【2026年最新】葬儀会社の初任給はいくら?大卒・高卒の平均額と入社1年目の「手取り」リアルシミュレーション
「葬儀の仕事に興味があるけれど、お給料はどれくらい貰えるの?」
「夜中も働くイメージがあるから、その分初任給は高いの?」
景気に左右されにくく、高齢化社会において需要が高まり続ける葬儀業界(フューネラルビジネス)。安定した職業として注目される一方で、具体的な給与事情、特に入社したばかりの「初任給」や「手取り」については、あまり表に出てこないのが実情です。
この記事では、葬儀業界専門のライターが、大卒・高卒別の初任給平均データをもとに、税金や保険料を引いた「入社1年目のリアルな手取り額」を徹底シミュレーションします。求人票を見るだけでは分からない、葬儀社特有の「手当」の仕組みについても詳しく解説します。
1. 葬儀会社の初任給平均データ【大卒・高卒・短大卒】
まずは、厚生労働省の統計や大手葬儀社・互助会の採用データを基にした、基本的な初任給の相場を見ていきましょう。葬儀業界は、地域(都市部か地方か)や企業規模によって差が出やすい業界ですが、平均的な目安は以下の通りです。
| 最終学歴 | 初任給(基本給)の目安 | 想定月収(手当込み) |
|---|---|---|
| 大学院卒 | 210,000円 ~ 235,000円 | 240,000円 ~ 265,000円 |
| 大学卒 | 200,000円 ~ 220,000円 | 230,000円 ~ 250,000円 |
| 短大・専門卒 | 180,000円 ~ 200,000円 | 210,000円 ~ 230,000円 |
| 高校卒 | 160,000円 ~ 185,000円 | 190,000円 ~ 215,000円 |
※地域、企業規模により変動します。残業代等は含みません。
一般企業との比較
日本の全産業における大卒初任給の平均が約22万6,000円(令和5年賃金構造基本統計調査)であることを考えると、葬儀社の基本給自体は「平均的、もしくはやや低め」からのスタートとなるケースが多いです。
しかし、葬儀業界の給与の特徴は「基本給」ではなく、次項で解説する「手当」の厚さにあります。
2. ここが違う!葬儀業界特有の「手当」と給与構造
葬儀社の求人票を見る際、最も注意すべきなのが「諸手当」の項目です。葬儀の仕事は24時間365日動いているため、基本給にプラスされる手当の種類が他業種とは異なります。
主なプラス手当
- 当直・夜勤手当:
病院へのお迎えや安置対応などで夜間に勤務した場合の手当。1回あたり5,000円~15,000円程度が相場です。 - 待機手当(オンコール手当):
自宅待機で、電話が鳴れば出動する状態に対する手当。出動しなくても支給される会社と、出動実績のみ支給される会社があります。 - 通夜手当:
通夜の進行を担当した際に支給されるケースがあります。 - 施行手当(担当手当):
自分がメイン担当者として葬儀を施行した場合、1件につき数千円~数万円が支給されるインセンティブ制度です。
新入社員のうちは、まだ一人で担当を持てないため「施行手当」はつきませんが、夜間の電話番や搬送補助などの「当直・夜勤」には入る可能性があります。これにより、基本給以上の額面を受け取れる月が出てくるのがこの業界の特徴です。
3. 【徹底シミュレーション】入社1年目の「手取り額」はいくら?
では、実際に銀行口座に振り込まれる「手取り額」はいくらになるのでしょうか?
ここでは、都内の中堅葬儀社に入社したと仮定し、大卒と高卒の2パターンでシミュレーションを行います。
※手取り額の計算式(目安):額面給与 × 0.75 ~ 0.8
ケースA:大卒(22歳)・入社半年後のモデル
- 基本給:205,000円
- 固定残業代:30,000円(20時間分)
- 通勤交通費:10,000円
- 夜勤手当:20,000円(月2回想定)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 総支給額(額面) | 265,000円 |
| 健康保険料 | 約13,000円 |
| 厚生年金保険料 | 約24,000円 |
| 雇用保険料 | 約1,600円 |
| 所得税(源泉徴収) | 約6,000円 |
| 住民税(※) | 0円(2年目から発生) |
| 手取り支給額 | 約 220,400円 |
※住民税は前年の所得に対してかかるため、入社1年目は引かれません(2年目の6月から天引き開始)。そのため、2年目に手取りが少し減ったように感じることがあります。
ケースB:高卒(18歳)・入社半年後のモデル
- 基本給:175,000円
- 時間外手当:25,000円(実費支給想定)
- 通勤交通費:8,000円
- 夜勤手当:10,000円(月1回想定)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 総支給額(額面) | 218,000円 |
| 健康保険料 | 約10,800円 |
| 厚生年金保険料 | 約20,100円 |
| 雇用保険料 | 約1,300円 |
| 所得税(源泉徴収) | 約4,500円 |
| 住民税(※) | 0円 |
| 手取り支給額 | 約 181,300円 |
このように、夜勤や残業が発生しやすい葬儀社では、初任給の段階でも手取りで18万〜22万円程度を確保できるケースが多く見られます。
4. 初任給以降はどうなる?年収アップの鍵を握るもの
「初任給は悪くないけれど、将来的に給料は上がるの?」という不安もあるでしょう。葬儀業界で給与を上げていくための3つのポイントを解説します。
① 葬祭ディレクター技能審査(資格)の取得
厚生労働省認定の制度である「葬祭ディレクター技能審査(1級・2級)」の資格を取得すると、月々の給与に資格手当がプラスされる会社がほとんどです。
- 2級(実務経験2年以上):月5,000円〜10,000円プラス
- 1級(実務経験5年以上):月10,000円〜30,000円プラス
また、この資格を持っていることで「担当できる葬儀の規模」が大きくなり、結果としてインセンティブが増えることにも繋がります。
② 「担当件数」と「単価」によるインセンティブ
多くの葬儀社では、一人前の担当者になると「インセンティブ(歩合)」がつきます。葬儀の規模(売上)や、お客様からのアンケート評価、アフターフォロー(仏壇や墓石の販売など)の実績に応じてボーナスや月給が加算されます。
30代で年収500万円〜600万円以上稼ぐスタッフは、このインセンティブ部分が大きい傾向にあります。
③ 管理職へのキャリアアップ
現場での担当業務から、店舗運営やエリアマネージャーなどの管理職へ進む道です。夜勤や現場対応が減る代わりに、役職手当がつき、給与が安定します。
5. 注意点:給与について確認すべき「ブラック」な落とし穴
初任給が高く見えても、飛びつく前に以下の点を確認してください。
「固定残業代」の時間数
求人票に「月給25万円(固定残業代含む)」とある場合、その中に何時間分の残業代が含まれているか確認しましょう。45時間を超えるような設定の場合、長時間労働が常態化している恐れがあります。
宿直と夜勤の区別
法的に「宿直(ほとんど労働せず寝ていて良い時間)」と「夜勤(労働する時間)」は扱いが異なります。電話が鳴りっぱなしで一睡もできないのに、格安の「宿直手当」だけで処理されていないか、口コミサイトなどで実情をチェックすることをおすすめします。
年間休日数
給料が良くても、年間休日が90日以下では長く続きません。葬儀業界でも働き方改革が進んでおり、年間休日105日〜120日を確保している優良企業が増えています。「稼ぎたい」のか「休みも欲しい」のか、自分の優先順位を明確にしましょう。
6. まとめ:葬儀社の初任給は「働き方」次第で大きく変わる
葬儀会社の初任給は、基本給だけを見れば平均的ですが、夜勤や各種手当を含めると、同年代の平均よりも高い手取り額になる可能性があります。
記事の要点まとめ
- 大卒初任給の目安は20〜22万円、高卒は16〜18万円程度(基本給)。
- ここに「夜勤手当」「残業代」「交通費」が加算される。
- 入社1年目の手取り額は、大卒で約22万円、高卒で約18万円前後がリアルな相場。
- 住民税が引かれない1年目は手取りが多く見えるため、2年目の減額に注意。
- 将来的に年収を上げるなら「葬祭ディレクター」資格と「担当実績」が必須。
葬儀の仕事は、精神的にも体力的にもハードな側面がありますが、その分「感謝されるやりがい」と、実力次第で「収入を伸ばせる可能性」がある仕事です。初任給の額面だけでなく、手当の種類やキャリアパスまでしっかりと確認して、あなたに合った会社を選んでください。



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