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お葬式の髪型マナー|ロングヘアのまとめ方・髪色・男性の整髪料のOK/NGライン

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鏡の前で髪を低い位置でまとめる女性の手元 葬儀の基礎知識・用語集
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通夜の受付に立っていると、参列者の方の髪型が一番先に目に入ります。スーツや喪服はだいたい無難に整っているのに、髪だけが浮いている。そんな場面を年に何度も見てきました。とくに多いのが、ロングヘアを下ろしたままの女性、明るい茶髪のままの若い社会人、ワックスでツヤツヤに固めた男性の三パターンです。

ご本人に悪気はないんです。「黒い服を着ていけばいい」と思って慌てて駆けつけてくださっているのもよく分かります。ただ、ご遺族の隣に立ったとき、髪型ひとつで全体の印象がぐっと変わってしまう。これは現場で何度も実感してきた事実です。

この記事では、明日の通夜・告別式に間に合うように、ロングヘアのまとめ方の正解、許される髪色のトーン、男性の整髪料のOK/NGラインを具体的に書きます。マニュアル本にはなかなか載っていない「現場の境界線」を、葬祭ディレクター20年の目線でお伝えします。

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葬儀の髪型マナーの大原則は「お辞儀したとき乱れない」

細かいルールを覚える前に、判断軸を一つだけ持っておくと迷わなくなります。それは「焼香で深くお辞儀したときに、髪が顔にかからないか」「合掌の手元に髪が落ちてこないか」という基準です。

葬儀は何度もお辞儀をする儀式です。受付で一礼、ご遺族に一礼、焼香台の前で一礼、僧侶に一礼、ご遺影に一礼。その都度、髪が顔の前にバサッと落ちてきて、手で耳にかけ直す。これを繰り返すと、ご本人も周囲も落ち着かなくなります。とくに焼香の所作中に髪が抹香に触れそうになる場面は、本当に気まずいんです。

もう一つの基準が「華やかさを足さない」こと。お葬式は故人を悼む場所であって、自分の魅力を演出する場所ではありません。巻き髪のリッジ、ハーフアップのリボン、編み込みのアレンジ。普段なら素敵でも、ここでは引き算が正解です。

迷ったときの判断フロー

朝、鏡の前で5秒だけ確認してください。前髪が目にかかっていないか。サイドの髪が顔の輪郭を隠していないか。後ろの髪が肩より下に流れていないか。この三つだけクリアしていれば、9割の葬儀は問題なく参列できます。

ちなみに服装全般で迷ったら、ユニクロで揃える喪服の選び方も合わせて確認しておくと、髪型と服装のトータルバランスが取りやすくなります。

ロングヘアのまとめ方|お団子の「正しい位置」がすべてを決める

ロングヘア、つまり肩より下に髪が来る長さの方は、必ずまとめてください。下ろしたままはNGです。理由は前述の「お辞儀で乱れる」だけでなく、もう一つあります。ロングヘアを下ろしていると、見た目の印象が「華やか」「若々しい」方向に寄ってしまうんです。喪の場では避けたい印象です。

お団子は「耳より下」が鉄則

まとめる位置は、必ず耳より下です。具体的には、耳の後ろから後頭部の下半分のエリアにお団子を作ります。位置の目安は「うなじが少し見える高さ」。これより上、つまり頭頂部に近い位置で結ぶと、いわゆる「ポニーテール」「高めお団子」になり、カジュアルで元気な印象になります。お祝いの席にはいいんですが、お葬式では浮きます。

うちの葬儀社の女性スタッフ研修でも、最初に教えるのが「黒ゴム一本、低い位置で一つ結び」です。シニヨンネット(黒い網状の袋)でまとめると、さらに崩れず上品に見えます。ドラッグストアや100円ショップでも買えるので、ロングヘアの方は一つ持っておくと安心です。

ヘアアクセサリーは「黒・布製・装飾なし」

髪を留めるゴムやピンの色は、必ず黒です。茶色や紺は微妙、明るい色は完全にNGです。シュシュを使うなら、黒の布製でフリルや光沢のないもの。バレッタはマット仕上げの黒で、装飾なしのものに限ります。

パールのバレッタやリボン付きのヘアゴムは、結婚式やパーティ用です。一見地味でも、光が当たると意外に目立ちます。会場の照明はろうそくやスポットライトで予想以上に反射しますから、光るものは持ち込まない、これが鉄則です。

後れ毛・前髪の処理

「あえての後れ毛」は不要です。普段のヘアアレンジでは色っぽさを出すために後れ毛を残しますが、葬儀ではすべてピンで留めます。サイドの毛束を耳の後ろに流して、黒のアメピンでしっかり固定。これだけで印象が引き締まります。

前髪が長くて目にかかる方は、横に流してピン留めするか、軽くハードスプレーで固定します。ぱっつん前髪はそのままでOKですが、お辞儀で揺れて目に刺さるようなら、サイドに流す処理を入れてください。

髪の長さ推奨スタイルNG例
ショート(耳上)そのまま、耳にかける派手な内巻きカール
ボブ(あご~肩)耳にかける、ハーフアップで低め外ハネ、ふんわり巻き
セミロング(肩下)低い位置で一つ結び下ろしっぱなし、巻き髪
ロング(胸下)低い位置のお団子、シニヨン高めポニーテール、編み込み
スーパーロングシニヨンネット使用が安心三つ編みを垂らす

髪色のOK/NGライン|何トーンまで許される?

髪色の質問は、現場で本当に多いです。「茶髪なんですけど、染め直した方がいいですか」と通夜の朝に電話がかかってくることも珍しくありません。結論から言うと、目安は「7トーン以下」です。

7トーンが境界線になる理由

美容室のカラーチャートで言う7トーンは、日本人の地毛より少し明るい程度のダークブラウンです。屋内の照明では、ほぼ黒に見えます。8トーン以上になると、自然光のもとで「あ、染めてるな」と分かる明るさになり、9トーン以上は完全に茶髪です。

7トーン以下なら基本的にそのままで参列して大丈夫。8トーンも、低い位置でまとめれば許容範囲です。9トーン以上、つまり明らかに茶色いと分かるレベルなら、対処を考えた方がいいです。

明るい髪色の応急処置

急ぎで暗くしたいときの選択肢は三つあります。一つ目が「黒髪スプレー」。ドラッグストアで800円前後で売っている一時着色スプレーで、シャンプーで落ちます。ただし白い襟やマフラーに付くと汚れるので注意が必要です。

二つ目が「ヘアマスカラ」。前髪や顔まわりだけ部分的に暗くしたいときに便利です。三つ目が「美容室で染め直す」。時間に余裕があるなら、これが一番自然で確実です。1週間で抜ける一時染めもあるので、美容師さんに「葬儀用」と伝えれば対応してもらえます。

インナーカラー・ハイライトの扱い

最近多いのが、インナーカラーやハイライトを入れている方です。表面は暗いけど、耳の後ろやインナー部分だけ金髪・赤・青、というケース。これはまとめ方で隠せます。低い位置のお団子にしてインナーを巻き込んでしまうか、シニヨンネットで覆ってしまえば、見えません。

ハイライトの場合は、表面の地毛と混ぜながらまとめることで、目立ちにくくなります。完全に隠せない場合でも、ご遺族が気にされないことがほとんどです。あくまで「華美に見せない努力」をしている姿勢が大事だと感じてます。

男性の整髪料のOK/NGライン|ツヤと香りに注意

男性の髪型で一番見られているのが、整髪料の使い方です。意外と気づかれていませんが、ご遺族や年配の参列者は「ツヤツヤしすぎ」「香りが強すぎる」を非常に敏感に察知します。

グリース・ジェルは原則NG

強い光沢が出るグリース、ジェル、ポマードは葬儀では避けてください。理由はシンプルで、照明が当たったときに頭がテカテカ光って見えるからです。バーバースタイルのオールバックも、結婚式や仕事のプレゼンには映えますが、お葬式では浮きます。

代わりに使ってほしいのが、マットタイプのワックスかクリーム系の整髪料です。「ツヤなし」「セット力ふつう」と書かれているものを選べば失敗しません。前髪が下ろせて、ふんわり自然にまとまる程度のセットが理想です。

香りつき整髪料の落とし穴

もう一つ盲点なのが香りです。最近のワックスやヘアフレグランスは、フルーティーで甘い香り、爽やかなシトラス系など、しっかり香るものが多いです。これが葬儀会場では本当に浮きます。

葬儀の場は線香や生花の香りが満ちている空間です。そこに甘い香水や強い整髪料の香りが混じると、すぐに気づかれます。「香水はNG」と知っていても、整髪料の香りまでは意識していない方が多い。無香料、もしくは微香タイプの整髪料を選んでください。

髪型のスタイル別ガイド

ビジネスマンの方なら、普段の七三分けやサイドパートでまったく問題ありません。むしろ「いつもより少しおとなしめ」を意識すればOK。ツーブロックも、サイドが極端に短く刈り上げられていなければ大丈夫です。

気をつけたいのが、トップを立ち上げる系のヘアスタイル。アシメ、ソフトモヒカン、強めのパーマは、普段は格好良くてもお葬式では落ち着かせた方が無難です。当日だけでも、ワックスを少なめにして、前髪を下ろし気味にセットすると印象が和らぎます。

子どもの髪型はどこまで気をつける?

お子さんを連れて参列される方からの質問も多いので、触れておきます。基本的に、子どもの髪型はそこまで厳格に考えなくて大丈夫です。ご遺族も「子どもまで」とは思っていません。

ただ、最低限のラインは押さえておきたい。女の子の場合、ロングヘアなら一つ結びか二つ結びでまとめてあげてください。リボンやキラキラした飾りピンは外して、黒や紺の地味なゴムで結ぶこと。お団子にする必要まではありません。

男の子は普段通りでOKですが、前髪が目にかかるほど長ければ、当日朝に軽く整える程度で十分です。ワックスは無香料の子ども用なら使っても問題ありません。子どもの参列マナーは服装も含めて気になる方が多いので、葬儀の靴マナー(子ども編もあり)も合わせて確認しておくと、当日慌てずに済みます。

通夜と告別式で髪型を変える必要はある?

結論、変えなくて大丈夫です。通夜と告別式で髪型のマナーレベルが違うわけではありません。両方とも「低い位置でまとめる」「華やかにしない」「光るものは付けない」が共通ルールです。

強いて言えば、通夜は「急いで駆けつけた」というニュアンスが許容されるので、多少ラフでも問題視されにくい。一方、告別式は正式な儀式なので、より丁寧に整えた方がいい。とはいえ、髪型自体は同じスタイルで通して問題ありません。

気をつけたいのは、通夜振る舞いや告別式の精進落としで、長時間会場にいるとお団子が崩れてくることです。ヘアピンを2、3本ポーチに入れておいて、トイレで一度直すと安心です。精進落としの席では会食が長引きますから、一度髪を整える時間を取った方が落ち着いて過ごせます。

家族葬・直葬の場合はどこまで緩めていい?

家族葬や直葬が増えたことで、「身内だけだから髪型もカジュアルでいい?」という相談が増えました。これは半分正解、半分違います。

確かに、家族葬は親族と親しい友人だけの小規模な式なので、一般葬よりは雰囲気が柔らかい。とはいえ、故人を送る場であることに変わりはありません。基本のマナー(まとめる、暗い色、装飾なし)は守ってください。

緩めていいのは、たとえば「お団子の位置がちょっと高くなっても誰も気にしない」「黒以外のダークブラウンのピンを使っても問題ない」というレベル感です。ロングヘアを下ろしっぱなしや、明るい茶髪をそのまま、というのは家族葬でも避けたほうが無難です。直葬・火葬式の流れを確認してみると分かりますが、たとえ僧侶を呼ばない直葬でも、火葬場では合掌や一礼の場面があります。髪型はやはり整えておきたいです。

急な訃報で美容室に行けない時の応急処置

訃報は突然です。当日朝に連絡が来て、その日の夜には通夜、ということも珍しくありません。美容室に行く時間がないとき、自宅でできる応急処置を整理します。

  • 黒髪スプレー:ドラッグストアで購入可、シャンプーで落ちる
  • シニヨンネット:100円ショップでも入手可、ロングをまとめるのに便利
  • 無香料スタイリング剤:男性は香りなしのワックスかクリームを選ぶ
  • 黒のアメピン:後れ毛や前髪を留める必需品
  • ハードスプレー:仕上げに軽く吹くと一日崩れない

このセットがあれば、ほとんどの状況に対応できます。仕事帰りに直行する場合も、職場のロッカーかバッグにアメピン数本とコンパクトミラーを入れておくと安心です。

美容師さんの予約が取れる場合は、「お葬式用です」と一言伝えてください。15分程度の所要時間で、低めのシニヨンを作ってくれます。料金は2000円前後が相場です。ご自身でうまくまとめられない方は、迷わずプロの手を借りた方がいいです。

よくある質問

Q1. パーマがかかっている場合はどうすればいい?

パーマ自体は問題ありません。ふんわりした巻きが気になるなら、霧吹きで濡らしてから低い位置でまとめれば、自然に落ち着きます。強めのスパイラルパーマでも、シニヨンネットで覆えばボリュームを抑えられます。完全にストレートにする必要はないので、安心してください。

Q2. 白髪染めの予約が間に合わず、根元が白い状態で参列することになりました。

気にされる方が多いですが、現場で見ている限り、白髪は失礼にはあたりません。むしろ年齢相応で自然な印象です。どうしても気になる場合は、ヘアマスカラやスプレータイプの白髪隠しを使って、生え際だけカバーすれば十分です。ご遺族はそこまで見ていません。

Q3. お団子が苦手で、不器用でうまく作れません。

低い位置で一つ結びにして、ゴムの上から黒のシュシュやバレッタで覆うだけでも十分です。お団子にする必要はありません。「まとめる」のが目的なので、形よりも「髪が顔の前に落ちてこない」状態が作れていればOKです。

Q4. 男性で坊主頭やスキンヘッドの場合、整髪料は必要?

必要ありません。坊主やスキンヘッドはそのままで全く問題ないですし、むしろ清潔感があってお葬式の場には合います。頭皮にツヤ出しオイルを塗ってテカテカに光らせるのは避けてください。マットな仕上がりが理想です。

Q5. ウィッグやエクステを付けています。外すべきですか?

外す必要はありません。医療用ウィッグの方もいらっしゃいますし、ヘアスタイルの一部として日常的に使われているなら、そのままで構いません。ただし、明るい色のエクステや派手な装飾の付いたウィッグの場合は、できれば暗めのものに替えるか、まとめて目立たなくする工夫をしてください。

Q6. 葬儀社のスタッフから髪型について指摘されることはある?

基本的にありません。私たち葬儀社のスタッフは、参列者の方の身だしなみを指摘する立場ではないからです。ただ、ご遺族から「お孫さんの髪が派手で気になる」とご相談を受けることはまれにあります。心配な方は、出発前にご家族に確認してもらうと安心です。

最後に|髪型は故人への姿勢を映す

髪型のマナーって、結局のところ「故人とご遺族にどれだけ心を寄せているか」が外側に出る部分なんだと思ってます。完璧な正解はありません。でも、低い位置でまとめる、地味な色にする、香りを抑える、この三つを意識するだけで、ぐっと整った印象になります。

20年この仕事をしていて感じるのは、参列者の方が「ちゃんと整えてきてくださった」という空気は、必ずご遺族に伝わるということです。お辞儀の姿勢、髪の落ち着き、香りの控えめさ。そういう一つ一つに、故人への敬意がにじみます。

明日、もしくは数日後に葬儀へ参列される予定がある方へ。鏡の前で5秒、今日の自分を確認してみてください。お辞儀したとき、髪は乱れないか。光るものは付いていないか。香りは抑えられているか。これだけで、当日落ち着いて故人とのお別れに集中できるはずです。

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