こんにちは。葬祭業界で働き始めて十数年、プライベートでは一人の子供を育てる母でもある筆者です。40代に入り、この仕事の奥深さと、ご遺族という「クライアント」に貢献できる喜びをますます強く感じています。
「葬儀のバイトって時給がいいけど、やっぱり怖いの?」「きついって聞くけど、実際はどうなの?」
友人や知人からそんな風に聞かれることがよくあります。確かに、葬儀スタッフの時給は一般的な飲食や小売のアルバイトに比べて高く設定されています。しかし、それは決して「嫌な仕事だから」という理由だけではありません。私たちがご案内しているのは、単なる設営や配膳といったサービスではなく、大切な方を亡くされたご遺族の不安や混乱を解消する「解決方法」そのものだからです。
今回は、2026年現在の時給相場から、プロの視点で見た業務の本質まで、誠実にお伝えしていきたいと思います。
1. 葬儀スタッフ(派遣・バイト)の最新時給相場
まずは気になるお金のお話から。地域や業務内容によって差はありますが、2026年現在の日本における一般的な相場は以下の通りです。
| 地域・区分 | 平均時給相場 | 備考 |
|---|---|---|
| 首都圏(東京・神奈川など) | 1,400円 ~ 1,800円 | 派遣の場合、1,500円超も珍しくありません |
| 地方都市 | 1,200円 ~ 1,400円 | 最低賃金の上昇に伴い底上げ傾向 |
| 深夜・早朝対応(搬送等) | 1,500円 ~ 2,200円 | 25%〜50%の割増賃金が適用 |
一般的な接客業の時給が1,100円〜1,200円程度であることを考えると、葬儀スタッフの時給は約2割〜4割ほど高く設定されていることがわかります。特に派遣会社を通じた専門スタッフの場合、高いホスピタリティが求められるため、時給1,600円以上の高案件も多く存在します。
2. なぜ「高時給」なのか?そこにある3つの真実
「時給が高いのは、それだけ特殊な仕事だから」――その通りですが、具体的にどのような価値に対してお支払いがされているのか、プロの立場から解説します。
① 高度な接遇マナーと「解決力」の対価
葬儀の場では、一度の失礼が取り返しのつかないことになります。言葉遣い、立ち居振る舞い、そして何より「悲しみの中にいるご遺族が何を求めているか」を察する力が必要です。私たちは単にお茶を出すのではありません。「この人に任せれば安心だ」という心の平穏を提供しています。この専門性が時給に反映されています。
② 突発的なスケジュールと柔軟性
人の死は予測できません。そのため、葬儀の仕事は「明日急に入ってほしい」といった依頼や、逆に予定されていた式が変更になることもあります。このフレキシブルな対応力と、24時間365日誰かが支えなければならない業界構造が、給与水準を押し上げています。
③ 精神的・肉体的な自己管理能力
後述しますが、式場の設営には重い物品の運搬も含まれます。また、悲しみの場に立ち会い続けるには、自分自身のメンタルを健全に保つプロ意識が必要です。誰にでもできるわけではない「自己規律」への報酬と言えるでしょう。
3. 「きつい」と言われる業務内容のリアル
「葬儀屋はきつい」というイメージを抱く方は多いですよね。ベテランの私から見ても、確かに楽な仕事ではありません。しかし、その「きつさ」の中身を知れば、対策や心構えも見えてきます。
体力面:意外と「ガテン系」な一面も
- 式場の設営・撤去: 大きな祭壇のパーツを運んだり、何十脚もの椅子をミリ単位で整列させたりします。式の間は凛としていますが、その前後はかなり汗を流す作業です。
- 長時間の立ち仕事: 式の間、スタッフは常に周囲に気を配りながら立ち続けます。足腰への負担は少なくありません。
精神面:感情のコントロールが不可欠
- やり直しのきかない緊張感: 名前を間違える、進行を止める、といったミスは許されません。常に100点満点のパフォーマンスが求められるプレッシャーがあります。
- ご遺族の深い悲しみへの共感: あまりにも悲しい場面に遭遇した際、感情移入しすぎてしまうと仕事になりません。寄り添いながらも、冷静にプロとしての役割を全うするバランス感覚が必要です。
環境面:不規則な時間帯
- 特にご遺体の搬送スタッフや夜勤担当の場合、深夜の呼び出しがあります。子育て中の私にとってはここが一番のハードルでしたが、現在は日中の式典サポートをメインにすることで、ライフスタイルに合わせた働き方をしています。
4. 私たちが提供しているのは「解決方法」であるという誇り
私は、自分自身の仕事を「葬儀を手伝う人」だとは思っていません。大切な人を亡くし、どうしていいか分からず途方に暮れているクライアント(ご遺族)に対し、「最期の時間を尊厳あるものにするための解決策」を提示する専門家だと自負しています。
「あなたがいてくれて、落ち着いてお別れができました。ありがとう」
この言葉をいただいたとき、この仕事の「きつさ」はすべて「やりがい」に変わります。ご遺族が前を向いて歩き出すための第一歩をお手伝いすること。それは、他のどんな仕事でも味わえないほど誠実で、尊い貢献だと感じています。
5. 葬儀スタッフとして活躍できる人の特徴
もしあなたが、この仕事に興味を持っているなら、以下の要素があるかどうか自分に問いかけてみてください。
- 「聞く力」がある人: ご遺族は言葉にできない不安を抱えています。それを察し、静かに寄り添える方は非常に重宝されます。
- マナーを学びたいという意欲がある人: 正しい敬語や作法は、一生モノの財産になります。
- 誰かの役に立ちたいという純粋な気持ち: 効率や利益だけを求めるのではなく、「目の前の人のために何ができるか」を考えられる人こそ、この業界のプロになれます。
まとめ:誠実さが価値になる仕事
葬儀スタッフの派遣・バイトは、確かに時給相場が高い仕事です。しかし、それは「きついから」という消去法的な理由ではなく、「高い専門性と深い人間性が求められる解決策」だからです。
40代の私が見てきた中で、長く続いているスタッフは皆、クライアントであるご遺族を心から大切に想い、誠実に向き合っている人ばかりです。もしあなたが、人の心に触れる仕事に挑戦したいと考えているなら、これほど誇りを持てる仕事は他にありません。



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