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エンバーマー(遺体衛生保全士)になるには?資格・専門学校・求人と年収のリアルを完全解説

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清潔なラボで白衣を着て、花に囲まれた空間で丁寧に作業の準備をするエンバーマーの手元のイメージ。尊厳と静寂、プロフェッショナリズムを感じさせる雰囲気。 キャリア・独立・将来性
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エンバーマー(遺体衛生保全士)になるには?資格・専門学校・求人と年収のリアルを完全解説

エンバーマー(遺体衛生保全士)になるには?資格・専門学校・求人と年収のリアルを完全解説

「人生の最期を美しく送り出す手伝いがしたい」
近年、映画やドラマの影響もあり、ご遺体のケアを行う職業に注目が集まっています。その中でも、科学的な処置を施し、生前の安らかな姿を取り戻す技術者「エンバーマー(遺体衛生保全士)」を目指す人が増えています。

しかし、納棺師とは何が違うのか、どうすればなれるのか、具体的なルートはあまり知られていません。本記事では、日本におけるエンバーマーの資格取得方法、学校選び、そして実際の求人状況や年収について、業界の現状を交えて徹底解説します。

目次

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そもそもエンバーマー(遺体衛生保全士)とは?

エンバーマーとは、ご遺体に対して「エンバーミング(遺体衛生保全)」という化学的・外科的な処置を施す専門技術者のことです。

エンバーミングの3つの目的

エンバーマーの仕事には、大きく分けて3つの目的があります。

  1. 殺菌・消毒(公衆衛生):ご遺体からの感染症蔓延を防ぎ、安全にお別れができる状態にします。
  2. 防腐保全(期間の延長):ドライアイスだけに頼らず、常温でも長期間(10日〜2週間程度)ご遺体を腐敗から守ります。海外からの搬送や、葬儀まで時間が空く場合に重要です。
  3. 修復・化粧(生前の姿へ):病気や事故で損傷したお顔や身体を修復し、安らかな表情を取り戻します。

「納棺師」との違いは?

よく混同される「納棺師(おくりびと)」との決定的な違いは、「体内の血液と防腐剤を入れ替える医療的処置を行うかどうか」です。

  • 納棺師:死化粧、着せ替え、湯灌(ゆかん)などを行い、棺に納める儀式を執り行う。医療的な処置(切開など)は行わない。
  • エンバーマー:一部切開をして血管から薬剤を注入するなど、外科的な処置を行う。

つまり、エンバーマーは納棺師のスキルに加え、解剖学や公衆衛生学の知識と技術が必要な、より専門的な職種と言えます。

日本でエンバーマーになるための最短ルート

現在、日本において「エンバーマー」は国家資格ではありません。しかし、ご遺体にメスを入れる行為を含むため、厳格な自主基準が設けられています。

日本でプロのエンバーマーとして働くには、一般社団法人 日本遺体衛生保全協会(IFSA) が認定する資格を取得するのが唯一の王道ルートです。

資格取得までの4ステップ

STEP 1:IFSA認定の養成校に入学する 高校卒業後、認定された専門学校または大学に入学します。 STEP 2:所定の単位を取得し修了する 解剖学、病理学、修復学などの講義に加え、実習を行います。 STEP 3:エンバーマー認定試験に合格する 筆記試験により、まず「暫定ライセンス」を取得します。 STEP 4:実務経験を経て本資格へ 就職後、IFSA認定スーパーバイザー指導のもとで規定回数(約50体以上など)の施術を行い、最終実技審査に合格して初めて正規のエンバーマーライセンスが交付されます。

※アメリカやカナダのライセンスを取得して日本で働くケースもありますが、日本の法規制や遺体処置の文化(土葬ではなく火葬前提)に合わせるため、結局は日本のIFSA基準に準拠する必要があります。

IFSA認定校と学費・カリキュラム

2024年現在、IFSAが認定している養成機関は日本国内にわずか2校しかありません(過去にはもう少しありましたが、統廃合が進んでいます)。この希少性が、エンバーマーへの道を狭き門にしている一因です。

現在認定されている主な学校(例)

学校名場所期間特徴
日本ヒューマンセレモニー専門学校神奈川県平塚市2年制葬祭ディレクター技能審査の対策も同時に行える、葬儀全般のスペシャリスト養成校。
東海医療科学専門学校
(臨床工学科 エンバーミング専攻など)
愛知県名古屋市※学科による医療系専門学校としての強みを活かし、解剖生理学などの基礎医学教育が充実。

※最新の募集状況や認定校の変更については、必ずIFSA公式サイトを確認してください。

学費の目安

2年制の専門学校の場合、初年度納入金は約120万〜150万円程度、2年間で250万〜300万円程度かかるのが一般的です。これに加え、実習着や教材費、海外研修(希望者)などの費用が発生する場合があります。

学ぶ内容

  • 基礎医学:解剖学、生理学、病理学、微生物学、公衆衛生学
  • 専門技術:遺体修復学、遺体保存学、化粧学
  • 関連法規:墓埋法、刑法など
  • その他:葬祭概論、グリーフケア(遺族心理)

資格試験の難易度と合格率

養成校でしっかり学べば、筆記試験自体の合格率は比較的高い(90%以上と言われることもあります)傾向にあります。学校側も合格に向けて徹底的な対策を行うためです。

本当の難関は「就職後の実技」です。
資格試験(筆記)に受かっても、実際の現場でご遺体に向き合い、完璧な処置ができるようになるまでの精神的・技術的ハードルが高く、ライセンス取得前に辞めてしまう人も少なくありません。

エンバーマーの就職先・求人・年収事情

就職先はどこがある?

主に以下のような場所が就職先となります。

  • エンバーミング専門会社:葬儀社から依頼を受けて施術を行う専門企業。
  • 大手葬儀社:自社でエンバーミング部門(センター)を持っている大手企業。
  • IFSA加盟の関連企業

求人は多い?少ない?

結論から言うと、求人数は「少ないが、需要は拡大中」です。
認定校が少なく卒業生も限られているため、売り手市場に見えますが、エンバーミングセンターの設備投資には多額の費用がかかるため、中小の葬儀社が簡単に導入できるものではありません。そのため、採用枠は全国的に見ても年間数十名〜百名規模という狭き門です。

ただし、近年は「家族葬」が増える一方で、「最期の時間をゆっくり美しい姿で過ごしたい」というニーズが高まっており、エンバーミングの実施件数自体は右肩上がりです。

年収・給料の目安

正社員として就職した場合の年収目安は以下の通りです。

  • 初任給:月給20万〜25万円程度
  • 年収:300万〜450万円(経験年数による)
  • センター長・ベテラン:500万〜600万円以上

一般的な葬儀スタッフと同等か、特殊技能手当がつく分やや高めに設定されていることが多いです。ただし、夜間対応や緊急の呼び出しがある場合もあり、労働環境はハードになる傾向があります。

向いている人・向いていない人

技術職であり、かつ「死」を扱う特殊な仕事であるため、適性は非常に重要です。

向いている人

  • 手先が器用で、細かい作業を長時間続けられる人:血管の確保や縫合など、繊細な技術が求められます。
  • 精神的にタフで、切り替えが上手な人:事故死や孤独死など、壮絶なご遺体と対面することもあります。感情移入しすぎず、プロとして徹する強さが必要です。
  • 探究心が強い人:ご遺体の状態は千差万別です。「どうすればもっときれいにできるか」を常に考えられる人が伸びます。
  • コミュニケーション能力がある人:ご遺体だけでなく、悲しみの中にいるご遺族への説明やヒアリングも重要な仕事です。

向いていない人

  • 血を見るのが苦手、感染症への恐怖心が強すぎる人
  • 不規則な生活に耐えられない人:人の死は予測できません。24時間体制のシフト制になることが多いです。
  • 単純作業だと思っている人:マニュアル通りにいかないことの連続です。

まとめ:命の尊厳を守るプロフェッショナルへ

エンバーマーは、単にご遺体を保存するだけの仕事ではありません。生前の元気だった頃の面影を取り戻すことで、ご遺族が「死」を受け入れ、前を向いて歩き出すための「心のケア」を行う、究極のサービス業とも言えます。

日本においてはまだ資格制度も発展途上であり、学校も限られていますが、その分、高い志を持った仲間と出会える環境でもあります。「どうしてもこの仕事がしたい」という強い情熱がある方は、まずは認定校のオープンキャンパスに参加し、実際の空気に触れてみることから始めてみてはいかがでしょうか。

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