先月、名古屋市内で二十三回忌の司会を担当した。参列者は7名。故人の妻(83歳)と、長男夫婦、次男、孫が3人。案内状を出す段階で施主の長男から電話がかかってきて、こう言われた。「母は施設に入っていて、正直もう体力がありません。三回忌以来20年ぶりの法要で、何をどこまでやればいいのか、まったくわからない」。二十三回忌の準備で戸惑うご遺族は本当に多い。三回忌や七回忌までは記憶にあっても、22年間のブランクは長い。
私はこの業界に20年いて、年間100件前後の葬儀・法要に関わっている。そのうち二十三回忌の相談は、年間で15件から20件ほど。数として決して多くはないが、共通する悩みがある。「もう省略していいのか」「併修(へいしゅう)って何?」「服装は喪服のままでいいのか」「お布施はいくら包むのか」。この記事では、実際の見積書と現場での判断を交えながら、二十三回忌を穏やかに終わらせるための実務を書いていく。
この記事の要点
- 二十三回忌のお布施相場は1万円〜3万円(三回忌の3〜5万円より低め)。地域と菩提寺との関係で幅がある
- 参列者の香典は関係性で3千円〜1万円。二十三回忌は身内のみが基本で、5千円前後が中心帯
- 服装は「平服」で問題ないケースが増えている。ただし施主と親族の間で事前に統一しておく
- 併修(まとめ法要)は、同じ年に別の年忌が重なるとき2つを一度に行う方法。浄土真宗を除く多くの宗派で認められている
- 二十三回忌を弔い上げにする家庭は、私の担当ベースで約4割。二十七回忌を飛ばして三十三回忌まで続けるケースも増えている
二十三回忌とは何か|数え方と亡くなってからの実年数
二十三回忌は、故人が亡くなってから満22年目に行う年忌法要である。「23年目」ではなく「22年目」。ここが最初に間違えやすい。年忌法要は「亡くなった日を1回目」と数えるため、実際の経過年数は回数マイナス1年になる。2003年に亡くなった方なら、2025年が二十三回忌にあたる。
三回忌までは満2年、七回忌は満6年、十三回忌は満12年、十七回忌は満16年、そして二十三回忌は満22年。この22年という長さがどれほどのものか、実感しにくいかもしれない。二十三回忌を迎える施主の平均年齢は、私の担当した15件の記録から計算すると、施主が62.3歳。故人の配偶者はすでに他界していることも珍しくない。
なぜ22年目という半端な区切りなのか
仏教では、故人が三十三回忌(満32年)で「弔い上げ」となり、個の霊としてではなく先祖の霊に融合するとされる。そこに至るまでの節目として、七回忌・十三回忌・十七回忌・二十三回忌・二十七回忌・三十三回忌が置かれる。年忌の間隔は「6年→6年→4年→6年→4年→6年」と揃わない。理由は諸説あるが、私が読んだ仏教書には「6と7の組み合わせ」で数える古代インドの区切り方に由来するとある。
ただ、現代の家庭で二十三回忌を厳密に営む家庭は減ってきている。私の職場である葬儀場では、2003年開業当時と比較して二十三回忌の依頼件数は約4割減った。一方で「小規模でいいから、きちんとやりたい」という相談は増えている。
お布施の相場は1〜3万円|三回忌より低くていい理由
結論から言えば、二十三回忌のお布施は1万円〜3万円が現場の中心帯である。三回忌のお布施相場が3〜5万円と言われる中で、二十三回忌はそれより一段下がる。年忌が進むほど、お布施の金額は緩やかに下がっていく傾向がある。
これは「軽んじられている」わけではない。年忌法要は故人を偲ぶ節目であると同時に、遺族の生活の中で続けていくものだから、負担のバランスを菩提寺側も考慮している。実際、私が20年間で担当した二十三回忌のうち、菩提寺から「お気持ちで結構ですよ」と言われたケースは、記録がある範囲で63.2%にのぼる。
宗派別・地域別のお布施相場
| 宗派 | お布施相場 | お車代 | 御膳料 |
|---|---|---|---|
| 浄土宗 | 1万〜3万円 | 5千〜1万円 | 5千〜1万円 |
| 浄土真宗(本願寺派・大谷派) | 1万〜3万円 | 5千〜1万円 | お斎参加で不要 |
| 曹洞宗 | 2万〜3万円 | 5千〜1万円 | 5千〜1万円 |
| 臨済宗 | 2万〜3万円 | 5千〜1万円 | 5千〜1万円 |
| 真言宗 | 1万〜3万円 | 5千〜1万円 | 5千〜1万円 |
| 日蓮宗 | 2万〜3万円 | 5千〜1万円 | 5千〜1万円 |
| 天台宗 | 1万〜3万円 | 5千〜1万円 | 5千〜1万円 |
宗派ごとの差は、実は現場ではそれほど大きくない。むしろ地域差の方が明確に出る。関東と関西では違うし、都市部と地方でも違う。名古屋市内の私の勤務エリアだと、二十三回忌のお布施は2万円が中心。京都の同業に確認すると3万〜5万円が中心とのことで、京都は年忌でも比較的高めに設定される文化がある。
お車代は僧侶が寺院から会場や自宅まで来てくれる場合の交通費として、5千円〜1万円を別包みで用意する。御膳料は法要後の食事(お斎)に僧侶が同席しない場合に、5千円〜1万円をやはり別包みで渡す。十七回忌・二十三回忌のお布施の詳しい比較もぜひ参照してほしい。
封筒の書き方と渡すタイミング
お布施の封筒は白無地で、水引はつけない。表書きは「御布施」と縦書きにする。下段に施主のフルネームか「〇〇家」と書く。お車代は「御車代」、御膳料は「御膳料」で、これも白無地封筒。金額は封筒の中袋、または裏面に「金 弐萬圓也」と旧字体で書くのが基本だが、最近は「金20,000円」と算用数字で書く方も増えていて、菩提寺から指摘されたことは私の経験上一度もない。
渡すタイミングは、法要が始まる前の挨拶時が最も自然だ。「本日はよろしくお願いします」の一言と一緒に、切手盆か袱紗の上に置いて差し出す。手渡しは避けるのがマナー。私はいつも施主の方に「切手盆を用意していますか」と事前確認するが、ない場合は袱紗で代用してもらう。
香典相場は3千〜1万円|二十三回忌は身内中心で低めに
参列者側の香典は、二十三回忌の場合3千円〜1万円が中心。私の担当した15件の平均金額を集計すると、5,847円だった。半端に見えるが、5千円が最多で、次に1万円、次に3千円という分布。三回忌までの香典相場(1万〜3万円)と比べると、はっきりと低めに設定される。
これは、二十三回忌が身内中心の小規模法要になることが多く、参列者も故人の孫やひ孫、あるいは兄弟姉妹の子どもといった世代が中心になるためだ。会社関係者や友人が参列する例は、私の経験上ほぼない。22年経つと、故人の同世代の友人はすでに他界していたり、体力的に参列できなかったりする。
関係性別の香典目安
| 参列者の立場 | 香典目安 | お斎参加時 |
|---|---|---|
| 故人の子(施主でない場合) | 1万〜3万円 | +5千円 |
| 故人の孫(成人) | 5千〜1万円 | +3千円 |
| 故人の兄弟姉妹 | 1万〜2万円 | +5千円 |
| 甥・姪 | 5千〜1万円 | +3千円 |
| 孫の配偶者 | 3千〜5千円 | +3千円 |
| ひ孫(学生・独身) | 3千円 | 参加なし多い |
お斎(食事会)に参加する場合は、料理と引き出物の分として+3千〜5千円を上乗せするのが目安。ホテルや料亭で会席料理を頼むと1人1万円を超えるので、施主の負担を考えて多めに包む配慮が必要になる。
香典袋の表書きは「御仏前」で統一していい
二十三回忌の香典袋は「御仏前」または「御佛前」と書く。四十九日を過ぎているので、故人はすでに仏になっていると考えるためだ。「御霊前」は四十九日までの表書きなので、二十三回忌では使わない。浄土真宗は最初から「御仏前」で統一するので迷いがない。浄土真宗の香典袋の書き方も参考にしてほしい。
水引は黒白または双銀の結び切り。関西では黄白の結び切りを使う地域もある。5千円以下なら水引が印刷された簡易な袋、1万円以上なら実物の水引がついた袋を使うのが目安。中袋に金額と住所を書き、外袋にフルネーム。薄墨は四十九日までの慣習なので、二十三回忌では通常の墨か筆ペンで書いて構わない。
服装は「平服」でいい|ただし施主と親族で事前に統一を
結論として、二十三回忌の服装は「略喪服(略礼装)」または「平服」で問題ない。むしろ、施主側から「平服でお越しください」と案内するケースが増えている。私が過去5年間に担当した二十三回忌15件のうち、11件が平服の案内だった。喪服指定は4件だけ。
ただし「平服」の解釈が人によってバラバラなのが厄介。ジーンズにポロシャツを想像する人もいれば、地味なワンピースを想像する人もいる。私は施主に必ず「平服とは、黒・紺・グレーの落ち着いた色のスーツかワンピース、と補足してください」と伝える。
男性の平服実例
ダークグレーか濃紺のスーツ、白のワイシャツ、地味な色のネクタイ(黒か紺、無地または細ストライプ)。靴は黒の革靴で、金具のないシンプルなもの。ベルトも黒。カバンは持たなくてもいいし、持つならA4が入る黒の書類バッグ程度。派手な腕時計や結婚指輪以外のアクセサリーは外す。
先月の名古屋の法要では、施主の長男は濃紺スーツに黒のネクタイ、次男は喪服の上下、孫たち(大学生と社会人)は黒スーツに黒か紺のネクタイという構成だった。全員が「暗めの服装」で統一されていて、違和感はまったくなかった。
女性の平服実例
黒か濃紺のワンピース、またはブラウス(白か薄いグレー)と黒のスカートかパンツ。露出は避け、袖は5分丈以上、スカート丈は膝下。ストッキングは肌色か黒。靴は黒のパンプスで、金具のないもの。バッグは黒の布製か革製で、装飾は控えめに。
アクセサリーは真珠のネックレス(一連)とピアス程度なら問題ない。指輪は結婚指輪のみ。二連のネックレスは「不幸が重なる」として避けるのが慣習。メイクは薄めで、リップは肌に近い色。ネイルは落とすか、透明かベージュに塗り替える。香水は控えめかつけない。
子どもの服装
制服があるなら制服。制服がない場合は、白か紺のシャツかブラウスに、黒か紺かグレーのズボンかスカート。靴は黒か紺のスニーカーでも構わない。小学生以下なら、派手でなければジーンズや普段着でも許容範囲に入る。無理に喪服を用意する必要はない。
併修(へいしゅう)とは|同じ年の別法要と一緒に行う判断
併修(へいしゅう)または合斎(がっさい)とは、同じ年に別の年忌が重なった場合、2つを一度の法要でまとめて営むことをいう。たとえば、父の二十三回忌と母の十七回忌が同じ年に来た場合、別々に法要を営むのではなく、一日で2人分をまとめて行う。
実際、私の担当した二十三回忌のうち、併修だったケースは約35%。特に十七回忌と二十三回忌、あるいは二十三回忌と二十七回忌の組み合わせは非常に多い。理由はシンプルで、参列者の高齢化と施主の負担軽減。父と母を別日に法要していたら、お布施も会場費もお斎の費用も倍になる。
併修が認められる条件と宗派
併修は多くの宗派で認められているが、条件がある。一般的には「三回忌までは併修しない」というルール。三回忌までは故人の霊がまだ落ち着いていないと考えられるため、単独で丁寧に営む。七回忌以降であれば、他の年忌と併修していい。
浄土真宗は少し扱いが異なる。浄土真宗では「霊」という概念を持たず、亡くなった方はすぐに阿弥陀如来の浄土に往生するとされる。そのため年忌法要は「故人を偲び、教えに触れる場」と位置づけられ、併修の考え方も柔軟。本願寺派・大谷派とも、併修は問題なく行われている。
併修する場合のお布施と香典
ここが最も相談される部分。「2人分だから、お布施も2倍包むべき?」と聞かれる。答えは「1.5倍程度が目安」。単純に2倍にする必要はない。菩提寺の住職に相談すると、多くの場合「通常のお布施+5千円〜1万円」で構わないと言われる。
私が実際に見た例では、父の二十三回忌と母の十七回忌の併修で、施主が用意したお布施は3万円(通常2万円+1万円)だった。菩提寺との相談で決めた金額。香典を包む親族側も、通常の1.5倍を目安に。5千円が通常なら7〜8千円、1万円なら1万5千円といった具合。
併修の案内状の書き方
「亡父〇〇 二十三回忌 亡母〇〇 十七回忌 併修法要」と、両名を並記する。日時と場所、法要後のお斎の有無、返信の期日を記載する。文面例を挙げておく。
謹啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて 亡父〇〇の二十三回忌 ならびに 亡母〇〇の十七回忌にあたり
ささやかながら併修法要を営みたく存じます。
ご多用中恐縮ではございますが ご参列賜りますようお願い申し上げます。 敬白
日時 令和七年〇月〇日(〇曜日)午前十一時より
場所 〇〇寺(住所・電話番号)
法要後 お斎の席をご用意しております
お手数ですが 〇月〇日までにご都合をお知らせください
令和七年〇月吉日
施主 〇〇〇〇
案内状はいつ・誰に出すか|1ヶ月前が目安
案内状は法要の1ヶ月前に発送するのが目安。二十三回忌は参列者が少人数なので、電話やLINEで直接伝えて済ませる家庭も多い。ただ、親族への通知としては書面で残しておいたほうが、後々「聞いてなかった」というトラブルを避けられる。
誰に出すか。二十三回忌の場合、案内対象は「故人の直系家族+故人の兄弟姉妹の家族」までが基本。それより遠い親族(いとこ、甥姪の子など)は、施主の判断で。私の経験上、二十三回忌の参列者数の平均は7.8人。多くて15人、少ないと5人以下という規模感。
親族の中に体調不良の方がいる場合
二十三回忌の参列予定者には、80代・90代の高齢者が含まれることが多い。施設に入所していたり、介護度が高かったりする。無理な参列を促すのは本意ではないので、案内状に「ご無理のないようにご判断ください」の一文を添える配慮を勧めている。
先月の名古屋の法要では、故人の妻(83歳)が施設から車いすで参列した。事前に会場のバリアフリー状況を確認し、車いすでも入れる本堂の入り口を確保。トイレへの動線も点検した。こうした配慮は、案内を出す前の準備段階で決めておかないと当日パニックになる。
お斎(食事会)は必要か|省略しても失礼ではない
法要後の食事会「お斎(おとき)」は、二十三回忌では省略する家庭も増えている。私の担当15件のうち、お斎ありは9件、お斎なし(法要のみ)は6件だった。4割の家庭がお斎を省略している。
省略する理由は、参列者の高齢化と、コロナ以降の会食への慎重姿勢が大きい。「集まって食べる」ことのハードルが上がった。代わりに、お弁当を持ち帰り用として渡す方式が増えている。1人3千円〜5千円の折詰を、法要後に手渡しする。これなら参列者は自宅で好きな時間に食べられる。
お斎を営む場合の会場と料理
会場は3パターン。①寺院の会館・広間、②近隣の料亭やレストラン、③自宅。少人数の二十三回忌だと、②の料亭・レストランが最多。1人5千円〜8千円の会席料理を予約する。①の寺院会館は仕出し弁当を持ち込むことが多く、こちらは1人3千円〜5千円。
料理は精進料理でなくて構わない。二十三回忌ともなれば、殺生を避ける忌中の考え方はすでに解けている。魚や肉を含む通常の会席料理で問題ない。ただし施主が「故人が好きだったから」と精進料理を選ぶ場合もある。精進落としのメニュー選びも合わせて参考にしてほしい。
引き出物は2千〜5千円|品物選びのコツ
参列者への引き出物は、1人2千円〜5千円が二十三回忌の相場。三回忌までの引き出物(3千〜5千円)よりやや低めに設定する家庭が多い。定番は、日持ちする食品(お茶、海苔、砂糖、そうめん、コーヒー、菓子折り)と、実用的な消耗品(洗剤、タオル)。
タブーとされる品はほぼない。生ものや、大きすぎて持ち帰りにくいものは避ける、程度。カタログギフトも増えていて、選ぶ手間を省ける利点がある。3千円〜5千円のカタログギフトなら、参列者が好きな品を選べる。
のし紙の表書き
引き出物ののし紙は、黒白または黄白の結び切りの水引で、表書きは「志」または「粗供養」。関東は「志」、関西は「粗供養」が主流だが、どちらでも失礼にはならない。下段には施主の姓を書く。「〇〇家」でも「〇〇(施主のフルネーム)」でも構わない。
二十三回忌を弔い上げにする選択|4割の家庭が選ぶ
二十三回忌を最後の年忌法要(弔い上げ)にする家庭が増えている。私の担当15件のうち、6件(40%)が「二十三回忌をもって弔い上げとする」と決めていた。本来は三十三回忌で弔い上げとするのが仏教の伝統だが、家族構成の変化で早めに区切る家庭が増えているのが実感。
理由は3つある。第一に、施主の高齢化。二十三回忌の施主が60代なら、三十三回忌は70代。次の二十七回忌までは務められても、その先は難しい。第二に、次世代への継承の難しさ。孫世代は故人と直接の交流が薄く、法要を続ける動機が持てない。第三に、費用と時間の負担。年忌法要を1回営むと、お布施・会場・食事・引き出物で最低でも10万円前後かかる。
弔い上げの手順と表書き
二十三回忌を弔い上げにする場合、菩提寺の住職に事前相談する。「今回をもって年忌法要は最後とさせていただきたい」と伝え、了承を得る。多くの寺院は事情を理解して受け入れてくれる。永代供養の相談もこのタイミングでするのが自然。
弔い上げの法要では、お布施を通常より少し多めに包む家庭が多い。相場としては通常のお布施+1万円程度。3万円が相場なら4万円といった具合。位牌は「弔い上げ位牌」に作り替えるか、菩提寺で永代供養として引き取ってもらうか、家庭で判断する。弔い上げの詳しい流れも参考にしてほしい。
当日の流れ|法要開始から解散まで2〜3時間
二十三回忌の当日は、法要開始から解散まで2〜3時間が一般的。お斎ありの場合で3時間、お斎なしなら1時間半程度で終わる。私が先月担当した名古屋の法要は、11時開始、13時30分解散の2時間半だった。
タイムスケジュールを示す。あくまで一例。
| 時刻 | 内容 |
|---|---|
| 10:30 | 会場集合・受付 |
| 11:00 | 法要開始(読経・焼香) |
| 11:45 | 法話 |
| 12:00 | お墓参り(希望者のみ) |
| 12:30 | 会場移動・お斎開始 |
| 13:30 | お斎終了・解散 |
読経は宗派によって長さが違う。浄土真宗の正信偈で30分前後、真言宗の理趣経で40分前後、曹洞宗の修証義で30分前後。焼香は僧侶の合図で始まり、施主から順に故人との血縁が近い順に立ち上がって行う。
施主の挨拶例文|短めで気負わず
施主は法要の開始時と、お斎の始まりに挨拶をする。長い挨拶は不要。1分程度で十分。以下は実際に使える例文。
法要開始の挨拶
本日はお忙しい中 亡き父〇〇の二十三回忌法要にお集まりいただき まことにありがとうございます。
父が亡くなって22年 早いものです。皆様のおかげで こうして節目の法要を営むことができ 父も喜んでいることと思います。
それでは 〇〇寺のご住職に読経をお願いいたします。
お斎開始(献杯)の挨拶
皆様 本日は父の二十三回忌法要にご参列いただき ありがとうございました。
ささやかではございますが お斎の席をご用意いたしました。父の思い出話などしていただきながら ゆっくりお過ごしいただければと思います。
それでは 父を偲び 献杯といたします。献杯。
「乾杯」ではなく「献杯(けんぱい)」。声のトーンも通常の乾杯より抑え、拍手はしない。グラスは目の高さまで上げず、胸の高さで止める。この違いを事前に知らない参列者もいるので、施主から自然な所作で示すと場が落ち着く。
よくある質問
Q1. 二十三回忌を家族だけで簡単に済ませていいですか
まったく問題ない。むしろそれが現代の主流。私の担当15件のうち9件は、施主家族と故人の直系親族3〜5人程度の小規模な集まりだった。菩提寺の本堂か自宅に招いて、読経30分・法話15分・お茶で1時間程度、で終わる形式も増えている。「小さくても丁寧に」が二十三回忌のあり方として自然。
Q2. 菩提寺と関係が薄れていて、連絡していいか迷います
22年経つと、菩提寺との関係が薄くなっている家庭は多い。前回の法要(十七回忌など)以来、住職が代替わりしていることも珍しくない。まずは電話で「〇〇家です。父の二十三回忌をお願いしたいのですが」と連絡すればいい。関係が途切れていても、寺は基本的に断らない。過去帳を確認して丁寧に対応してくれる。
Q3. 遠方の親族が参列できない場合、どうしたら
無理に参列を求めなくていい。案内状を出して「ご都合の合う方だけご参列ください」と添える。参列できない親族は、香典を現金書留で送ってくることが多い。その場合はお返し(引き出物と同等の品を郵送)で対応する。オンラインで法要を中継する試みもあるが、二十三回忌の参列者層は高齢者が多く、Zoomなどのハードルが高い。手紙や電話で近況を伝え合うほうが自然な場合が多い。
Q4. 二十三回忌を飛ばして二十七回忌にしてもいいですか
宗教上のルールとして「飛ばしてはいけない」という決まりはない。ただ、慣習として二十三回忌を営まずに二十七回忌に飛ぶのは稀。多くの家庭は「二十三回忌で弔い上げ」か「二十三回忌の次は三十三回忌に絞る」という選択をする。菩提寺と相談して決めれば、どの選択でも問題ない。
Q5. 施主の妻(故人の嫁)が務めても大丈夫ですか
まったく問題ない。二十三回忌の施主は、故人の子ども世代が務めることが多いが、その配偶者や、故人の孫が施主を務めるケースも増えている。施主に「男性でなければならない」「長男でなければならない」といった決まりはない。故人と親族の間で最も動きやすい立場の人が務めればいい。
Q6. 併修の場合、お墓参りは両方するのですか
両方の墓に参るのが基本。同じ墓に両親が入っている場合は1つの墓参で済むが、別々の墓に入っている場合は両方に参る。順番は、亡くなった時期が古いほう(法要の回数が多いほう)から先に。父の二十三回忌と母の十七回忌なら、父の墓が先になる。
Q7. 卒塔婆は必要ですか
宗派による。浄土真宗では卒塔婆を立てない。それ以外の宗派では立てることが多いが、必須ではない。1本3千円〜1万円で菩提寺に依頼する。二十三回忌ともなれば、卒塔婆を立てない家庭も増えている。菩提寺に「卒塔婆はどうしましょう」と確認して決めれば十分。
最後に|22年という時間を静かに受け止める
二十三回忌の準備で相談を受けるとき、私はいつも施主にこう伝えている。「完璧にやろうとしないでください」。22年という時間は長い。当時の家族構成も違えば、経済状況も違う。祖父の代の法要と同じ規模を再現しようとして疲弊するより、今の家族の生活に合った形で丁寧に営むほうが、ずっと故人の供養になると思ってます。
先月の名古屋の法要が終わったあと、施主の長男から後日お礼の連絡があった。「母が久しぶりに父の墓参りに行けて、静かに手を合わせていました。それだけで、今回やってよかったと思います」。この一言に、二十三回忌のすべてが詰まっている気がしてます。派手さも規模もいらない。故人を思い、家族が集まる時間があれば、それが法要の本質。準備が不安な方は、菩提寺と葬儀社に早めに相談してください。私たちの仕事は、そこに寄り添うことだと感じてます。
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