こんにちは。供養専門カウンセラーとして、日々多くのご家族の「大切なお見送り」と「その後の安心」をサポートさせていただいております。
私自身、40代となり一人の子供を育てる親として、また親を見送る日がそう遠くない世代として、以前にも増して「供養」のあり方について深く考えるようになりました。
日々クライアント様と向き合う中で、最も多く、そして最も深い悩みとして寄せられるのが「戒名(かいみょう)」についてです。
「戒名の値段が高すぎて驚いた」「ランクって何?差別なの?」「お寺によって言うことが違う……」
大切な方を亡くされた悲しみの中で、こうした金銭的・制度的な不安を抱えるのは本当にお辛いことだと思います。
私が今日この記事でお伝えしたいのは、単なる「値段のリスト」ではありません。戒名という文化を通じて、いかにご家族が納得し、故人様を誇りを持って送り出せるかという「心の解決策」です。
業界に長く身を置くプロとして、そして皆様と同じ生活者として、2026年現在の最新事情を交えながら誠実にお話しさせていただきます。
1. そもそも「戒名・法名」とは何か?——商品ではなく「解決策」である
金額のお話をする前に、少しだけ前提のお話をさせてください。
多くの方が誤解されていますが、戒名は「死後の名前」ではありません。本来は、仏様の弟子(仏教の教えを守る人)となった証として授かる名前です。
なぜ戒名が必要なのか?
「高いお金を払ってまで必要?」と思われるかもしれません。しかし、私たちがご提案しているのは「名前」そのものではなく、「故人が安らかに旅立つための通行手形」であり、残されたご家族にとっての「安心」です。
仏教の多くの宗派では、亡くなった方は俗世(この世)を離れ、仏様の世界へ導かれるとされています。その際、俗名(生前の名前)のままではなく、仏弟子としての名前を持つことで、迷うことなくあちらの世界へ行けると考えられています。
つまり、戒名を整えることは、故人様にとっても、送る側にとっても、「迷いを断ち切る」という解決策なのです。
「戒名」と「法名」の違い
宗派によって呼び方が異なります。ここを間違えるとトラブルの元になりますので、確認しておきましょう。
- 戒名(かいみょう): 浄土宗、真言宗、曹洞宗、臨済宗などで使用。「戒律(ルール)を守る証」という意味があります。
- 法名(ほうみょう): 浄土真宗で使用。浄土真宗には「戒律」がないため、「仏の法(教え)をいただいた名前」としてこう呼びます。
- 法号(ほうごう): 日蓮宗での呼び方です。
2. 【2026年版】宗派別・戒名の相場とランク一覧表
それでは、具体的な相場についてお話しします。
2026年現在、業界全体として「明朗会計」が進んでいますが、それでもお寺様やお住まいの地域によって差があるのが実情です。ここでは、あくまで一般的な目安(お布施として包む金額)をご紹介します。
※金額は「戒名料」単体ではなく、読経料を含んだ総額として提示される場合もあります。確認が必要です。
| 宗派 | 一般的なランク (信士・信女など) | 高いランク (居士・大姉など) | 最高ランク (院号つき) |
|---|---|---|---|
| 浄土宗 | 30万円〜50万円 | 50万円〜70万円 | 100万円〜 |
| 真言宗・天台宗 | 30万円〜50万円 | 50万円〜80万円 | 100万円〜 |
| 曹洞宗・臨済宗 | 30万円〜50万円 | 50万円〜80万円 | 100万円〜 |
| 浄土真宗 | 10万円〜20万円 (信士・信女にあたる位号はない) | 20万円〜30万円 (院号のない法名) | 50万円〜 (院号法名) |
| 日蓮宗 | 30万円〜 | 40万円〜60万円 (信士・信女) | 100万円〜 (院号) |
この表を見て「高い」と感じられた方もいらっしゃるでしょう。
しかし、これは単なる「名前代」ではありません。お寺を護持し、次の世代へ文化を繋いでいくための「寄付」としての側面も強く持っています。
3. 戒名のランク(構成)が決まる仕組みを理解する
「なぜランクがあるの?」「うちは一番安いのでいいの?」
こうしたご相談もよく受けます。ランクの仕組みを知ることは、納得のいく供養への第一歩です。
戒名は、パズルのようにいくつかのパーツが組み合わさってできています。
① 院号(いんごう)
例:〇〇院
戒名の一番上に付く、最も格式高い称号です。本来は、お寺を建立したり、社会的に大きな貢献をしたりした方に贈られるものです。「最高ランク」と呼ばれるのはこの部分が付くかどうかで決まります。
② 道号(どうごう)
例:△△(〇〇院 △△ □□ 居士)
故人様の人柄や趣味、仕事での実績などを表す、いわば「仏の世界でのニックネーム」のような部分です。ここにご家族の想いが反映されることが多いです。
③ 戒名(かいみょう)
例:□□(〇〇院 △△ □□ 居士)
本来の「名前」にあたる2文字です。俗名(生前の名前)から1文字取ることが一般的です。
④ 位号(いごう)
例:居士、大姉、信士、信女
性別や年齢、そしてお寺への信仰心や貢献度を表す、名前の下に付く尊称です。ここがランクを決定づける大きな要素となります。
プロからのアドバイス:ランク選びの基準
私がクライアント様にお伝えしているのは、「ランク=故人の価値ではない」ということです。
「お金がないから一番下で申し訳ない」と思う必要はありません。また、無理をして高いランクをつける必要もありません。
大切なのは、「お墓(ご先祖様)とのバランス」です。ご先祖様が「信士」なのに、今回だけ「院号」をつけると、お墓の中でバランスが悪くなってしまう、という考え方があります。まずはご先祖様の位牌を確認してみてください。
4. トラブルを未然に防ぐ!プロが教える3つの重要ポイント
戒名にまつわるトラブルは、残念ながら後を絶ちません。
その原因の9割は「菩提寺(ぼだいじ・先祖代々のお墓があるお寺)とのコミュニケーション不足」です。お客様を守る立場から、絶対に守っていただきたいポイントをお伝えします。
① 勝手にインターネットで戒名を購入しない
近年、ネットで安価に戒名を授与するサービスが増えています。それ自体は素晴らしいサービスですが、「菩提寺がある場合」は絶対にNGです。
菩提寺に相談なく他所で戒名をつけてしまうと、「うちはその戒名は認めない」「納骨させない」という深刻なトラブルになり、最終的に「戒名の付け直し(二重払い)」になるケースを何度も見てきました。
② 「お気持ちで」と言われた時のスマートな聞き方
お坊さんに費用を聞いた際、「お気持ちで結構です」と言われるのが一番困りますよね。
そんな時は、こう聞いてみてください。
「皆様と同じように失礼のないようにしたいので、当家の格に合わせて、目安を教えていただけませんか?」
あるいは、葬儀社の担当者にこっそり聞くのも手です。私たちのような専門家は、地域やそのお寺の相場観を把握しています。
③ 夫婦でのバランスを考える
もし、すでに配偶者が亡くなっている場合は、その方のランクと合わせるのが一般的です。夫が「居士」なら妻は「大姉」、夫が「院号」なら妻も「院号」と揃えることで、あの世でも夫婦並んで過ごせると言われています。
5. 2026年、新しい供養のカタチ——「解決策」は一つではない
時代は変わりました。少子化、核家族化が進み、従来のようなお寺付き合いが難しい方も増えています。
2026年の今、私はクライアント様のライフスタイルに合わせて、柔軟な「解決策」をご提案しています。
生前戒名(せいぜんかいみょう)のすすめ
「死んでから他人に名前を決められたくない」「子供に費用の負担をかけたくない」
そう考える40代〜60代の方が増えています。生前に自分でお寺に通い、納得いく戒名を授かる。これは、残される家族への最高の「思いやり」という解決策です。
お寺とお付き合いがない方への「戒名授与サービス」
菩提寺がなく、霊園や散骨などを希望される方には、信頼できる僧侶による「戒名授与サービス」をご紹介することもあります。
これは決して「安かろう悪かろう」ではありません。お寺とのしがらみを持たず、しかし仏弟子としての証はきちんと持ちたい。そんな現代のニーズに応える正当な選択肢です。
6. まとめ:誠実な供養が、家族の未来を明るくする
長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございます。
戒名・法名の相場やランクについて解説してきましたが、最後にこれだけはお伝えさせてください。
戒名の良し悪しは、金額の多寡(たか)ではありません。
どれだけ立派な院号が付いていても、ご家族が「無理をして払った」「お寺に不信感がある」と思っていては、故人様も浮かばれません。
逆に、一般的なランクであっても、ご家族が「いい名前を付けてもらったね」「あの人らしいね」と心から思えれば、それは最高の供養になります。
私たち専門家は、単に葬儀や仏具を売っているわけではありません。
皆様が抱える「どうすればいいかわからない」という不安を、「これでよかったんだ」という安心に変えるお手伝いをしています。
もし、まだ迷いや不安があるなら、一人で抱え込まずに相談してください。
あなたの家族にとって、最もふさわしい、温かい解決策を一緒に探していきましょう。



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