尽十方無碍光如来)」、左に「九字名号(南無不可思議光如来)」の文字を掛けるのが正式だ。
絵か文字か。この違いを覚えておくと、仏壇を開けた瞬間に判別できる。ただ、地方の古い仏壇では両派とも絵像を掛けている家もあり、絶対ではない。
仏壇本体の造りと金具
金仏壇を新調する時の細部にも違いが出る。本願寺派の仏壇は柱が金箔押しで、宮殿(くうでん)の屋根が「一重破風(ひとえはふ)」造り。大谷派の仏壇は柱が黒塗りで、宮殿の屋根が「二重瓦屋根」造り。仏壇店に行くと「西用」「東用」と分けて展示されているのはこのため。
新調にかかる費用は、標準サイズの金仏壇で40万〜120万円。両派の造りの違いで大きな価格差はない。ただ、既存の仏壇を「派違いだからと買い替える」必要は基本的にない。過去帳と本尊さえ正しく祀れば、仏壇の造りは多少違っても実務上問題にならないというのが、私が住職から何度も聞いてきた見解だ。
お布施の相場と考え方の違い
喪主から一番よく聞かれるのが、お布施の金額。結論から言うと、本願寺派と大谷派で相場そのものに大きな差はないが、内訳と考え方に違いがある。
葬儀のお布施相場
| 項目 | 本願寺派(お西) | 大谷派(お東) |
|---|---|---|
| 枕経・通夜・葬儀式一連 | 15〜30万円 | 15〜30万円 |
| 法名(戒名)料 | お布施に含む考え方が主流 | お布施に含む考え方が主流 |
| お車代 | 5,000〜1万円 | 5,000〜1万円 |
| 御膳料(お斎欠席時) | 5,000〜1万円 | 5,000〜1万円 |
| 四十九日法要 | 3〜5万円 | 3〜5万円 |
| 一周忌 | 3〜5万円 | 3〜5万円 |
| 三回忌 | 1〜5万円 | 1〜5万円 |
両派とも、葬儀式一式のお布施は関東圏で25〜30万円、地方部で15〜20万円が中心的な相場。私が20年間担当した約2,000件の浄土真宗の葬儀では、平均額は本願寺派が21.4万円、大谷派が20.8万円で、ほぼ同じだった。
法名料の考え方が両派で違う
浄土真宗では戒名ではなく「法名(ほうみょう)」と呼び、これが他宗派との大きな違い。両派とも法名は「釋◯◯(しゃく)」の3文字が基本で、女性は「釋尼(しゃくに)◯◯」となる場合がある(大谷派は現在、男女とも「釋◯◯」で統一する傾向)。
他宗派で言う「位号のランク」に相当する概念として、本願寺派には「院号(いんごう)」がある。院号を授かる場合は、本山への懇志として別途10万円〜が必要になるケースが多い。大谷派も同様に院号は別途扱いで、こちらは20万円〜が目安。この院号料の考え方が、両派で微妙に違うと感じている。
とはいえ、法名は本来、生前に帰敬式(ききょうしき)を受けて授かるもの。亡くなってから慌ててランクを気にする教えではない、というのが両派共通の本義。この点は浄土真宗の法事全体の流れをまとめた記事でも触れているが、ご住職に率直に相談するのが一番確実だ。
封筒の表書きの違い
両派ともお布施の表書きは「御布施」と書くのが基本。「御経料」「読経料」は使わない。これは「読経の対価ではなく、阿弥陀如来へのお供え」という浄土真宗の考えに基づく。
細かい違いとして、大谷派では表書きに「御布施」の代わりに「懇志(こんし)」と書くお寺もある。私が担当した名古屋の大谷派末寺では、住職が「懇志でお願いしております」と喪主に案内する場面を何度も見た。事前にお寺に確認するのが確実だ。
薄墨は使わない。両派とも葬儀・法要のお布施は濃墨で書く。「悲しみで墨が薄くなる」というのは香典の作法で、僧侶への感謝を表すお布施は濃くはっきり書くのが正しい。
合掌と数珠の持ち方の違い
合掌の作法は、参列した時に一番目立つ違いだ。本願寺派と大谷派では、数珠のかけ方がはっきり分かれる。
本願寺派(お西)の合掌
本願寺派では、数珠を親指と人差し指の間に軽くかけ、房を下に垂らして両手を合わせる。合掌の角度は45度ほど前傾。指はまっすぐ揃え、両手のひらをぴったり合わせる。念珠(お西では「念珠」と呼ぶ)は「単輪(ひとえ)」の一連が正式。
「南無阿弥陀仏」を称える時は、口の中で小さくでも構わない。私が京都西本願寺で研修を受けた際、案内の職員から「大きな声で唱えなくても、心の中で称名するだけでも同じ」と教わった。
大谷派(お東)の合掌
大谷派では、数珠(お東では「お数珠」と呼ぶ場合が多い)を両手にかけ、房を左手側に垂らす。合掌の角度も45度前傾で本願寺派とほぼ同じ。ただ、大谷派は数珠を二重にして両手にかける「二輪念珠」を使うのが正式で、これが見た目上の一番わかりやすい違いになる。
本山東本願寺の御影堂(ごえいどう)で法要に立ち会った時、参拝者の数珠が全員くっきり二重になっていて、統一感があった。西本願寺の御影堂での法要と比べると、この違いは肌で感じるほど明確だった。
数珠を持っていない時の対応
急な訃報で数珠を持たずに参列するケースも多い。両派とも「数珠がない場合は素手で合掌して構わない」というのが正式な見解。数珠は必須ではなく、あくまで参拝を助ける法具だ。焦って100円ショップで買うより、素手で心を込めて合掌するほうがよほど本義に沿っている。
ちなみに、他宗派用の数珠(たとえば真言宗の振分念珠)を浄土真宗の法要で使うのはマナー違反ではない。「あるものを使う」で構わない、というのが現場で聞くお寺さんの本音だ。
焼香の作法と回数
焼香の違いは、参列者が事前に知っておきたい最重要ポイント。他宗派と混同すると目立つので、覚えておいて損はない。
本願寺派(お西)の焼香
本願寺派の焼香は「1回のみ」。抹香を親指・人差し指・中指の3本でつまみ、そのまま香炉にくべる。ここでのポイントは「押しいただかない」こと。他宗派だと抹香を額の高さまで持ち上げる動作(押しいただき)をするが、浄土真宗では両派とも一切行わない。
理由は明確で、浄土真宗の教えでは「阿弥陀如来のはたらきによって既に救われている(平生業成)」ため、香を焚いて何かを願う必要がない。焼香は「敬いの姿勢を表す所作」に徹し、押しいただく動作が入らない。
大谷派(お東)の焼香
大谷派の焼香は「2回」。1回目、2回目ともに押しいただかない。抹香をつまんで香炉にくべる、これを2回繰り返す。ここが本願寺派との最大の実務的な違い。
2020年11月、名古屋市天白区で担当した大谷派の葬儀で、参列した本願寺派の親戚が1回で終わってしまい、後から「間違えた」と気にされていたことがあった。私は「亡くなった方も阿弥陀様も、そこは咎めません」と伝えたが、細かい違いが気になる方も現実にはいる。
立礼・座礼・回し焼香の違い
会場の様式によって焼香の姿勢が変わるが、回数と押しいただかない原則は共通。立礼(立って焼香台に進む)、座礼(座って焼香する)、回し焼香(香炉を順番に回す)、いずれの場合も本願寺派1回・大谷派2回のルールは変わらない。宗派別の焼香作法をまとめた記事でも詳しく整理しているが、迷ったら「浄土真宗はいただかない、西1回、東2回」と覚えておけば失敗しない。
お経の唱え方と勤行本の違い
両派とも勤行(ごんぎょう)で唱えるお経は「正信偈(しょうしんげ)」と「和讃(わさん)」が中心。ただ、節回しと語尾の伸ばし方に微妙な違いがある。
本願寺派の正信偈は「行譜(ぎょうふ)」「草譜(そうふ)」の2種類の節があり、日常勤行では草譜を使う。声を長く伸ばす箇所と、リズミカルに区切る箇所のメリハリがはっきりしている。
大谷派の正信偈は「真宗大谷派勤行集」に基づく独自の節回しで、本願寺派より全体的にゆったりしたテンポで詠まれる。特に「南無不可思議光」の一節は、大谷派の方が音を長く伸ばす傾向がある。
ご自宅の勤行本を確認する時は、表紙を見れば一発でわかる。本願寺派は「本願寺派勤行集(赤本)」または「日常勤行聖典」、大谷派は「真宗大谷派勤行集(黒本)」または「同朋聖典」。色と装丁でパッと見分けられる。
法要スケジュールと呼び名の違い
両派とも法要のスケジュールは基本的に同じ。ただ、呼び名や重視する法要が細かく異なる。
年忌法要の流れ
初七日、四十九日(満中陰)、百か日、一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十三回忌、二十七回忌、三十三回忌までが基本。両派とも三十三回忌または五十回忌で「弔い上げ(とむらいあげ)」となる。
ただし、大谷派では二十七回忌をやらず、二十三回忌の次は三十三回忌に飛ぶお寺もある。私が担当した岐阜県土岐市の大谷派末寺では、「うちは二十七はやらないんです」と住職から直接聞いた。地域と寺院ごとの慣習差があるので、必ず菩提寺に確認したい。
「報恩講(ほうおんこう)」の重要性
浄土真宗の両派で最も重視される年中行事が「報恩講」。宗祖・親鸞聖人の命日を偲ぶ法要で、本願寺派は1月9日〜16日、大谷派は11月21日〜28日に本山で厳修される。時期の違いに注目してほしい。
各末寺でも報恩講は毎年行われ、門徒が総出で参加する。喪主として初めての報恩講に参加する時、時期を間違えると恥ずかしい思いをする。うちの葬儀場の隣にある大谷派の末寺では、毎年11月末に赤い提灯を境内一面に飾る風景があって、20年見続けている。
お盆・お彼岸の考え方
浄土真宗の両派とも、他宗派で言う「お盆に霊が帰ってくる」という考え方はしない。亡くなった方は既に浄土に往生しているので、迎え火や送り火は行わない。ただ、初盆(はつぼん・にいぼん)は「亡き人を偲ぶ機会」として法要を営む。初盆のお布施相場と棚経のマナーを整理した記事も参考にしてほしい。
「うちは浄土真宗だから提灯はいらないですよね?」と喪主から聞かれることが多い。基本的にはその通りで、白提灯や盆棚は用意しなくてよい。ただ、地域の慣習として飾る家もあり、絶対禁止ではない。「教義的には不要、慣習として飾るのは自由」というのが正確な回答だ。
香典と参列マナーの違い
参列側として気をつけたいのが香典の表書き。両派で共通する部分と、意識したい部分がある。
「御霊前」は絶対にNG
浄土真宗の両派で共通する最重要ルール。それは「御霊前」を使わないこと。理由は、亡くなった方はすぐに阿弥陀様の力で浄土に往生する(平生業成・臨終即往生)ため、「霊」として現世に留まる期間がないという教えに基づく。
正しい表書きは「御仏前」「御香典」「御香資」のいずれか。両派とも通夜・葬儀・四十九日以降すべてで「御仏前」が使える。浄土真宗の香典袋の書き方を整理した記事で細かい違いも解説しているので、参列前に確認してほしい。
香典の金額相場
両派で金額相場に差はない。親族なら1〜5万円、友人・知人なら5,000円〜1万円、会社関係で5,000円〜1万円が中心的な相場。地域差の方が宗派差より大きい。
「お悔やみの言葉」も両派共通で気をつけたい
浄土真宗の両派では、「ご冥福をお祈りします」「安らかにお眠りください」は本来使わない。理由は同じで、亡くなった方は既に阿弥陀様の元で救われているという教えのため。冥途を彷徨うという概念自体がない。
推奨される言い方は「この度は誠にご愁傷様でございます」「お淋しくなりましたね」「◯◯様のご往生に、心よりお参りさせていただきます」など。ただ、現実には「ご冥福」を使っても激しく咎められることはほとんどない。門徒側も普通に使う人が多い。原則を知った上で、TPOで判断してほしい。
お墓と納骨の違い
お墓に関しては、両派とも大きな違いはない。ただ、細かい所作で差が出る。
墓石の刻む言葉
本願寺派の墓石には「南無阿弥陀仏」「倶會一處(くえいっしょ)」を刻むことが多い。倶會一處は「浄土でまた会おう」という意味で、西本願寺の合同墓の名前でもある。
大谷派の墓石も「南無阿弥陀仏」が主流。「◯◯家之墓」ではなく「南無阿弥陀仏」だけを刻む家も増えている。両派とも、生前戒名を墓石に刻む場合は法名を朱色で入れる慣習は同じ。
本山納骨という選択肢
両派とも、遺骨の一部を本山に納骨する慣習がある。本願寺派なら西本願寺の大谷本廟(京都市東山区)、大谷派なら東本願寺の大谷祖廟(京都市東山区)。両本山とも、実は徒歩10分の距離にある。同じ京都の東山エリアに東西の本山納骨所が並んでいるのは、歴史的な経緯を感じさせる。
本山納骨の懇志は、本願寺派の大谷本廟が3万円〜、大谷派の大谷祖廟が3万円〜が目安。喉仏か一部の遺骨を分骨して納める形が一般的で、20年前と比べて希望する家が明らかに増えた印象。10年前は年間3〜4件だった相談が、去年は12件あった。
よくある質問
Q1. 実家がどちらの派か本当にわからない場合、どう調べればいい?
まず仏壇のご本尊の光背を確認する。放射線状の八条後光なら本願寺派、六角形の後光なら大谷派。次に過去帳を開き、菩提寺の名前を確認する。菩提寺の名前をネットで検索すれば「◯◯派」と出てくる。それでも不明なら、菩提寺に電話して「うちは西ですか東ですか」と直接聞くのが一番早い。恥ずかしがる必要はなく、住職も慣れた質問だ。
Q2. 参列する葬儀が西か東かわからない時、焼香は何回すればいい?
案内状か会場の掲示に宗派が明記されていれば、それに従う。不明な場合、当日会場で葬儀社スタッフに小声で聞くのが確実。それでも判断がつかない時は、1回で押しいただかない作法にしておけば、両派とも大きくは外れない。1回か2回かより、「押しいただかない」ことのほうが重要。
Q3. 数珠は必ず「本願寺派用」「大谷派用」を分けて買う必要がある?
厳密には両派それぞれの正式念珠があるが、「他宗派兼用の略式数珠(片手数珠)」を1つ持っていれば、両派の法要で問題なく使える。専門店で「浄土真宗兼用の数珠」を購入するのが実用的。価格は3,000円〜1万円が中心。特に若い世代の門徒は略式数珠で参列することがほとんどで、住職も咎めない。
Q4. お布施の金額が本当にわからない時、住職に直接聞いてもいい?
聞いても問題ない。ただ、「いくらですか」と聞くと「お気持ちで」と返されるのが定番。この時は「他の門徒さんはどれくらい包まれていますか」と聞き方を変えると、目安を教えてくれる住職が多い。それでも濁される場合は、地元の葬儀社に相場を確認するのが実用的。私は年間200件以上、この相談を受けている。
Q5. 西と東の派を、途中で変えることはできる?
制度上は可能。菩提寺を変えて別派の寺の門徒になれば、宗派を変更できる。ただ、既存の菩提寺との関係(離檀料の問題)や、先祖の位牌・お墓の扱いなどが絡んで、実務上はハードルが高い。「引っ越して菩提寺が遠くなったので、近所の同じ浄土真宗の寺に変えたい」という相談は年数件受けるが、実際に踏み切る家は少ない。
Q6. 「南無阿弥陀仏」の唱え方に西と東で違いはある?
本願寺派は「なもあみだぶつ」と読むのが正式で、「なむ」ではなく「なも」と発音する。大谷派も同様に「なもあみだぶつ」だが、地域や個人差で「なむあみだぶつ」と唱える人もいる。厳密には「なも」が本義とされるが、日常的には両派とも「なむ」でも「なも」でも通じる。回数の決まりも特になく、心のままに称える。
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