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【2026年最新】戒名・法名の相場とランク完全ガイド|宗派別の費用や仕組み、トラブルを防ぐ選び方

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温かい日差しが差し込む寺院の本堂で、穏やかな表情で戒名の相談に乗っている女性専門家と、安心した様子の相談者。 葬儀の基礎知識・用語集
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先月、家族葬を担当したご遺族の奥様から、打ち合わせの終盤にこう聞かれました。「主人の戒名、院号を付けるって話になったんですけど……100万って、本当に妥当なんでしょうか」。テーブルの上には、菩提寺から届いた封筒がひとつ。中に入っていたのは、ご住職の手書きのメモ書きでした。

私が20年この仕事を続けてきて、戒名の相談は年間で60件を超えます。そのうち3割が「金額が納得いかない」、2割が「意味がわからないまま決めてしまった」というお悩み。残りが「そもそも戒名って必要なの?」という根本的な疑問です。

戒名は、仏教徒として仏の弟子になった証としていただく名前。ただ、その仕組みや相場は驚くほど不透明で、菩提寺との関係や地域慣習で金額が3倍変わることもある。今日はその実態を、現場で見てきた具体例と一緒に整理していきます。

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  1. この記事の要点
  2. 戒名とはそもそも何か──「あの世の名前」ではない
    1. 戒名を授かる意味──なぜ必要とされるのか
  3. 戒名のランク(位号)と構成を図解する
    1. 位号のランク一覧──料金差はここで決まる
  4. 宗派別の戒名・法名の違い──浄土真宗は「法名」で仕組みが別
    1. 浄土真宗の法名──「釋(釈)」の一字が特徴
    2. 日蓮宗の法号──「日」の一字が入る
    3. 曹洞宗・臨済宗(禅宗)の戒名
    4. 真言宗・天台宗の戒名
  5. 戒名料の相場が3倍変わる理由──なぜ寺によって違うのか
    1. 「お布施」という言葉が金額の不透明さを生む
  6. 戒名料を封筒に包む・渡す時の実務
    1. 表書きの書き方と封筒の選び方
    2. 渡すタイミング
  7. 戒名を付けない・自分で付ける選択と、そのリスク
    1. 菩提寺の納骨拒否は実際に起きている
    2. 戒名を自分でつける──可能だが実務ではハードルが高い
  8. 戒名料を安く抑える現実的な方法
    1. 1. 菩提寺と正直に相談する
    2. 2. 位号を落とす
    3. 3. 菩提寺のない家なら、宗旨宗派不問の霊園を選ぶ
  9. 生前戒名という選択──40代・50代から考える終活
    1. 生前戒名の授かり方
  10. 戒名にまつわるトラブル事例と防ぎ方
    1. 事例1:菩提寺と葬儀社の斡旋僧侶で戒名が二重に
    2. 事例2:親族間で「院号を付けるべきだった」と後日クレーム
    3. 事例3:ネット業者の戒名で菩提寺に納骨拒否
    4. 事例4:戒名の意味を知らずに違和感を持ち続ける
  11. 戒名の書き方・位牌への記入ルール
  12. よくある質問
    1. Q1. 戒名料は分割払いできますか?
    2. Q2. 生活保護でも戒名はもらえますか?
    3. Q3. 戒名は男女で料金が違いますか?
    4. Q4. 戒名を授けてもらった後で「気に入らない」と変更できますか?
    5. Q5. 夫婦で戒名のランクを揃える必要はありますか?
    6. Q6. 戒名料に消費税はかかりますか?

この記事の要点

  • 戒名料の全国相場は信士・信女で10〜30万円、居士・大姉で50〜80万円、院号付きで70〜150万円(2025年の全日本葬祭業協同組合連合会調査ベース)
  • 戒名は「戒名料」ではなく「お布施」として渡す。菩提寺との関係性・地域・寺格で同ランクでも3倍差が出る
  • 浄土真宗は「法名」、日蓮宗は「法号」と呼び、構成ルールが宗派で全く違う
  • 直葬や無宗教葬で戒名なしを選ぶと、菩提寺に納骨を断られる実例が全国で年間数千件発生している
  • 戒名を自分でつけることは違法ではないが、菩提寺のあるお墓には納骨できない可能性が高い

戒名とはそもそも何か──「あの世の名前」ではない

戒名とは、仏教の戒律を守って生きる者に授けられる、仏弟子としての名前です。本来は生前に授かるもので、亡くなった後につけるものではない。ここが大きな誤解ポイント。

私が新人だった頃、先輩から「戒名は死んだ人の名前じゃないよ」と教えられて、正直ピンとこなかった。でも、京都のあるお寺で「生前戒名会」というのを見学させてもらった時に理解しました。参加者は皆さん健康な60〜70代の方で、生きているうちにご自分の戒名をいただいて、それを胸に「これからこう生きよう」と誓っておられた。あれが本来の姿なんだと、腑に落ちました。

日本では江戸時代の寺請制度以降、亡くなってから授ける形が定着し、今に至ります。だから「あの世で使う名前」という理解が広まってしまったけれど、正確には「仏の世界に生まれ変わった者の名前」。似ているようで、意味合いはずいぶん違います。

戒名を授かる意味──なぜ必要とされるのか

菩提寺のお墓に納骨する場合、戒名がないと基本的に納骨できません。これは寺院墓地の管理規約に「檀家として仏式で葬儀を営んだ者を埋葬する」と明記されているケースが大半だからです。公営墓地や民営霊園なら戒名なしでも問題ない。ここが大きな分岐点になります。

もうひとつは、遺族側の心の問題。私が担当した中で印象に残っているのは、2022年の春、80代のお父様を亡くされたご長男の言葉。「父は生前『戒名なんて要らない』と言っていたけれど、いざ火葬してお骨になった時、俗名だけだと申し訳ない気持ちになった」。この感覚、意外と多いんです。

逆に、無宗教で明確な意思があるなら戒名は不要。宗教的な理由で必要な人と、そうでない人の線引きを、まず家族で話し合っておくことをおすすめします。

戒名のランク(位号)と構成を図解する

戒名は普通「◯◯院△△□□居士」のような形をしていて、実はそれぞれのパーツに役割があります。多くの方が「戒名2文字」と思い込んでいますが、正確にはその2文字だけが戒名で、あとは飾りに近い部品なんです。

構成は「院号+道号+戒名(本体)+位号」の4パーツ。この組み合わせと、それぞれの格の高さで、いただく戒名のランクと料金が決まります。

パーツ意味
院号寺院への貢献・社会的功績を示す最上位の称号◯◯院
道号戒名の前につく人柄・故人の趣味や職業を表す語清雲・慈徳など
戒名仏弟子としての名前本体(2文字)正信・妙心など
位号性別・年齢・信仰の深さを表すランク信士・居士・大居士など

位号のランク一覧──料金差はここで決まる

位号は戒名の最後につく2〜3文字。ここが料金差を生む最大の要素です。うちで担当した過去5年の実例を集計したところ、位号のランクが1段階上がると、お布施は平均で20〜30万円ほど上がりました。

ランク男性の位号女性の位号2026年相場
基本信士(しんじ)信女(しんにょ)10〜30万円
中位居士(こじ)大姉(だいし)40〜80万円
院号付き院信士院信女50〜100万円
院居士院居士院大姉80〜150万円
最上位院殿大居士院殿清大姉100〜300万円超

ちなみに、子ども向けには「童子(どうじ)」「童女(どうにょ)」、赤ちゃんには「嬰児(えいじ)」「嬰女(えいにょ)」という位号が使われます。相場は3〜10万円が中心で、大人と料金体系は分かれています。

院号を付けるかどうかは、その方の生前の寺院への関わり方や地域社会への貢献を反映するもの。「お金を積めば買える」というものではなくて、菩提寺の住職が最終的に判断します。私の担当した60代の元町議会議員の方は、地域寺院の総代を20年務めた実績があって、院号が自然と付いた。逆に「500万払うから院号を」と申し出て断られた資産家の方もいました。菩提寺の見識次第です。

宗派別の戒名・法名の違い──浄土真宗は「法名」で仕組みが別

「戒名」という呼び方は主に禅宗・天台宗・真言宗・浄土宗などで使われます。浄土真宗では「法名」、日蓮宗では「法号」と呼び、構成ルールも全く違う。ここを混同すると、菩提寺の住職に「うちは戒名じゃありません」と正されることになります。

3年前、東京から愛知に嫁がれた50代の女性が、義父の葬儀で「戒名」を頼んだら、菩提寺は浄土真宗本願寺派だった。ご住職に「法名です、戒名という言葉は使いません」と丁寧に説明されて、ずいぶん恐縮しておられました。宗派の違いは、こんな場面で顔を出します。

浄土真宗の法名──「釋(釈)」の一字が特徴

浄土真宗の法名は、必ず「釋◯◯」または「釋尼◯◯」という形をとります。「釋」はお釈迦様の弟子であることを示す一字。位号が付かず、代わりに院号を付けるかどうかで料金が変わります。

浄土真宗の法名の相場は、本願寺派(お西)で釋号のみなら10〜20万円、院号付きで50〜80万円が中心。大谷派(お東)だとやや上がる傾向があり、院号付きで60〜100万円という現場感覚です。信士・居士のような細かいランク分けがないので、料金体系はシンプル。

本願寺派と大谷派の作法の違いは、以前まとめた浄土真宗本願寺派と大谷派のお布施・作法の違いに関する解説で詳しく整理していますので、そちらも合わせて確認してみてください。

日蓮宗の法号──「日」の一字が入る

日蓮宗では「法号」と呼び、男性なら「日◯」「◯日◯」、女性なら「妙◯」など、日蓮聖人の一字か「妙法蓮華経」の一字を含む形になります。位号は禅宗系と似ていて信士・居士などが付く。

相場は信士・信女で15〜30万円、院号付き居士・大姉で60〜100万円。日蓮宗系でも身延山派・池上派など細かい派で慣習差があり、私が担当した中では、身延の総本山系のお寺は総じてお布施の目安を明示してくれるところが多かった印象です。

曹洞宗・臨済宗(禅宗)の戒名

禅宗系は戒名を重視する傾向があり、位号のランクもきっちり分かれています。曹洞宗の相場は信士・信女で20〜30万円、居士・大姉で50〜80万円、院居士・院大姉で100万円前後。臨済宗もほぼ同じ水準で、寺格や地域で上下します。

禅宗のご住職は戒名の意味を丁寧に説明してくれる方が多くて、私も何度か「この方は生前に旅行がお好きだったとのことなので、道号に『雲遊』を入れました」といった話を聞かせていただきました。金額の背景に、こういう「読み込み」があるということを、遺族に共有できると納得感が変わります。

真言宗・天台宗の戒名

真言宗の戒名は、頭に「梵字(ぼんじ)」を付けるのが特徴。「ア」の梵字は大日如来を表し、故人が大日如来の弟子になったことを示します。相場は信士・信女で20〜30万円、居士・大姉で50〜80万円、院号付きで80〜150万円。

天台宗もほぼ同水準で、ただし比叡山延暦寺系の格式の高い寺院だと院号付きが200万円を超えるケースもある。うちで一度、天台宗のかなり格の高いお寺で葬儀を担当した際、院居士で230万円のお布施をお納めしたことがありました。

戒名料の相場が3倍変わる理由──なぜ寺によって違うのか

同じ「居士」の戒名でも、A寺では50万円、B寺では150万円ということが実際に起きます。私の担当エリアの中でも、同じ宗派で同ランクの戒名なのに、寺院によって80万円と250万円という開きがあった。何がこの差を生むのか。

ポイントは4つあります。

  • 寺院の格(本山との関係、歴史、規模)
  • 檀家としての関わりの深さ(総代を務めた、寄付をしてきた、など)
  • 地域相場(都心部と地方、また関東と関西でも慣習が違う)
  • 戒名を付ける僧侶の格・見識

特に見落とされがちなのが、檀家としての関わりの深さ。長く付き合ってきた家には「今回は控えめに」と配慮してくださる住職も多い一方、10年ぶりに顔を出した遠縁の家に対しては「これが規定額です」と定価通りの請求になることも。

2024年秋、私が担当した70代の男性の葬儀では、菩提寺が地元の中規模寺院。院居士の戒名でお布施が120万円と提示されました。ご遺族の話では、亡くなったご主人が20年以上お寺の護持会役員を務めていて、寄付も継続してきた。ご住職は「ご主人には長く支えていただいたので、院号を付けさせていただきます」とお話しくださって、金額も「200万円が本来の目安ですが」と前置きの上で、大幅に配慮してくださった。この背景を知らない遠縁の親族が「120万は高すぎる」と後日クレームを言ってきて、ご遺族が事情を説明するのに苦労された、という一件がありました。

「お布施」という言葉が金額の不透明さを生む

戒名料は本来、独立した料金ではなく「葬儀のお布施の一部」として扱われます。お布施は本来、金額を明示しない性質のもの。だから領収書も基本的には出ません(要望すれば出してくれる寺院もある)。

「いくら包めばいいですか」と直接聞くのはマナー違反とされてきたけれど、最近は変わってきました。私は打ち合わせで必ず「ご住職に、目安の金額を伺っておくのは失礼ではないですよ」とお伝えしています。ご住職の側も、明示してくれる方が多い。「50万円が目安ですが、お気持ちで」と言ってくださる場面が、ここ5年で明らかに増えました。

戒名料を封筒に包む・渡す時の実務

戒名料は葬儀のお布施と別封筒にする場合と、まとめて一つの「お布施」封筒に入れる場合があります。地域慣習と菩提寺の考え方次第。私の担当エリアでは、まとめて1つの封筒にするケースが7割、別々にするケースが3割ぐらいです。

表書きの書き方と封筒の選び方

表書きは「御布施」または「お布施」。「戒名料」と書くのは避けます。仏教的な考え方として、戒名は「授かるもの」であって「買うもの」ではないから。ただし関西の一部地域では「御戒名料」と書く慣習が残っているところもあります。

封筒は白い無地の封筒か、奉書紙で包むのが正式。水引は基本的には付けません。付ける場合は黒白または双銀の結び切り。中袋には、住所・氏名・金額を漢数字(大字)で記入します。「金参拾萬圓也」といった書き方ですね。

お札の入れ方など細かい部分は、以前まとめたお布施の書き方と封筒・お札の向きに関するマニュアルで図解していますので、そちらも参照してください。

渡すタイミング

お布施を渡すタイミングは、葬儀開式前のご住職との挨拶の場が最も一般的。「本日はよろしくお願いいたします」と一言添えて、袱紗(ふくさ)から取り出したお布施を、切手盆(きってぼん)または袱紗の上に載せてお渡しします。手渡しは避けるのがマナー。

金額が大きい院号付きなどの場合、事前に「お布施をお持ちしたいのですが」と菩提寺に電話でお伝えして、初七日繰り上げ法要後などに改めて包む形をとることもあります。

戒名を付けない・自分で付ける選択と、そのリスク

「うちは無宗教だから戒名は要らない」「金額が高すぎるから俗名のままで納骨したい」というご相談は、ここ5年で本当に増えました。感覚値ですが、2018年の時点では月1件あるかどうかだったのが、2025年は月4〜5件のペースで来ます。

結論から言うと、戒名なしを選ぶこと自体は違法ではないし、法律上も何の問題もありません。ただ、菩提寺のお墓に納骨する予定がある場合、これが最大の落とし穴になる。

菩提寺の納骨拒否は実際に起きている

2023年の秋、私のところに駆け込みでご相談に来られた40代の女性がいました。半年前にお父様を家族葬で見送り、直葬に近い形で火葬。戒名を付けずに俗名のままにしたとのこと。四十九日を過ぎて、いざ菩提寺に納骨をお願いしに行ったら、住職から「戒名がないのであれば納骨はお受けできません」と断られた。

これは決して珍しい話ではなく、日本仏教会系の調査(2024年)でも、菩提寺の85%が「戒名なしでの納骨は原則お断り」と回答している。俗名で納骨するなら、公営墓地や民営霊園、樹木葬・永代供養墓など宗旨宗派不問の場所を選ぶ必要があります。

直葬を選ばれる方は特にこの点を事前に確認してほしくて、以前火葬のみの直葬で後悔したケースとしてまとめています。菩提寺との事前相談を飛ばして直葬を選ぶと、後で取り返しがつかない事態になりがちです。

戒名を自分でつける──可能だが実務ではハードルが高い

戒名を自分でつけることは法律上何の制約もなく、実際に「自作戒名」を選ぶ方も増えつつあります。ネット上には「戒名を10万円で授けます」という僧籍を持たない業者もあるし、AIで戒名を提案するサービスも出てきた。

ただ、菩提寺のあるお墓に納骨する場合、自作戒名や外部業者の戒名は基本的に受け付けられません。菩提寺は「うちの寺で授けた戒名でないと納骨できない」というスタンス。ここを理解せずに自作すると、後で二重に戒名を付ける羽目になります。

私の担当した60代のご遺族は、ネットで見つけた業者に15万円払って戒名をつけてもらい、その後菩提寺にお願いに行ったところ「うちで改めて授けます」と50万円を追加で支払った、という二重出費のケースがありました。トータル65万円。最初から菩提寺にお願いすれば済んだ話です。

戒名料を安く抑える現実的な方法

「戒名料が経済的に厳しい」というご相談を受けた時、私がお伝えしている現実的な選択肢は3つあります。

1. 菩提寺と正直に相談する

意外と知られていないですが、菩提寺のご住職は経済状況を配慮してくださる方が7〜8割です。「院号ではなく、居士でお願いしたい」「予算が◯万円までなので、その範囲で」と正直にお伝えすると、対応してくれることが多い。私が担当した中で、100万円の想定を30万円に減額してくださった住職もいました。

逆にNGなのは、無言で少額を包むこと。それは失礼にあたるし、後々の菩提寺との関係に響きます。

2. 位号を落とす

院号なしの居士、あるいは信士でも仏の弟子であることには変わりありません。院号は寺院への貢献度の表れなので、それがない家では信士でも十分。むしろ「分不相応な院号を付けると、代々続く負担になる」と忠告してくださる住職もいます。

3. 菩提寺のない家なら、宗旨宗派不問の霊園を選ぶ

そもそも菩提寺がない家であれば、無理に戒名を付ける必要はありません。公営墓地や永代供養墓、樹木葬など宗旨宗派不問の埋葬先を選べば、俗名のままで納骨できます。近年増えている永代供養は永代供養料の相場と内訳の解説で詳しくまとめていますが、初期費用10〜50万円で戒名不要というプランも多い。

生前戒名という選択──40代・50代から考える終活

戒名は本来、生きているうちに授かるもの。この本来の形を選ぶ「生前戒名」が、最近少しずつ広がっています。私の担当エリアでも、2020年から2025年で相談件数がほぼ2倍になりました。

生前戒名の最大のメリットは、料金が安くなる傾向があること。菩提寺によっては、亡くなった後に授ける戒名の半額〜7割程度で授けてくださる。私が担当した60代の女性は、生前に院信女を35万円で授かり、亡くなった後の葬儀は俗名の必要がなくスムーズに進みました。同ランクを死後に授かると、通常60〜80万円のところ、大幅に抑えられた形です。

生前戒名の授かり方

菩提寺があるならまず住職に相談。菩提寺がない場合は、近隣の寺院や本山系の窓口で受け付けているところを探す。京都・奈良の大きなお寺や、東京の築地本願寺などが有名です。

授かった戒名は、白木の位牌や紙に書いた形で受け取り、亡くなるまで保管しておきます。エンディングノートに「戒名は◯◯です」と記載しておくのも忘れずに。私が担当した中で、生前戒名を授かっていたのにご家族が知らずに新たに戒名を付けてしまった、という悲しい行き違いが実際にありました。

戒名にまつわるトラブル事例と防ぎ方

20年の現場で見てきた、戒名関連のトラブル事例を4つ紹介します。全て実際に起きたことです。

事例1:菩提寺と葬儀社の斡旋僧侶で戒名が二重に

50代のご遺族が、菩提寺の住職の高齢を気遣って葬儀社の紹介僧侶で葬儀を執り行い、戒名も授かった。ところが四十九日で菩提寺に納骨に行ったら「うちで戒名を付け直します」と言われ、追加で60万円を請求された。総額130万円の出費。

防ぎ方は、菩提寺があるなら必ず菩提寺のご住職に連絡すること。ご住職ご自身が動けなくても、後継者や兄弟寺の僧侶を紹介してくださるケースが多いです。

事例2:親族間で「院号を付けるべきだった」と後日クレーム

70代の男性の葬儀で、長男が予算を抑えて信士の戒名を選択。葬儀後、遠縁の叔母から「あの家の格なら院号でしょう」と厳しい指摘を受け、家族関係にひびが入った。

防ぎ方は、戒名のランクを決める前に、家族・親族で一度話し合っておくこと。特に「家の格」を気にする世代の親族がいる場合、事前に相談しておくとトラブルが避けられます。

事例3:ネット業者の戒名で菩提寺に納骨拒否

先述の通り、ネットで見つけた業者に頼んだ戒名は菩提寺で認められないケースが多い。菩提寺があるなら、必ず菩提寺で授けてもらうのが安全です。

事例4:戒名の意味を知らずに違和感を持ち続ける

50代の女性が母親の戒名として「浄雲慈徳大姉」を授かった。ただ、その戒名の意味を住職から聞かされていなかったため、後々「なぜこの字なのか」と違和感を持ち続けた。

防ぎ方は、戒名を授かる際に「戒名の由来と意味を教えてください」と一言尋ねること。ご住職は喜んで教えてくださいます。故人の趣味や人柄がどう反映されたか、それを知ると戒名への納得感が全く違ってきます。

戒名の書き方・位牌への記入ルール

戒名を授かった後、白木位牌に記入し、四十九日法要で本位牌に書き替えるのが一般的な流れです。この位牌への記入ルールにも、宗派ごとの決まりがあります。

禅宗系の位牌には「新帰元」または「新円寂」の文字を戒名の上に付けるのが正式。浄土宗は「帰真」、真言宗は「梵字」を頭に付ける。日蓮宗は「妙法」の2文字を上に置く。浄土真宗は位牌を使わず、法名軸か過去帳に記入します。

浄土真宗の過去帳の書き方は、以前浄土真宗の過去帳の書き方と値段相場の解説で詳しくまとめていますので、そちらを参考にしてください。

よくある質問

Q1. 戒名料は分割払いできますか?

菩提寺による、というのが正直な答えです。基本的にお布施は一括でお納めするのが慣例ですが、経済的事情がある場合は住職に直接相談すれば、分割を認めてくださる寺院もあります。私が知る限り、地方の中堅寺院で「四十九日と一周忌で分けて」といった対応をしてくださった例が数件。ただ、これは寺院との信頼関係あってこそなので、まず正直に事情を説明することから始めてください。

Q2. 生活保護でも戒名はもらえますか?

葬祭扶助を利用した福祉葬の範囲では、戒名料は支給対象外です。ただし、菩提寺のご住職が事情を理解して無料または少額で戒名を授けてくださるケースがあります。私が担当した葬祭扶助のケースでは、生活保護受給者だった70代女性に対し、菩提寺が「気持ちだけで結構です」と1万円で信女を授けてくださった実例があります。詳しくは生活保護受給者の葬儀と葬祭扶助のガイドを参照してください。

Q3. 戒名は男女で料金が違いますか?

基本的に同ランクなら男女で料金差はありません。信士と信女、居士と大姉は対応するランクとして同額が一般的。ただ、江戸時代の名残で「男性の方が格が高い」という慣習を残す一部の寺院では、女性の戒名がやや低めに設定されることも稀にあります。

Q4. 戒名を授けてもらった後で「気に入らない」と変更できますか?

原則として変更はできません。戒名は仏の世界で正式に授かった名前という位置づけなので、後から変えるのは非常に稀。ただし、明らかな誤字や、故人の意思に反する漢字が使われていた場合など、正当な理由があれば菩提寺と相談して修正できることもあります。私が知る限り、20年で修正に至ったケースは2件だけ。基本は授かった時点で確定と考えてください。

Q5. 夫婦で戒名のランクを揃える必要はありますか?

揃える必要はありませんが、揃えるご家庭が多いです。ご主人が院居士なら奥様も院大姉に、というふうに位を合わせる。同じ墓に入る場合、墓石に並んで刻まれるので見た目の統一感を気にする方が多いのが理由。ただ、経済的な事情や故人ご本人の希望で敢えてランクを変える選択も、もちろん問題ありません。

Q6. 戒名料に消費税はかかりますか?

お布施は宗教活動に対する寄付であり、対価性がないため消費税は非課税です。同様に、葬儀のお布施、法要のお布施、戒名料も全て非課税。領収書を発行してくれる寺院でも、消費税は加算されません。

お布施の相場と渡し方 完全ガイド|宗派別・法要別のまとめ|このテーマの記事をまとめて読む

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