葬儀屋は「休みがない」って本当?年間休日や夜勤明けのリアルな過ごし方を現役目線で暴露
「葬儀の仕事に興味はあるけれど、休みがなさそうで不安…」
「24時間365日対応って、いつ寝ているの?」
これから葬儀業界を目指す方にとって、最大の懸念材料は「プライベートの時間が確保できるか」ではないでしょうか。
確かに、人の死は予測できません。いつ電話が鳴るかわからない緊張感はあります。
しかし、結論から言うと「葬儀屋=休みがない」というのは一昔前の話、あるいは一部のブラック企業の話です。
現代の多くの葬儀社では、シフト制を導入し、一般企業と同等以上の休日数を確保しているところも増えています。ただし、その「休み方」はサラリーマンとは全く異なります。
この記事では、求人票には書かれない葬儀業界特有の休日システム、夜勤明けの過ごし方、そして「友引」と休みの関係について、徹底的に解説します。
葬儀屋の年間休日はどれくらい?
まずは数字の面から現実を見てみましょう。
厚生労働省のデータや求人市場の相場を見ると、葬儀社の年間休日は以下のような分布になっています。
葬儀社の年間休日パターン
- ホワイト企業・大手:110日〜120日以上
(月9〜10日休み。完全週休2日制に近い感覚) - 一般的な葬儀社:100日〜105日
(月8日休み。週1〜2日のペース) - ブラックな環境:80日以下
(月6日休み。人手不足で有給も取れない)
最近は働き方改革の影響もあり、年間休日110日以上を掲げる会社が増えています。ただし、土日祝日が休みとは限りません。
「シフト制」という働き方のメリット・デメリット
葬儀社の多くは、1ヶ月単位の「変形労働時間制(シフト制)」を採用しています。
土日休みが固定されている一般企業とは生活リズムが異なりますが、慣れてしまえばメリットも大きい働き方です。
メリット:平日休みが快適
基本的に平日が休みになることが多いため、どこへ出かけても空いています。
- 役所や銀行の手続きに行きやすい
- 人気のお店やテーマパークに行列なしで入れる
- 旅行のホテル代や飛行機代が安い時期を狙える
「人混みが苦手」という方にとっては、むしろ天国のような環境かもしれません。
デメリット:家族・友人と予定が合わない
土日が仕事になることが多いため、子供の学校行事(運動会など)や、土日休みの友人との飲み会に参加しにくくなるのが最大のネックです。
ただし、希望休(公休希望)を出せば、月に数回は土日を休みにできる会社がほとんどです。面接時に「土日の休み希望は通りますか?」と確認することをおすすめします。
葬儀業界特有の「友引休暇」とは?
葬儀業界には、他業種にはない特殊な休日ルールがあります。それが「友引(ともびき)」です。
六曜の「友引」の日は、「友を引く(冥土に連れて行かれる)」という迷信から、葬儀(告別式)を避ける習慣があります。
それに伴い、多くの火葬場が「友引」を定休日にしています。
友引の日は何をしている?
火葬場が休み=告別式ができないため、仕事量がガクンと減ります。
そのため、「友引の日は全社員休み(定休日)」としている葬儀社や、「交代で有給消化に充てる日」としている会社が多いです。
カレンダーを見ると、友引は6日に1回巡ってきます。このリズムが体に馴染むと、「そろそろ友引だから休みだ」とペース配分ができるようになります。
一番気になる「夜勤」と「夜勤明け」のリアル
葬儀屋が「激務」と言われる最大の要因が、この夜勤(当直・宿直)です。
しかし、夜勤のシステムを正しく理解していれば、実は「自由な時間」を多く確保できる働き方でもあります。
夜勤の仕事内容
夕方から翌朝まで会社やホールに待機し、病院からのお迎え要請(搬送依頼)や、電話相談に対応します。
依頼がなければ仮眠室で寝ていてもOKですが、電話が鳴れば即座にスーツに着替えて出動します。
「夜勤明け」は休み?仕事?
ここが重要です。夜勤が終わった翌日の扱いは、会社によって2パターンあります。 パターンA:明け休み(非番)がある会社【推奨】 朝9:00に夜勤が終了したら、その日はもう仕事終了です。
そのまま家に帰って寝てもいいですし、午後から遊びに行くこともできます。
「夜勤入り→夜勤明け→公休」というシフトの場合、実質2.5連休のような感覚で休めます。 パターンB:そのまま残業する会社【要注意】 人手不足の会社や、担当制(一人の客を最後まで担当する)の場合、夜勤明けでもそのまま昼間の葬儀を担当することがあります。
これは体力的にも精神的にも非常にきついです。30時間以上連続勤務…というブラック労働の温床になりがちです。
就職活動の際は、必ず「夜勤の翌日は帰れますか?」とストレートに聞いてください。言葉を濁す会社は避けたほうが無難です。
繁忙期と閑散期:休める時期はいつ?
葬儀の仕事には明確な波があります。一年中忙しいわけではありません。
冬場(12月〜2月):超繁忙期
気温が下がるとお年寄りが体調を崩しやすくなるため、死亡者数が増加します。
この時期は正直なところ、休みが取りにくいです。公休を消化しきれず、休日出勤手当で対応することも増えます。「稼ぎ時」と割り切って働く期間です。
夏場(6月〜9月)など:閑散期
気候が安定している時期は、葬儀の件数が落ち着きます。
ホワイトな葬儀社では、この時期にまとめて有給休暇を取らせたり、リフレッシュ休暇(1週間程度の連休)を推奨したりしています。
「ブラック葬儀社」と「ホワイト葬儀社」の見分け方
「休みをちゃんと取りたい」と考えるなら、求人票や面接で以下のポイントをチェックしてください。
- 年間休日数:最低でも105日、できれば110日以上の記載があるか。
- 夜勤体制:「当直専門スタッフ」や「搬送専門業者」を使っている会社は、ディレクターの負担が少ない傾向にあります。
- 分業制かどうか:「一貫担当制(最初から最後まで一人)」はやりがいはありますが、休みでも電話対応が必要になるケースがあります。「分業制(搬送・打ち合わせ・式進行を分ける)」の会社の方が、休みのオンオフがはっきりしています。
- 社員数:ギリギリの人数で回している小規模な葬儀社は、誰かが風邪を引いただけで休みが消滅します。ある程度規模のある会社の方が休みは安定します。
まとめ:葬儀屋でもプライベートは充実させられる
「葬儀屋は休みがない」というのは、必ずしも真実ではありません。
- 平日休みを活用して、混雑知らずの快適ライフ
- 夜勤明けの時間を趣味や副業に有効活用
- 友引や閑散期にまとめて休む
このように、時間の使い方のコツさえ掴めば、一般的なサラリーマンよりも自由度の高い生活を送っているスタッフはたくさんいます。
大切なのは、自分のライフスタイルに合った会社を選ぶことです。
「24時間365日お客様のために」という精神は素晴らしいですが、それによって自分が壊れてしまっては元も子もありません。
面接では遠慮せず、「休みの実績」や「夜勤明けのルール」について質問してみてください。長く働き続けるためには、自分自身のケアができる環境かどうかが最も重要です。



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